七章……ジョーカーへの道

はいはいー帰る準備してねー

※お久し振りでございます(゚ω゚)/

折角なので七章を載せますね。



♀×♀×♀×♀×♀


 

「あっ、ミズキさん」

「ん? なにレティ」


「地球に帰りましょうか」

「急すぎて心の準備が全く出来ていないね」


「私もミズキさんの故郷を見て気分を変えようと思いまして」

「気分? そういえば試練ってどうだったの?」


 キリエと戦った次の日、パンパンで休憩中のミズキの隣に座り、腕を絡めてくっついてみた。

 試練ねぇ……


「結果を言うと敗けました」

「そうなんだ、残念だったね。強かった?」


「強さだけならこっちが上でしたよ。ただ凶悪な能力を持つ方が居まして…」

「凶悪? レティが言うくらいだから相当凄いんだね」


「はい、例えば…息を吸うだけで性的な意味でイクとしたら、どうしますか?」

「息だけで? 息を止めるとか?」


「加えて身体を動かすだけでイクとしたら?」


 ミズキの顔が嫌そうに歪んだ。

 そう、キリエの補佐に凄い術を使う人…というかエルフが居たんだ。なんだよ秘術・全身性感帯ってさ……


「じゃあ…イッたの?」

「はい、イキました。コーデリアはエロに耐性が無いので直ぐにイキ死にしましたね」


「うわ…凄い嫌な戦いだね…」

「私は気持ち良かったから良い感じで戦えましたが、魔法くらいしか使えなかったので駄目でした」


「動いたらイクもんね。えっ、もしかしてこの会話だけで昨日のダイジェストにするつもり?」

「いやだって完全に十八禁の戦闘ですから、自主規制しか無いんですよ。因みにキリエさんも秘術に巻き込まれて目が死んでいましたね」


 いやぁ、内容は良かった。エロフのサティエルさんに今度色々教えて貰う約束したし。サティエルさんってリアちゃんの親友らしい。だからあんなにエロいんだな。


「凄いね、神の戦いって……次の試練はいつなの?」

「さぁ? アスターの女神様って忙しいらしいので、数日前に連絡が来ます」


「そっかぁ、応援はするね。地球に行くなら姫にも教えないと」

「ヘンリエッテはキッチンでしたね」


 パンパンは円形のキッチンに改装して、半分は帝国、もう半分はアース王国でオーダーは転移陣で送るという斬新な設計。

 つまり帝国のパンパンとアースのパンパンは繋がっているので、引き継ぎやシフトが大変便利なのだ。


「えーっと、三番卓のデラックスと、フルーツ出来ましたー。お願いしまーす」

「はーい、あっベリーソース掛かってないでーす」


「あっ! すみません! 今掛けます!」

「焦らないで大丈夫ですよー。はいどうもー」


 忙しいかな。

 そうでもないけれど、ヘンリエッテがテンパッている感じか。

 メニューの写真通りにしないといけないから緊張するよね、私は出来るよ。いつもカウンターでリアちゃんの目の前で盛り付けしているから。


「エッテちゃん休憩どうぞー」

「はいっ!」


 ……良い感じに調教されてんな。まぁ楽しそうだし、良い息抜きになっているみたい。


「休憩入りまーす。あっ、アレスティア! 試練どうだったの?」

「ボッコボコにされて落ち込んでいるよ。とりあえず私を慰めてみて」


「えっ、それ正解じゃないとダメ出しされる奴でしょ」

「そうだね。そうそう、後で地球に行くから準備しておいて」


「サラッと大事な事言わないでよっ! ってみんなに挨拶しなきゃいけないでしょ!」

「いや、しなくて良いよ。夜に帰ってくるし」


 えっ? って顔でコテンと首を傾げる感じがあざといね。ミズキも、ん? って顔で私を見ている。あれ? 説明しなかったっけ?


「帰るって…ここに?」

「うん、私次元転移出来るから、普通に帰ってくるよ」


「それって……」

「往復出来るようになったって事。この前言ったじゃん、頭の中で」


「「……」」

「ミズキぃ…」「姫…」

 ミズキとヘンリエッテが顔を見合せ、抱き合って喜びを分かち合っている。私のお蔭だぞー。感謝しろー。


「レティ…ありがとう。でも、そんなに簡単に往復出来るものなの?」

「普通は許可やらあるので出来ませんよ。でもこの星は地球から情報を得た影響の次元の歪みがあります。ミズキさんもそこから迷い込んだ訳ですが……それを私の星の力で切り取って、それっぽく次元転移用の座標にしたんですよ」


「それって…結構凄いの?」

「凄いと思いますよ。リアちゃんクラスの時空魔法使いでも気軽には出来ませんから」


 普通に難しいらしいというか、犯罪…いや間違えた、難しいらしいよっ。


「へぇー、世界間って勝手に行っても大丈夫なの?」

「一応世界毎に通行証はあるらしいですよ。それが一番簡単な方法ですし」


 リアちゃんの場合は天異界本部でその世界の通行証を発行してから、一定期間だけ行き来する。リアちゃんって意外と真面目だからね。

 私の場合は星、一応神より偉いから好き勝手にやっても大丈夫という自信があるのだ。

 神が勝手に作った約束だからね。星には関係無い。

 何か問題があったら愛しの女神ルゼル様がなんとかしてくれる。


「じゃあ地球にも神が居るのかな…」

「確か居ますが管理はしていませんよ。地球は神の数が多すぎて困った時だけみんなで頑張るスタイルらしいです」


「あぁ…日本だけでも多い感じだもんね」

「日本は神の振りをしている鬼や妖怪が多いのでなんとも。じゃあ仕事が終わったらここに集合で」


「わかった。ありがとう……やっと、帰れるのか……」

「あっ、若返ったら……いや、なんでもないです。では後ほど……」


 リアちゃんに連絡しておこう。若返りよろしくって。

 ……若返ったら、ミズキは処女に戻る訳か……ふむ。ふむふむ。

 とりあえず集合まで時間があるから……幼女の様子を見よう。

 二階に上がり、幼女の部屋を開けると、普通に寝ていた。仕事しろよ。


「すやすや」

「……」


 パジャマ姿でお腹を出していたので、お腹からパジャマの中に手を入れてぷにぷにの身体をナデナデ。ナデナデ……コリ…間違えたナデナデ。


「んぅっ…んんぁんっ……」

「起きないか。そういえば昨日序列戦だっけ」


 疲れているなら無理に起こさない方が良いか。

 どうすっかな。誰か居ないか休憩所に行こう。


「あっ、アスティさん昨日最高でした!」

「レーナちゃん、昨日って騎士のアレ?」


「はい! プロマイド全種類手に入れましたよ!」


 昨日恥ずかしい撮影をしたばかりだったな。

 プロマイドを見せてもらうと、色々なアングルのアレス君騎士服バージョンが映っていた。なるほど、良い商売だなムルムーよ。

 ムルムーはきっとどこかで私のストーキングでもしているんだろうな。


「やっぱりみんなの人気はアレス君なんだね」

「そりゃあ私の含めみんなの初恋ですから。今度アレス君の日を作って下さいよー」


「そうだねー、それ良いかも」

「私予約します!」


 全年齢版で一日アレス君デートなんてやった事なかったな。

 朝から晩まで……大変な一日になりそう。パンパンから出られない可能性が高い。

 でも楽しそうだ、うん、今度やろう。

 そうだ、服ってこれで良いのかな?

 世界によって流行りとかあるし……たぶれっとで調べよう。ふむふむ、まぁ白い服でいいや。


「そのタブレット、限定版でしたっけ?」

「そうなの。みんなのは簡易型だもんね」


「そうなんですよー。どこでも連絡できるだけ恵まれていますが、可愛いやつは高いんですよね。今お金を貯めている所です!」

「いくらするの?」


「百万ゴルドです」

「高くね? まぁ材料費なんだろうけれど……」


 一応みんなも持っている。楽々レットという簡易型で防犯機能付き魔導具で、この世界でしか使えない。最近パンパンの関係者の標準装備になった。

 普通のやつはお金を貯めて自分で買う…というか恐らくリアちゃんが作るんだけれど。

 ミズキがお婆ちゃんが使う携帯電話に似ていると言っていたな。


 私のたぶれっとは大分使いこなしていると思う。動画も観られるし、音楽も聴ける。

 連絡帳に入っているのは、ルゼル、ヘルちゃん、リアちゃん、幼女、イッきゅん、キリエ、ノワールさん、ルナリード、コーデリア、蒼禍、ロクナナ、雌豚、店員さん達、天異界本部の連絡先…うん、まぁみんなの連絡先は入っているよ。


「アスティさん、私もう上がりなんですよ」

「お疲れ様。じゃあカウンターでお茶してく?」


「是非お願いします!」

「準備するから座っててね」


 せっかくだしアレス君に着替えるか。

 いつもの執事服も良いけれど、この前ゴン店長とお茶した時に色々作ってもらったんだよなぁ……


 あっ、学ランってやつにしよう。なんか黒いウィッグ付きだし。別に髪の色変える事は出来るけれど、ウィッグで良いか。

 更衣室でスポッと着替えてアレス君黒髪学ランバージョンに変身!

 そして今回地味眼鏡がグレードアップして、身長を伸ばす等々新機能が追加されたのだ!


 これならおっぱいを大きくする機能もある筈とリアちゃんに頼んだら泣かれた!

 くそぉ!

 カウンターへゴー!

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