第4話その頃のクラスメイト達 その1
ミサが城を出て出発した頃、クラスメイト達は城から一番近い街パウルスの酒場で祝杯を挙げていた。皆酒を飲んだり豪華な食事に舌鼓を打ったり、今後について話したりするなど各々大いに楽しんでいた。足立さんが周囲に迷惑をかけない様に皆に注意し回っているのをよそに、神楽
「聖、どうした? そんなに浮かない顔して。 せっかくの宴会だから楽しめば良いのに。」
「優也、お前さ、ホントに桜井の事見捨てて良かったのか? 俺凄い嫌な予感がするんだよな。」
「桜井の事だから、どっかでしぶとくいきているよ、どうせ死なないし(笑) お前こそどうしたんだよ、いつもなら全く気にしないのに。あいつも大したことないのに何でそう思うんだよ。」
「本音が漏れてるぞ、まあ他の奴らも同じか。 城にいる時、あいつ一回部屋を出た事あっただろ? その時俺ドアの近くにいたからあいつの顔見えたんだけどさ、・・・笑ってたんだよな、しかも面白いっていう感じの笑いじゃ無くて、何か企んでいる感じの笑いだった。なあ、今はあいつは何も怖くはないけどさ、一応警戒しとこうぜ? 何してくるか分からないし。」
「お前は心配性だな。大丈夫だって、だって俺たちには高度な魔法も剣術を使いこなせるやつはたくさんいるし、俺のジョブは【勇者】であいつはただの不死身で戦闘に不向き、勝つのはどっちかすぐに分かるだろ? だから心配する必要はない。 よし、この話は終わり、さっさと忘れて飯食おうぜ! 無くなっちまうぞ。」
そう言われて聖はそれもそうだと思い、これ以上考えるのをやめた。
この出来事から数年後、聖はこの判断を後悔する事になるだろう。彼はこんな些細な事が後に仲間の大半を失い、世界中に未曾有の危機が迫ることを知る由は無い。
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