世界はあまり創れないのよ。みんなが創り過ぎているからねっ
「光帝・超光速機構」
光の炎から火花が飛び散り、周囲に無数の光の玉が発生していく。
『ふふっ、違う武器の方が良かったかな』
白い剣……超神聖剣・エクスカリバーを構えた時に……おや? 左手の薬指に指輪をしている。
「ラグナさん、その指輪……結婚しているのですか?」
『ん? あぁ、結婚とは違うがな。絆のようなものだ……アレスティアは、星の力を使わないのか?』
「……最近星の力を使い過ぎているようで、あまり使えません。また魂が分離したら今度こそ人間の私が死にます。死んだら、人の心を失ってしまいますから、ね」
使い過ぎなんだよなぁ……最近。世界を創るのは無限ではないから、さ。
《……》
創った世界を無駄にしなければ、良いけれどね。
バランスって大事なのよ。
『少し、働かせ過ぎたか』
「いえ、死の星を復活させるのは問題ありませんよ。私の応援団が張り切っていまして」
『仲間の手助けを隠さないのだな』
「はい、みんながいるから私が居ます。大好きな人達と一緒に戦うなんて最高じゃないです?」
『激しく同意、だな。例え結果的に弱くなろうとも……共に戦う仲間は、良いものだ』
「ははは……それはいいっこなしですよっ! 超光速……転移!」
光から光へ光速移動なんて捉まる……ならば光速で転移だよっ!
『速い……テラ以上か』
視界に映らないくらい光速で転移、私の光は遥か上空にも及ぶ。
ソルレーザー機構展開っ! この無数の光はただの転移装置ではない……
「全弾発射! ソルレーザーレクイエム! 禁薬作製っ!」
全ての光からソルレーザーを放ちながらエリクサーパイン味を飲み干す……まだ飲めるけれどお腹たぷたぷになったらどうしよう。
『天獄剣・闇銘』
ふわりと回転しながら剣を振るうと……周囲に闇が展開され、ソルレーザーが吸収されていく……その闇は、吸収する度に密度が濃くなり……嫌な予感。
黒異天体を作成……少し不安だけれど攻撃を休めたら駄目だ。
「追撃っ! 黒異天体開放っ!」
『後ろか』
っ! 放つ寸前で脇腹にラグナの蹴りが入った……ビキビキと骨が軋み、吹き飛ばされる。でも光速転移で蹴りを放った状態の真後ろへっ!
「インフィニティエナジー!」
『……天獄剣・流銘』
「と見せかけて超重力っ!」
『くっ……』
「やっぱり見せかけてないインフィニティエナジー!」
『やるぅ、武器作成』
また蹴り飛ばされながらも黒異天体解放してやった!
一瞬だけ力を溜めたくらいだからダメージは無さそうだけれど、当たると安心する。
蹴り飛ばされた先、アスターの応援団の場所……家に当たる前にテラに受け止められた。
「テラさん、ありがとうございます」
『ええんやええんや。ラグなん楽しそうでな、みんな嬉しゅうてアレスティアに感謝しとる』
「そう言ってもらえると嬉しいですね。皆さん、今度ご挨拶に行きますね」
アスターのみんなに手を振り、ラグナの姿を確認……ダメージは、本当にあるのかというくらい無傷なのだが……身だしなみバッチリなんて考える前に追撃を……
……あれ? 闇が消えた……?
──パンパァンッ!
「ごふっ……」
《アスティ!》《回復が遅いですっ!》《みんなでやるわよっ!》
何を、した。お月見ゼロアーマーを貫通だと……
鳩尾を貫通した何か……ラグナの両手には……白と黒の二丁拳銃。
片方は頭と、もう片方は足を狙っている……一瞬の判断ミスが命取りだこりゃ。
「──イッきゅん!」
《はいっ》
「《ダイヤモンドシールド!》」
ダイヤモンドシールドを展開した瞬間に、ギュルギュルと目の前で回転する弾丸……怖え。
足は撃たれたよ。でもすぐ回復したからね。
『どうだ? 私の得意武器だ』
「スリルあり過ぎて、思わず世界を創る所でした」
『創っても、貫いてやるさ』
「それが困るんですよ。あまりここで壊されたくありません」
『それは聞いても良いかい?』
「はい、ご存知かと思いますが、裏世界は星が失敗した世界を捨てる場所です」
『……それは、本当か?』
「本当ですよ。捨て過ぎたり、切り離し過ぎたりすると歪みが生まれます」
私の壊された世界もあったから、裏付けは出来ている。継ぎ接ぎだらけの、寄せ集めの世界……そりゃ歪みも凄いし、次元の隙間から邪気だって流れるよね。
『くくっ、そうか……長年議論されていた事がこうもあっさり解ると、変な気持ちだよ』
「出来るだけ……協力はしますよっ! 封印解除れべるつーすりー! ロクちゃんナナちゃん! コーデリア! ルナお母さん!」
《ナナ、出番来たよ》《……張り切る。手繋ご》《全力で行きますよっ!》
《みんなの力、か……月よ》
れべるわんの魔法特化かられべるつーの物理特化を飛び越えて、覚醒モード!
銀色の炎が噴き出し……これ……ふんばらないと変なところに飛びそう。
『ほほぅ……これは、無事で済まないなぁ……』
ちょっと、覚醒モードは準備に時間が……
──パァンッ!
ひぃっ! 一瞬で防御が貫かれるっ!
こういう時は……
ひっさーーーつっ!
頼れる仲間を呼ぶのだぁぁあ!
「たぁぁすけてぇぇぇえ覇道ちゃぁぁぁん!」
『……覇道ちゃん言うなし』
『む? 来たか……っ』
──ガキンッ!
と黒い鎧を纏った私と同じ顔の覇道ちゃんがラグナに斬り掛かり、ラグナが拳銃を交差させて受けた。
髪伸びたね、黒髪ロングとか清楚感出て羨ましいよ。ラグナも黒髪だから私だけ仲間外れみたいで寂しいよ。
ねえ、なんでおっぱい大きいの? 主人公補正から外れたからおっぱい大きいの? えっ、じゃあ主人公辞めたら私も……いかんいかん雑念に襲われている。
「待っていたよ覇道ちゃんっ! お姉ちゃんを助けてくれるって信じていたよっ!」
『……約束は、守ってよ』
ふふんっ、恥ずかしがってもう可愛いんだからっ。
私は自分大好きだから、もう一人の私である覇道ちゃんは大好きなのだ。
でも私の愛は一方通行。
でもでも良いの。時間は沢山あるから。
因みに覇道ちゃんとはまた戦う約束をしているのだ。
まぁ、丸くなったというか、勝者には従う律儀さはあるみたい。
でもでもでもお姉ちゃんって呼んでくれないのよ。
次に負けたら覇道ちゃんの言いなりねっ。
ムルムー、覇道ちゃんの撮影やっている?
《抜かりは無いでござるよ》
「あっちの、勝負でも良いのよ」
『……馬鹿なの? さっさと力溜めれし』
「もぅっ、照れちゃって可愛いんだからっ!」
『……さて、ラグナさん。よろしくお願いします』
『あぁ、覇道が来るのを待っていたぞ。邪悪、混沌、破壊を揃えた者と戦うのを楽しみにしていた』
『光栄ですね。私も、天異界序列一位筆頭女神と聞いて楽しみで楽しみで仕方がありませんでした』
「覇道ちゃーん三分頑張ってねー」
私にウザそうな視線を向けた覇道ちゃんと楽しそうなラグナが向き合い、お互いに笑った瞬間……ラグナの早撃ちが覇道ちゃんと私に命中。覇道ちゃんが汎用型魔法陣を大量に作成し、ラグナと私を狙って魔力を練りだした。
……あのさ、普通私狙わないよね。
道理ってあるじゃん。
ラグナもさ、どさくさ紛れに撃たないでよ。回復大変なんだぞ、みんなが。
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