第10話 考えたら、実行する!魔法を実戦検証中!?
私は、考えた。どうやったら隣国の攻撃を退け、さらに、今後安全にこの近隣の住人が暮らしていけるかを。
魔法で結界とか?しかし、そうそう維持できるものでもないよね。
うーん、嘘発見器的な感じで、怪しい人は 関所で通さない通さないとか?
空港の検査みたいなので、怪しい人を弾くゲートとか?
あんまり現実的じゃないな、ここ科学技術はそんなに無いし……。
でも、その辺りは魔法でどうにかなるんじゃないかな?
ここに悪意を持つものは入れません! って感じの判定するものを作って、砦の通用口に設置すれば良さそう。
それなら、イメージ的には占いで使う水晶球がいいな。
それに手を載せると、悪意ある人物が触れたら中に黒いモヤが出てきて、問題ない人は黄色とかどうだろう?
いいかも!なんて一人そこで頷くと、副団長さんが私に聞いてきた。
「ユウ様。なにか、いい思いつきでも?」
その問いかけにビックリしつつも、今考えたことを言ってみることにした。
「この砦の通用口に、ちょっとしたものを設置してみたらどうかな? と思いまして」
そこから私は、さっき考えたことを言った。
「まずはこの状況をどうにかしなきゃならないんですが、落ち着いたら住人の安全のために、ここに悪意を持って入ろうとする者の入国を、拒否できるような装置を置きたいなと」
それには、ちょっとみんな目が点になったみたい。
「ユウ様、それは具体的にはどんなものをお考えですか?」
副団長さんが、やや前のめりで聞いてきたので、私は少し驚きつつも答える。
「今、やってみますね?」
そういうが早いか、私は自分の両手をものを持つように掌を上にしてイメージした。
すると、私の広げた手の上には程よい大きさの水晶球が乗っかった。
「これに悪意ある人物が触れると、黒い霧が中に立ち込めます。そういう人はそこで入国拒否すれば、国内に入られないので安心です。普通の人が持てば、こんな感じで黄色いモヤになります」
皆が手元の水晶を覗き込み、黄色のモヤを見て納得していると、副団長さんは言った。
「これは、我が国の四つの砦全てに設置したいですね。これの維持はどうなっているのでしょう?」
「周囲に自然に漏れてる魔力を吸うようにと考えたので、置いておけば半永久的に使えるものになります。ただ、素材としては強くないので落とすと割れますよ?」
私の答えに、またも周囲はどよめきに変わる。
周囲の魔力を自然と吸収ってそんなに不思議かしら? 最初の村から移動してきている間に、ちらほらと見てきたけど結構そこら辺に漂ってるから、使えると思うんだよね。
どうやら、魔力って人だけじゃなくて自然物も持ってるみたいで、岩とか木とか、草花からもちょっとずつ流れてくるんだもの。
そういった力を借りるのは、悪くないと思うんだよね。
発想的には自然エネルギー的な感覚なんだけど、周囲の反応を見る限り、この考え方は普通ではなかったみたい……。
「ユウ様。自然に漂う魔力とは、どういったものかお分かりですか?」
うーん、ここでは非常識なのかな? それとも新発見レベル? 周りの魔力強い人達でも見えないのかな? 疑問に思いつつも、私は私に見える事を伝える事にした。
「最初の村から移動する間も、あちこちから魔力を感じたの。よくよく見れば、魔力は木々や草花や岩、小動物達からも自然に漂ってるから」
みんな驚いた顔のままで、耳だけしっかり聞いてる感じなので、そのまま続けた。
「白い霧みたいに私には見えるんだけれど、みんなには見えないものなの?」
私の問いには、いち早く状態が回復した団長さんが答えてくれた。
「騎士団にいる連中は、大抵魔力も強い。騎士は魔法剣士だと思った方がいい。そういう連中でも魔力が可視化されたとは聞かない。俺も魔力を感じることは出来ても、見ることは出来ない」
その言葉で、私の感覚がかなり特殊で突出していることを自覚した。
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