第184話 闇に消えた証拠品

 健斗:人間の皆さんはこんばんはですね、ナレーター兼アナウンサーの武崎健斗にございます。さて、猪倉源助に次いで天界宇宙中央政府3老害の一角であるデニス・ランベルトを裁判で打ち勝った摩耶さん。被疑者であり、黒幕を知る者として重要参考神じゅうようさんこうにんでもあるデニス・ランベルト被告を護送中あるトラブルが発生しました。果たしてそのトラブルとは?


 裁判翌日 境界時間12:56司法エリアメインストリート内オープンカフェ


 結衣:例の黒幕を知る者は次々と消されてる?


 マト:ええ。ある者は自宅で、またある者は刑務所への護送中に。更には刑務所内でなんてのもありました。


 奏瀬:今回の裁判で有罪判決を受けたデニス・ランベルト被告もその対象だというのですか?


 マト:可能性は十分過ぎるほどあります。なにせ、黒幕に1番近しい神物じんぶつ1 柱ひとりなのですから。


 奏瀬:ですが、無間地獄エリアに入れば問題ないのでは? 


 マト:ですよ。


 結衣:そうね、無間地獄エリアは一度入ると帰還出来ないエリア。だからこそ、護送車も運転手が居なければ見張りも居ないのよ。それ故に、護送車内に潜んで始末されても気付く事が出来ないの。


 マト:機密保持のために車内には監視カメラも付けられないですからね。


 奏瀬:普通始末するなら取調べのある検察庁に入る前か職員に変装するのでは?


 結衣:それを防ぐためにその手の取り調べは無間地獄エリアと通信を繋げて行うの。だってそうでしょう?暗殺者だって、入った途端に自身の存在を消される様な危険なリスクを負ってまで入ろうとはしないでしょう?


 奏瀬:確かに。ランベルト被告の体内にあるというを殺害してから取り出さないといけませんしね。そうなると生還率0%の無間地獄エリアに入って始末こそ出来ても肝心な物を持ち出せませんから。


 結衣:それだけ、黒幕にとっては手元に置いておきたいくらいヤバいブツって事よ。 



 同時刻 魔界宇宙地獄界 無間地獄エリア前 第1ゲート監視塔内


 先輩:なあ、何故無間地獄エリアは空間転移が出来ないか分かるか?


 新人:空間転移阻害系の次元流が激しく流れているからですよね?


 先輩:その通り、加えて生還率0%だから運転手も居なけりゃ監視員も居ないってわけよ。


 ナビシステム:間も無く被疑者を乗せた護送車が通ります、チェックをお願いします。


 先輩:はいよ〜♪スキャン開始!


 新人:了解!


 数分後・・・


 新人:おや?


 先輩:どうした?


 新人:閻魔庁からの報告書によれば、被疑者の体内には解析不能なブラックボックスがある筈・・・なんですけも。


 先輩:それがどうした?


 新人:それが、んですよ。隅々までスキャンしてもそれらしい物が。


 先輩:なんだと?ちょっと貸せ。


 何度もチェックする


 先輩:どうなってるんだ!体内の何処にも無いだなんて!


 新人:これは早急に閻魔庁に報告すべきでは? 


 先輩:そうだな、大急ぎで連絡とるんだ。分かったな?


 新人:は、はい!


 再びオープンカフェ


 結衣に着信が入る


 結衣:はい、私です・・・はい・・・はい・・・ええっ!ランベルト被告の体内にあった証拠品が消えてるですって⁉︎


 次回へ続く・・・

 











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