✿君との出会い

きみ出会であったのは、かぜつよはるのことだった。

さくらしただれにも気付きづいてもらえなかったボクをきみつけてくれた。

桜花おうか」なんて素敵すてき名前なまえまでつけてくれた。

ボク、自分じぶんでもかるくらいどんくさいねこだったとおもうけど

たくさんかわいがってもらえてうれしかった。

時々ときどきぬすいとかしてたけどもう時効じこうだよね?


わかれのときのママとパパのかおわすれられないよ。

パパは最初さいしょはあんなにボクをきらっていたのに。

二人ふたりともあんなにかなしそうなかおをしてくれた。

ボクはそんなかおしてしかったわけじゃなかったの。

でもね、ボクが一番いちばんわすれられないのはきみかおだよ。

あんなかおきみたのははじめてだった。

言葉ことばではあらわせないようなひどいかおをしてたよ。

心配しんぱいでボク、きみそばはなれられなかったもん。


ボクはね、ずっときみそばにいたよ。

はじめて自分じぶんのクラスをったときの不安ふあんだけどたのしそうなかおも。

学生時代がくせいじだいきになったかれから告白こくはくされたときうれしそうなかおも。

時々ときどきボクの写真しゃしんかべるかなしそうなかおも。

全部ぜんぶ全部ぜんぶボクはそばていた。

ボクのことをずっとわすれないでてくれてるのはすごくうれしかった。

それだけおもってもらえてたんだなってかったから。


でも、きみはそろそろまえすすむべきなんだよ。

いつまでもボクをおもしてかなしまないで。

きみにはボクのわりにとなりてくれるひとるんでしょう?

ボクもそろそろかなくちゃ。



じゃあね、ばいばい。

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