第4話 食材探し


食材、食材、食材、食材……。食材がないーーーー!


月の明かりを頼りに、俺は食材を探している。最初はやる気があったが、次第にやる気がなくなり疲れてきた。

数時間も探しても見つからない。おまけにお腹も空いてきた。


なんなら地面に生えてる、草でも食べてやろうかと思ったが。流石にそれはできなかった。

これは食材を見つかるのが先か、死ぬのが先かの勝負だな。


俺は少し休もうと思い、近くの木に腰を下ろした。

やっぱり俺は異世界で生活できないのかな。こんなことになるんだったら、RPGのゲームでもプレイしとけばよかったな。

月を見ながら、俺はそんなことを思っていた。


俺はあまりゲームをやったことがない。そう、俺はほとんど知識がないのだ。

知ってる知識としては、勇者が最強や魔物を倒したり魔法を使ったりしか知らない。


もし俺がRPGとかのゲームをやってたら、きっと変わってただろうな。

最初は何をしたらいいのかとか、食材を見つけたり魔法を使ったりしてるだろう。


すると、背後から何か音が聞こえた。魔物かと思い、俺は振り返ったら。


全身白くふわふわしていて、まんまるな黒い目が二つある。

それは、綿菓子のような姿をした可愛い魔物だった。


どう見てもその魔物は、俺よりか格下だ。そいつは、俺よりか身長が低いのだ。

とりあえず俺は可愛らしい魔物を眺めていら、その魔物はピョンピョンと飛び跳ねて近づいてきた。

あまりにも可愛いので、俺は撫でようと思い手を出したら。急にその魔物は右腕を噛み付いてきた。

最初は痛くなかったが、徐々に痛くなり始め。右腕から血が出てきた。


俺は急いで振りほどいても、なかなか離れない。

仕方がない、俺はそう言い。左手の拳を握り、思いっきり殴った。


流石に離れるだろうと思ったが、甘かった。

その魔物は右手を噛み付いたまま。それよりも、さっきよりも強い力で噛まれ。

俺の右手は激痛を走っていて、叫ぶことしかできなかった。


そこに。


「動かないで!」


その声は、セリアの声だった。


俺は言われた通り、痛みに耐えながらその場を動かないようにした。

するとセリアは右手に持っていたナイフで、その魔物を一撃で仕留めた。

それと当時に、その魔物は白い綿を落とした。もしかして、これがドロップアイテムて言うやつなのか!


それよりも。


「助けてくれてありがとう!」


俺はお礼を言った。もしセリアが助けてくれなかったら、俺はどうなっていたんだろう。


「……別に」


セリアはそう言ってるが、少し嬉しそうしている。


「あの魔物はいったい」


「正式な名前は分からないが、私はワタて呼んでるわ」


「もしかして綿を落とすから、ワタ?」


「そうだけど」


「そのまんましゃん」


もっと変わってる名前のやつだと思っていたが、意外にもシンプルだったので。

俺は笑ってしまった。


「な、なんで笑うのーー!」


「だって、そのまんまなんだもん」


バカにされたのか、セリアは顔を赤くしている。

なんだか久しぶりに笑ったな……。


突然、視界が歪んだ。俺は忘れていた。

魔物に噛まれた、右腕は今も血が溢れていることを。

俺はその場で倒れた。


********************


次に目が覚めた時は、セリアの家のベットの上にいた。

右腕には包帯が巻かれていた。


「あ!やっと起きた。大丈夫?」


俺な起きたことに気づき、セリアが近寄ってきた。


「大丈夫だ。それよりも助けてくれて、ありがとう」


セリアは頷いているが、他に何か言いたいことがあるようで、さっきから何か言いかけている。

俺は、セリアが何か言う前に。


「セリア、ごめん。俺何も知らなかったんだ、セリアがこの村を一人で守ってることも。それなに俺は冒険者だなんて嘘をついたり、貴重な食材を奪ったりして……」


突然、セリアが俺の手を握ってきた。

俺はセリアを見たら、涙をこぼし泣きながら。


「ううん、私が悪いの」


「じゃーお互い様だね」


セリアは深く頷いた。


「もしよかったら、この村のこと教えてくれないか?」


「うん」


そう言い。セリアはトルブ村のことやこの世界のこと、そして賢者アグノアのことを教えてくれた。

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