05 ツバサ・ライジング
22、ある一人の記憶
崩れ行く精神世界から現実世界へと戻る際に、勇気啓区は一人の人間の記憶を見た。それは自分が生まれるきっかけとなった出来事だった。見えたのは、ある一人の人間が大切な人を守れない世界に絶望して、世界から消え去ってしまうという光景。勇気啓区は、その人が消えた穴を埋めて、世界を安定させるために生み出された存在だった。
23、立ち向かう意思
現実世界へと復活を果たした勇気啓区に残された時間は長くない。欠けたままの彼は、アジスティアが作ってくれた時間を無駄にしないようにと行動し始める。運命に抗うことを決めた彼は、攫われたコヨミや未利を助け出す為に、姫乃達と作戦を練った。
24、消え去る意味
姫乃達は敵の本拠地に乗り込んで、攫われた仲間達と合流を果たす事ができた。しかし、その際に敵の放った攻撃から啓区をかばって、仲間の一人である未利が命を落としてしまう。勇気啓区は伝わる事が無いと知りながらも「役割のない自分をかばう必要なかったのに」とこぼす。けれど、答えない仲間の代わりに姫乃がその問いに口を開いた。彼女は「見えないだけで、誰にでも役割はある」のだと述べる。勇気啓区はその時に、たとえ最後には消え去る命でも、自分に出来る事をして姫乃達を助けようと決意した。
25、引き伸ばされた時間の中で
アジスティアの尽力によって与えられた猶予の中で、勇気啓区は姫乃達と共に数々の場所に行き、様々な手助けをした。仲間であるなあや、王女であるコヨミ、ツバキとも力をあわせながら。姫乃の浄化能力の力を伸ばす手伝いをしたり、終止刻を終わらせるために必要な鍵を手に入れたり、鍵を使う為の遺跡を探したりと、一歩ずつゴールへ向かって進んで行く。
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