第3話 気づかなかった


さよなら、俺の異世界生活。


セリアがナイフを振りかざしたが、ちょうど俺の顔スレスレで外した。


「今度はない!!」


そう言い。セリアはもう一度ナイフを振りかざしてきた。


そうだよな、最初からおかしいと思ったんだよ。家に泊めてくれたり。初めて会うのに、俺のことをレオン様て呼ぶのも変だったよな。

それに最初から、俺は冒険者だなんて言わなければ。こんな状況にならず、助かっていたかもしれない。

今更後悔しても、どうにもならない。

俺は死を覚悟し、目を閉じた。


ーーーーーー。


何も起きない。何も感じない。

俺は死んだと思っていたが、なぜか生きている。それに呼吸もすることができている。


すると。顔に何か水滴のようなのが落ちてきた。それも一滴だけではない、数滴だ。

何だろうと思い。俺は恐る恐る目を開けると。

その正体は、セリアの涙だった。


セリアはナイフは持っていなく。ナイフはベットの上に置いてある。


俺は何も言葉をかけることができず。セリアを見ていることしかできない。

今もセリアの瞳は涙で溢れている。


少ししてから、セリアが。


「やっぱり、私には無理……」


そう言い。セリアはベットに置いたナイフを持ち。

ロープで拘束されて、俺の手足を解いてくれた。

そして。


「私の前からはやく消えて!!」


最後にそう言って。セリアは家から出て行ってしまった。

俺は立ち上がり、その場で立ち尽くしている。


少ししてから、俺はセリアに言われた通り。この家を出ることに決めた。

今の俺ではこの家を出ることが最善だと思った。


そして俺はこの家を出ようとした時、机の上にボロボロのノートが置いてあるのを発見した。


最初はただのノートだろうと思い。興味がなかった。

だが、よく見たらそのノートは日本語で書かれている。


俺は気になったので、ノートを見てみた。ほとんど読み取ることができないが、一部は読み取れた。

そこには、信じられないことが書かれていた。

俺はノートに書いてあったことを読み始めた。


○月○日

このトルブ村では昔から貧しかった、それに多くの人が謎の病に感染している。その病に感染した人は一週間で亡くなってしまう病。未だ治療方法は分からない。

そんな時、賢者アグノア様がトルブ村に来て助けてくれました。

謎の病に感染してた人達は一瞬で元気になりました。

何度お礼を言っても感謝しきれないほどです。

お礼として、私たちはアグノア様を歓迎しました。嬉しいことに、アグノア様からもお礼をいただきました。それは日本語と薬草の作り方を教わりました。


この続きは火で燃やしたのか分からないが、読み取ることができなかった。

だか、最後のページだけは新しく読み取ることができた。


今日、冒険者様が来てくれました。

このトルブ村も助かります。もう私一人しかいませんが、最後までこの村を守ることができました。

今、私はとても幸せです。


その後は字が滲んでいて、読めない。多分涙だろう。


このノートを読み終えた俺は、セリアに悪いことをしたなと感じた。

俺は冒険者とか嘘をつき。それに貴重な食材も奪ってしまった。


最初に会った時、本当のことを言えば変わったかも知れない、

それなのに俺は……。

そんなことを考えてる場合じゃない。

今の俺は何ができるそう考えた時、真っ先に思い浮かんだ。


俺は彼女、セリアを助けるだ! そしてこの村を守るんだ!


正直、俺が助けることができるか分からない。でも何もしないよりかはマシだ。

俺はまず食材を探し始めることにした。

それは、初めて会った時。セリアは痩せ細っていた。

これはちゃんとした食事を食べれていないからだ。それに、セリアは今日は何も食べてないだろう。


俺にサラダを出してくれた時に、セリアは何も食べていなかった。きっと俺に出したサラダが、今日セリアが食べる予定だった食材だろう。


どうして俺は気づかなかったんだ。

ボロボロな家と言って、どうしてそんなことを言ってしまったんだろう。

振り返れば振り返るほど、セリアに悪いことをしたなと思う。


正直食材探しに、俺は不安がいっぱいだった。

俺がこの異世界で食材を探せるかと言われると、多分無理だろう。


どの食材が食べれるのかも分からない。それに外は魔物がいるかも知れない。

でも今の俺はなぜがやれると思っている。


食べれる食材が分からないだって、そんなの分かる方法があるだろ。


それは自分で食べてみれば分かるだろ!

片っ端から見つけた食材を食べていけば、いつか見つけられるだろ。


でも、もし危険な食材を食べたら俺はその場で……

いやそんなことを今考えてたら、ダメだ。


そして、俺はノートの最後に。


《必ずセリアを助ける》


そう書き。俺は夜の森に食材を探しに出かけた。


それが終わったら家を綺麗にする。それにあれとあれと色々だ!

まだまだやることがいっぱいあるな。


まずは食材探しからだ!

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