第2話 二人の初めて

 「夢!飲みすぎじゃない?大丈夫?」

 「だっ、大丈夫だよ!」

 「本当?」

 「本当で~す」

 「これは酔ってるよ」

 「成翔!」

 「は、はい!夢希斗様なんでしょうか?」

 「もう一軒行くぞ!」

 「夢希斗様!家で飲みましょう!ね?」

 「別にいいけど、俺の家今なにもない。」

 「じゃ、わたくしの家に参りましょう」

 「わ、わかった」

 

 上手く丸め込まれなりの部屋に来た

 

 「なぁ~りぃ~さーけー」

 「まじ、まだ飲むの?大丈夫かよ?」

 「うん!なりも飲も?」

 「いいけどさ~、ちょっとまっててー」

 

       『ガン』

 なりが投げてきたビールが頭に直撃した。


 「いってぇー!酔いがさめるだろが!なりのバカ野郎!それに、吹き出す!」

 「ごめん!ごめん!」

 「違う!すいません!夢希斗様だろ!」

 「はいはい!すいませんでした夢希斗様!」

 「さすが、売れっ子!いい声!こりゃー、売れるよな」

 「なんだよそれ!」

 

 「夢と居ると悲しむ暇もないねぇー」

 「あっ、そのことだけどよー」 

 「なんだよ~」

 「お、俺じゃダメかよ」

 「は?ゆめちゃん?」

 「やっぱり俺じゃダメだよな」

 

 なに言ってだ?でも、口がとまらねぇ

 

 「いいとこねぇーしな。お前みたいに売れてねぇーし。」

 「は?えっ?」

 「わりぃー、忘れろよ」

 「忘れるわけないじゃん!」

 「でも・・・」

 「夢は良いところはいっぱいあるよ」

 「ねぇーよ!」

 「あるよ。顔なんてめっちゃ僕の好みなだよ?知ってた?」

 「えっ?」

 「知らなかったでしょ。」

 

 なりが俺にキス・・・

 

 「えっ?なり?」

 

 俺はなりを突き飛ばすしてしまった。一瞬悲しい顔をしたなりだったがすぐ、笑顔になった。

 

 「なんだよ~夢!良いところだったのに!」

 「いや、良いところとかじゃなくて!なんで?」

 「夢から誘ってきたんじゃん!」

 「いや、でも!なぁ!」

 「確かに先輩に振られたのは辛かったよ。でも、僕の一番は夢だよ?」

 「いやいや、なに言っての?俺、男!!」

 「知ってるよ。」

 「女の子好きだしおっきいおっぱい好きなんだぞ!」

 「知ってる」

 「さっきのだってただの同情かもしんねぇんだぞ」

 「夢ちゃんに限ってそれはないでしょ~」

 

 なんか、こいつと一緒に居すぎて考えてることも読まれてる気がする。

 少し怖い。

 

 「そんなんわかんねぇじゃん」

 「分かるよ。さっき、キスしたとき嫌がらなかった。」

 「でも、突き飛ばした。」

 「あれは、驚いたからでしょ?すごい、ビックリしたって顔してた。」

 「そ、それは」

 「でしょ?僕の一番はいつでもゆめだったんだよ。でも、夢に言ったら嫌われるのが怖かった。」

 「そんなことで嫌わねぇーよ。やっぱりお前バカな」

 「えっ・・・」

 「初めから俺にコクとけば傷つかなくてすんだのにな」

 「だ、だねぇ。じゃ、今からコクッもいい?明日ちゃんと覚えてる?」

 「あぁ、覚えてるよぉ~」

 「本当かなぁー?」

 「本当だよ!俺、夢希斗は成翔きゅんの告白をしっかり覚えておくことをビールに誓います。」

 「僕の告白は夢にとってビールと同じ・・・」

 「そんな落ち込むなよ!ちゃんと覚えといてやるから」

 「わかった。」

 

 「僕、夢希斗のこと一目惚れだった。声掛けたのだって本当誘うためで・・・。えっとー・・・でも、夢を僕のこんな気持ちで壊しちゃいけないとか思って」

 「は?なに言っての?」

 「ごめん、だよね。僕何言ってんだろう。これはキモいって言われて当たり前だよな」

 「いや、じゃなくて!俺が壊れるとかなんとか」

 「夢は思ったよりずっと綺麗だから僕が手を出せる存在じゃないと思ってた。でも、夢から今日誘ってくれて、僕でもいいんだって・・・そう思えた。夢希斗僕と付き合ってくれますか。」


 嫌ではない。他のやつになりが傷つけられるなら俺と付き合って欲しい。でも、相手は男だ。しっかり愛せるのか?

 

 「なり、俺は男相手に恋愛なんて初めてだからこの感情が好きかどうかもわかんねぇ。でも、お前が傷つかないですむなら俺でもいいんじゃないかそう思える。そんなでいいなら付き合ってやってもいいぞ」

 「いいよ!僕に溺れさせてあげるから」

 「えっ・・・」

 

 いきなりのキス。

 

 「ベッド行こうか。」

 

 そういいお姫さまだっこの常体でベッドまで連れてこられた。

 

 「夢、まじでいいの?」

 「なんだよ!ここまで連れてきておいて」

 「だって・・・」

 「なに?」

 「明日になったら忘れてるとかなしだよ!」

 「わかったから早くしろよな」

 「わ、わかった」

 

 どこか甘くてほろ苦さがある。

 青春時代に忘れてきたはずのキスの味。 

 

 「おまっ、キス上手すぎ。俺、おかしくなりそう」

 「いいよ、なってよ。僕の知らない夢をいっぱい見せて。」

 

 「夢、口。開けて。」

 

 なりの舌が俺の口の中に、キスくらい何回もしたことあるのになりとのキスは体に力が入らなくなる。

 

 「な、なり。お前、なにした。」

 「えっ・・・なんのこと?」

 「体に力がはいねぇ。キスじゃこんなことにはなんねぇだろぉ!」

 「ふ~ん。夢はキスよわいんだ~」

 「べ、別にそんなことねぇよ」

 「もー、雰囲気台無し。」

 「わ、わりぃ」

 「まぁ、いいよ。お仕置きはするけどね」

 

 なりのがゆっくりと服の中に入ってくる。

 

 「ちょ、そ、そこ胸」

 「感じない?」

 「あっ」

 「声、もっとだして。我慢しなくていいから」

 「んっ、」

 

 思っていたよりずっと気持ちいい。

 

 「夢、どう?気持ちいい?」

 「言わせんなバカ・・・」

 「そっかー、じゃーこっちは」

 

 なりが俺のズボンを脱がせ下を触ってきた。

 

 「おっきくなってる。もう、我慢できないでしょ」

 「んっ、そ、そこだっめ・・・」

 「でも、いっぱい濡れてるよ?」

 「なっ、なり、イッ、イく。」

 「いいよ、イって。」

 「んっ、あっ」

 「いっぱいイッちゃったねぇ。気持ち良かった。」

 「おかしくなりそうなくらい気持ちい良かった。」

 「それは、良かった。でも、夢ばっかりずるい~。」

 「俺もお前のやればいい?」

 「それもいいけどさ、夢うつ伏せになって」

 「わ、わかった」

 

 言われるがままうつ伏せになるとなりがローションを取り出した。

 

 「な、なり何に使うんだよ」

 「もちろん、夢ちゃんに!」

 「へっ!?」

 「力抜いてね。」

 

 中に指を入れられた。

 めっちゃ痛い。

 

 「ちょ、痛い」

 「大丈夫。少し我慢して」

 「わ、わかった。」

 「そろそろ、もう2本してもいい?」

 「ムリムリ。だって、1本でめっちゃ痛かったもん。」

 「大丈夫、入れるからね。」

 「えっ」

 「どう、まだ痛い?」

 「いや、痛くはないけど、気持ちよくもない。」

 「じゃ、この辺は?」

 「いっや」

 

 今までに体験したことない気持ちよさ。

 

 「気持ち?」

 「んっ、あっ、気持ち」

 

 今までSEXをしょうとこんなに喘ぎ声が漏れるなんてことなかったのに・・・。

 

 

 

 俺は途中で気を失ったらしくここまでの記憶しかない。

 

 「えっ!?えっとー、なりとしたんだよな確か・・・それで、えっとー、なりとしててローションを使ったのは覚えてる。」

 

 そんなことを考えているとどこかに行っていたなりが帰ってきた。

 

 「夢、はよー」

 「は、はよー」

 「どーした?顔色悪いよ?」

 「いや、なんでもない」

 「昨日無理させたのが響いた?ほんと大丈夫か?」

 「あぁ、水が欲しい。頭ガンガンするし、だるいし、けつ痛くて立てねぇ」

 「ご、ごめん!水ね待っててとってくる。」

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