04 ツバサ・ライジング



16、異世界のお姫様

 調査隊に守られながら異世界を移動していった姫乃達は、大きな白い城にたどりついた。姫乃達は、そのシュナイデル城に住む王女コヨミと面会する事になる。そこで王女に向けて、異世界からやってきた事を素直に打ち明け、この世界に来ているかもしれない他の生徒達やセルスティーを探してほしいと姫乃は頼んだ。その言葉を受けてたコヨミは、この世界の救済に協力してくれるなら、と提案した。


17、お祭り

 異世界マジック・ワールドにどうかかわっていくべきか。悩む姫乃達は、気分転換にお祭りを見てまわることにした。。異世界ならではの楽器や食べ物に溢れるる出店や催し物に触れてた彼女達は、つかの間の楽しい時間を過ごした。


18、勇気啓区の消失

 黄昏時、そろそろ城に帰らなければならなくなった頃。啓区はふいにこの世界から消失してしまう。彼が、最後に言い残せた言葉は「ありがとう」の一言だけだった。持っていた林檎あめが地面に落ちて、姫乃が気が付くが。彼女はその持ち主の事をもう思い出せなかった。


19、本音の少女

 世界から掻き消えたはずの勇気啓区は、まだ庭園のような場所で立って生きていた。そんな彼を出迎えたのはアジスティアと名乗る少女だった。彼女は勇気啓区の本音が形になった人格であり、この場所は心の中だという。そして彼女は、勇気啓区が生きているのは、完全な消失するのには時間がかかるためだと言う。肉体が消えて現実世界から生きていた痕跡が消え去っても、精神までそうなるのは時間がかかるとの事だった。


20、未練

 現実世界が気になるという勇気啓区の要望に応えて、アジスティアが鏡を出し、姫乃達の様子を映し出した。現実世界に生きている彼女達の方では、トラブルが発生しており、領主への統治に不満を抱いている人間が、コヨミを拉致しているとおろだった。その際に仲間の一人である未利が巻き込まれており、残された姫乃達は途方にくれていた。その様子を見た勇気啓区は、そんな彼女達に手を差し伸べたいと思っていた。


21、本心との離別

 消失の影響はとうとう精神世界にまで及んできた。崩れ落ちる庭園の大地の中、アジスティアを見捨てられなかった啓区は、当てもなく逃げまわる。しかし脱出口はどこにも存在しなかった。諦めかけた勇気啓区だが、そんな彼を見たアジスティアが最後の手段に出た。それは勇気啓区の一部であるアジスティアほんしんがわざと犠牲になる事で、勇気啓区きょせいの寿命を伸ばすという方法だった。崩落する大地へ飛び込むアジスティアに「ごめんなさい」と謝られた啓区。その時になって勇気啓区は悟った、現実世界で消失した際に、姫乃達に向けて自分が本当に言いたかった言葉は、感謝ではなく謝罪の言葉だったのだと。


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