第185話 証拠品の行方(前編)

 健斗:人間の皆さんこんばんは、ナレーター兼アナウンサーよ武崎健斗です。朝珠検事に入った一報、それはランベルト被告が体内に隠し持ってたとされる証拠品の消失でした。果たしてその行方とは?


 翌日 魔界時間21:05 地獄界 比良坂邸


 結衣:摩耶!


 摩耶の部屋に入るとそこにはおびただしい量の菓子が山の様に積まれている


 結衣:な、何よコレ⁉︎


 摩耶:ふぁふぉんふぁんふぁこんばんは〜♪


 瑠璃:先の裁判から帰るなりお腹が空いたと申されて、お菓子をご所望だったのですが・・・

 

 飛鳥:お嬢様、追加のお菓子をお待ちしました♪


 摩耶:ふぁふぁふぉありがと〜♡


 瑠璃:飛鳥がこの様に要求されるがままに際限なく与えておりまして。


 結衣:ちょっと飛鳥!今すぐやめなさい!


 ???:いや、これは閻魔大王特有の生理現象みたいなものです。


 結衣:ら、羅刹様⁉︎


 羅刹:閻魔大王は死者の死後の処遇を取り決める最高判事なのです、一人前の閻魔大王でも数多くの死者を裁く裁判で大量の魔力や霊力を消耗するから、それを補う大量の糖分とカロリーが必要なのです。ましてやマヤたんは死者だけでなく、神王クラスの神々を裁いているのですからこの現象は当然の事なのです。


 結衣:確かに、私達魔族の体内にはカロリーや糖分を魔力や霊力に変換する臓器がありますけど、コレは流石に異常なのでは?


 羅刹:いんや、むしろこれでは足りないくらいです。閻魔大王は万物の審判権という絶対的な強制執行力持つ代わりに、その代償として通常の魔族より大量のカロリーと糖分の摂取が大事なのです。


 摩耶:ところで、用事というのは?


 結衣:そうだった!大変よ、ランベルトの体内から奴が隠し持ってたという証拠品が無間地獄検問所むげんじごくけんもんじょを通る前に消えたらしいの!


 羅刹:それは本当なのです?


 結衣:はい、間違いありません。検問所前のゲートでスキャンしたところ、裁判直後の検査で確かにあった筈の物が消えていたのを確認したとの事で。


 羅刹:ふむぅ、あの鉄壁の検問所までの道のりの間にどうやって?


 結衣:ランベルト被告本神ひこくほんにんによると、その証拠品は例の黒幕にとってであってらしいです。


 羅刹:という事は、その黒幕は是が非でも奪還だっかんして手元に置いておきたい物なのですねぇ。


 結衣:無間地獄エリアの次元観測所より空間転移反応が出たとの事なので、現在座標の特定を急いでいます。


 羅刹:ふむ、となれば転移先は天界宇宙の線が濃厚ですね。


 結衣に着信が入る


 結衣:失礼、はい・・・え?例の転移反応の座標が判明したと。それで、その座標は?・・・ええっ!惑星サタネシアですって⁉︎


 摩耶:惑星サタネシア、天界宇宙では惑星エンゼリウスと呼ばれ互いに領有権を主張してて問題になってる惑星ですよね?


 羅刹:流石はマヤたん、その通りなのです♪


 結衣:羅刹様、早速現場に急行してみようと思います!


 羅刹:うむ、彼処あそこは審議保留の状態で中立惑星になってるです。単身で乗り込んだら向こう側の思う壺、そこでコレを持ってくです。


 閻魔大帝の紋章入りの通行証を渡される


 羅刹:これがあれば天界宇宙側も下手に手出し出来ないです。


 結衣:有難うございます!


 後編へ続く・・・








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