第3話 始まりの終わり 終わりの始まり

「本当!? ありがとう! ところで話を聞いていたけど、不老不死ってなんでハズレスキルなの? 結構役に立ちそうなのに。」

と言って首を傾げたノアに、不老不死はただ死なないだけで体力や魔力は全然増えないこと、それどころか大幅に減ってしまうことを説明した。

「なるほどね、ところでさっきの部屋に戻らなくてもいいの? 今スキルと武器を選んでいるみたいだけど。」

「いや、別にいいかな。 行っても殆どロクなのが残ってないし、それに武器なんて後からでも創造して出せるじゃない。」

「それもそうだね。 そういえば、もう他のスキルって決めた? ...その様子だともう決めたみたいだね。」

私はノアにステータスモニターを見せ、驚いた。なぜならスキルのレベルが上限まで行っていたからである。

【言語大全】level10/10、【魔呪マスター初級】level10/10、【万喰のススメ】level10/10、【心眼】level10/10、【千里眼】level10/10、【癒しの奏で】level10/10

「スキルは全部僕がlevelマックスに上げといたよ。 それにしても全ての言語を話せる言語大全、初級魔法や呪術を使いこなせる魔呪マスター初級、人の気持ちや遠い場所から未来まで何でも見える心眼と千里眼、どんなに重傷でも完全回復出来る癒しの奏で、そしてこの世界に存在する動植物、たとえ毒を持っていても完全に毒を取り除き様々な方法で調理出来る万喰のススメ、どれも凄いけど特に万喰のススメが一番凄いね。どんな食べ物を美味しく調理出来る...考えただけでヨダレが出て来ちゃうな♪」

私は頷いた後ノアと別れて部屋に戻ると、足立さんが声をかけて来た。

「桜井さん、俺はなるべくクラス全員で出発しようと思っていたんだ、だけど、皆が桜井さんと一緒に行くのを嫌がっているんだ。 最初は反対だったけど冷静に考えてみたら戦闘でも探索での君は役に立たないと分かったんだ。悪いけど、君だけ別行動してほしい。これはクラス全員の判断なんだ、理解してほしい。」

「...分かった、じゃあ、気をつけて。」

そう言うや否やクラス全員が一斉に部屋を出て、私だけ残された。 ため息をつき、王に一礼して支給された杖を手にし、部屋を出ようとした時、王の右隣にいた鎧を着た金髪の男性が威厳がある声で尋ねた。

「貴様、一体何を隠している? 不老不死を受け仲間達に見捨てられても何故平然としていられる、答えよ!」

「この様なこと日常茶飯事なのでもう慣れました。 用がないのなら、失礼します」

と言って部屋を出た。 数分後、城から遠く離れた草原で私は貰った古い杖を捨て、神秘的な輝きを放つ杖を創り出し、街へ歩き出した。

ーこの力があればどんな事でも出来る、たとえ弱くても思う道理に作り替えれる、アイツらにもばれずに復讐出来る、私は不老不死だから死なない、さあ、楽しい第2の人生を始めよう!ー

ミサはふと空を見上げた。空には多くの星が輝き、月は満月で黄色く輝いていたが、よく見ると一部が紫色になっていた。 まるで今の私の心見たい、そう思ってククッと笑い、再び歩き出した。

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