第2話 セリアとの出会い
どうしよう。俺の家だと思って入ったら、知らない女性の家だった。
何か人がいたので、俺は急いでドアを閉め。ドアの前でどうしようかな迷っていた。
すると、少ししてからドアが開き。さっきの見知らぬ女性が出てきた。
その女性は、とても言いづらいが健康そうとは言えない。
金色の髪はボロボロ、服は綺麗ではなく汚れている。それに体は痩せ細っている。
「あのー、もしかして冒険者様ですか?」
俺のことを見るなり、そんなことを聞いてきた。俺は日本、いや別の世界から来たから。
この場合、俺は冒険者でいいんだよな。
実際、冒険者ではないと思うがとりあえず嘘をついた。
「まぁ一応、冒険者てところかな」
「本当ですか!! さぁさぁ、冒険者様中に入ってください」
俺が冒険者と言うと、彼女はとても嬉しそうに歓迎してくれた。
外は暗くなり始めてきたので、今日はここで泊めてもらおうかなと思い。
とりあえず俺は家の中に入ることにした。
それになんだよ![全種族な翻訳機能]無しにしたのに、全然言葉通じるし、話せるやん。
部屋に入った俺は驚いた。家の中はとても快適な場所ではない。
壁や床はほとんどボロボロ、ベットやキッチンも。
それに、部屋の中の明かりは机の上にあるロウソクだけ。他は窓から差す月の光だけ。
「すみません、こんなボロボロな家で」
「いえいえ、大丈夫です」
流石に人の家をボロボロなど言えるわけがない。
でもこんなボロボロな家でも、床は綺麗に掃除してるのかとても綺麗。
女性に、ロウソクが一本置いてある机の近くにあるイスに座るように言われたので。俺はそのイスに座った。
「私はこの村の村長、セリアです」
「初めまして、俺はレオンと言います。今、村長て言いました?でもこの辺り、何も無かったような」
この女性セリアは、この村の村長。てことは、他に人もいるし家もあるはずだ。
でも俺が見た時には、外には誰もいないし家も無い。
「……実はこの村は、私一人だけなんです。前は賑わっていたがある日……」
過去のことを思い出したのか、セリアは泣きそうになっていたので。
「もうそれ以上は言わなくていいよ、俺が聞いたのが悪かった」
セリアは手で涙を拭き、また笑顔に戻った。
「いえいえ、大丈夫です。それよりも、レオン様。わざわざ遠くから光栄です」
「レオン様て」
「そう呼ばせてください」
や
とりあえず俺は、ここで泊まれるか聞いてみた。今日一日泊めてもらい、明日には遠くに旅に出よう。あまり良い場所ではないが、外で寝るよりかまだマシだ。
「あのー、今日ここで泊まってもいいんですか?」
「ぜひぜひ、泊まってください」
「本当ですか!ありがとうございます」
これで今日は外で寝なくて助かった。
「あっそうだ」
セリアは何か思い出したのか。急に立ち上がり、ボロボロのキッチンに向かった。
キッチンの前でセリアは何か作業をしていた。俺はその姿を眺めていた。
少ししてからセリアは作業を終え、木の皿を持ってきた。
「レオン様お腹すきましたよね。どうぞ」
俺の目の前に、セリアが持ってきた木の皿が置かれた。
それはサラダだった。初めて見るサラダ、というか雑草を掻き集めて盛り付けただけ。
最初は食べたくないと思ったが、セリアが嬉しそうに見てくるので食べることにし。
わざわざ料理を出してくれたんだ、食べないと失礼だ。それにこの世界では、これが普通なのかも知れない。
そう思うとなんだか美味しそうに見え始めたので、俺はサラダ(雑草)を一口食べた。
……苦い。今まで食べた中でも、一番苦い。
「レオン様、お味の方は」
「とても美味しいよ」
苦いとは言えず、嘘をついた。
「よかった〜」
セリアはすごく喜んでいる。
どうやら悪意があって、このサラダを出したわけでないようだ。
多分自分がこの世界の味に慣れてないんだと、改めて俺は思った。
なんとか最後まで我慢し、食べ終わった。
俺が食べ終わるまで、セリアは何も食べないでずっと俺のことを見ていたので。
「なぁ、セリアは食べないのか」
気になっていたこと聞いた。
「私は大丈夫です! 」
「そ、そうか」
後で食べるのかなと思った。
「それよりもレオン様。今日はもう疲れたと思うので、休んでください」
そう言われ。ボロボロのベットのところに連れていかれた。
「ここで寝ていいのか?」
「はい!」
セリアにそう言ったが、この家にはベットが一つしかない。俺がこのベットで寝たら、セリアが寝る場所がない。一つしかないベットを使うのも悪いと思い。
「ここは、セリアが使ってくれ」
「いえいえ、私は床で寝ますので」
何度言っても床で寝る言い張るので、仕方なく俺はベットで寝ることにした。
今日は疲れていたのか、すぐに眠れた。
仰向けで眠っていた俺は、何かお腹の辺りが重いことに気づき。
目が覚めた。なんだろうと思い、目を開けたら。
セリアが俺の体の上に座っていた。そして驚いたのは、片手にナイフを持っている。
ナイフを振りかざす寸前だった。
「ちょ、おい!!」
俺は起き上がろうとしたが、手足がロープで固定され。
身動きができない状態だった。
「私はあなたを信じていたのに、あなたは私を騙した」
「落ち着けセリア、なんのことだよ」
「あなたは冒険者じゃないでしょ!」
「俺は冒険者だよ」
「ならライセンス持ってるでしょ」
「ライセンス?なんだよそれ」
初めて聞く言葉だ。
「冒険者は必ずライセンスを持っている。だけど、あなたはライセンスを持っていない。裏切り者はここで死んでもらうわ!」
俺が冒険者ではないことが、セリアにバレてしまった。
この世界に、ライセンスがあるなんて聞いてないぞ。
その目は今でも殺そうとしている目。セリアはナイフを振りかざしてきた。
ここで俺は終わりか……
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