第3話武器と装備

あれからはというとレベル上げはせずに、ギルドに貼ってあったバイト募集のチラシを見て一週間バイトすることにした。

なので俺は近くの飲食店でバイトをした。

時給も高いし…

色々失敗は起こしたけれど、

そのおかげでお金がたくさん溜まった。


な、の、で


俺は装備と武器を揃えるためにイヤの町に来た。

イヤの町は武器や装備の質が良く、食料も豊富なので駆け出しはここで武器を揃えるのが基本ってアレンが言っていた。


俺は早速とある鍛冶屋に入った

【Yの鍛冶屋】という鍛冶屋らしい。

からんからん♪

「おっ、いらっしゃい。」

鍛冶屋の人が迎える。

その人は青髪でスリムで少しイケメンだった。

中にはとても堅そうな鎧や、とても切れ味の良さそうな剣が飾っていた。

早速、俺は鍛冶屋の人の前に立つ。


「お客さん、今日はどういったものをお探しですか?」

結構丁寧に話してくるなあ。

俺の鍛冶屋のイメージはというと、

「よう、あんちゃん。今日は何しに来たんだ?」

なんていうイメージだったけど。

とりあえず俺は、

「ああ、じゃあ駆け出しでも簡単に使える武器や装備を頼む。」

と、注文した。

「はい、わかりました。」


俺は一つ気になったことを言ってみる。

「あの、看板のYはやっぱりあなたの頭文字ですか?」

「あ、ああーあのYね、うん、あ、そう、それは俺、夜影(よかげ)の頭文字だ。そんなこと聞くなんてお前とあいつだけだよ。」

あいつ?知り合いなのかな?

それにしてもこの世界にも日本人みたいな名前の人はいるんだな。

いや、もしかしたらこの人も召喚者!?。いや、ちがうだろ。

それにしても夜影って正直、カッコいい名前だな。

親は警察官なのか?


そんな夜影のことを考えていると、夜影が剣と装備を持ってきた。


まず剣から。

「これは鉄から作った片手剣だ。鉄でも熱耐性を持っていて、とても硬くて軽いものだから駆け出しでも使えると思うぜ。」


ほお、これは確かに。、、痛ああああぁぁぁぁああっ

「どうしたんですか」

「剣を持ったら、い、痛くなって。」

なんと剣を持つと突如痛みを感じた。

すると夜影が何かに気付いた。


「お前もしかして体の勇者か?」

「はい、そうですけど。」

そうか、というような様子をしている夜影。

「体の勇者やボディハンターは剣や盾を使えないんだよ。」

「え、えええぇぇぇぇええええ!!」

俺は思わず絶叫してしまった。

剣や盾を使えない。そんな。

これじゃあずっと拳とキックで戦わなくてはいけないのか。

すると夜影がこんなことを言った。

「そうだ、絶望している君にいいこと教えちゃお。」

「えっ!」

なんだなんだと俺は耳を傾けた。

「実は体の勇者専用の武器をうちでしか取り扱ってないんだよ。よかったら見ていくかい。」

な、なんだと体の勇者専用の武器があるなんて。しかもここでしか取り扱ってないとは。

こうなったら見ていくしかねぇだろ。


体の勇者専用の武器は思ったのと違った。

なんだかとても小さい。米粒と同じくらいに。

「これが、武器?」

思わず本音が出た。

「そうだよ、これを手に埋め込むと手から刃が出たり銃みたいに打つことだってできたりするんだよ。」

「えっ、埋め込むのですか!」

「大丈夫だって、注射くらいで済むから。」

俺は少しホッとした。


「あれ、この『先』と『平』手なんですか?」

「ああ、それは『先』指先で、『平』が手のひらに埋め込むのだよ。指先が軽い技で、手のひらがどでかい技を出すことができるのだよ。でもお前にはまだ『先』だけしか使えないな。」

「そうですか。」

「ほら、さっさと選びなよ。」

「じゃあ…刃と銃で。」

「まいどありー。銃の弾はお前の魔力を使うからあまり使いすぎるなよ。あと、お前装備忘れているだろ、金も払っていないし。」

「ああ、すみません。」

俺は夜影のところに戻り、装備を見た。

夜影が解説する。

「お前に鎧は早すぎるから、部分装備になるんだが、攻撃のマントと鉄の腹巻だ。着てみろよ。」

俺は攻撃のマントと鉄の腹巻を装備した。

「どうかな?」

「うん、すっごく似合っているよ。攻撃のマントの赤色が緑色の髪に合っていて。」

腹巻については言わなかった。

「このマントと腹巻ってどんな効果があるんだ?」

「攻撃のマントは攻撃を底上げしてくれて、鉄の腹巻で防御もバッチリ。」

「へー、じゃあこの装備達で頑張っていこうかな。」

「おう、頑張れよ。」


俺は代金を支払い、店から出て行く時、夜影がこんなことを話した。


「お前、いや、体の勇者。今日の夜うちに来れるか。話がある。」

話?なんだろう

「わかりました、今日の夜ですね。」

「そう、じゃっ、また夜に。」

「そうですね、また夜に。」


俺は店を出た


バタンッ


ふっ、やっと来ましたか、


体の勇者。




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