第74話 VSツェッペリン&一条(第2回公判)
開廷2日目 境界時間8:51 4界宇宙統合司法裁判所 第6法廷
『第2回公判 目撃者証人尋問』
摩耶:それでは第2回公判、目撃者証人尋問を開始します。検察側は尋問を始めてください。
結衣:はい。本件は時空犯罪史上初となる大規模な事件である事から現地、つまり西暦1756年から1786年までにかけて行った捜査の中で見付けた目撃者の方にお越しいただいております。
挙手をする弁護士
摩耶:弁護人、何か異議がありますか?
弁護士:閻魔大王様、時空管理法によれば過去の者を現代に連れて来るのは元の時代に戻った時に歴史を変えかねない危険性がある事から違法とされている筈です。つまり、証人としてこの場に出る事自体が違法なのではないでしょうか?
摩耶:弁護人の言う主張は法に基づく正論と判断していますが検察官、それはどうなのですか?
結衣:確かに、現地からそのまま連れて来るのは違法ですが、既に亡くなられた状態なら違法にはなりません。
弁護士:なっ⁉︎
白緋:(成る程、その手がありましたか)
結衣:よって検察側は・・・
挙手をする白緋
白緋:閻魔大王様、今の検察官の提案に対してのみ私に発言をお許しくださいませんでしょうか?
摩耶:良いでしょう。
白緋:地獄界には死霊転生管理法という法律がありますよね?
結衣:はい。(やっぱりそこに喰らい付いてきたわね)
白緋:それによれば、亡くなった者は刑罰後の転生を除く死者は最長100年以内に転生させなければならないというものがあります。そうなれば、現代から連れて来るのは不可能なのではないですか?
結衣:(良い切り口だったけど、調子に乗ってボロを出したわね♪)閻魔大王様、
摩耶:それは何ですか?
結衣:
白緋: ⁉︎
結衣:それに、私は現地からそのまま連れて来るとは一言も言ってません。その時代の地獄界から死者を連れて来るのは全く違法にはなりません。何故ならその時代の死者なら現世に伝える術が無いですからね♪それなら、時空管理局の許可証とその時代の閻魔大王様の許可があれば法的に可能ですよ、知らなかったのですか?
白緋:・・・
結衣:図星を突かれて黙秘ですか、まぁ良いでしょう。閻魔大王様、証人の召喚をお願いします。
摩耶:分かりました。
摩耶の召喚魔法で証言台に立つ証人
摩耶:それでは証人の名前と職業を。
トム:わ、私は1756年のオーストリアはザルツブルクでパン屋を営んでおりましたトムといいます。
閻魔帳を確認する摩耶
摩耶:証人の自己紹介に嘘は無いですね、検察側は尋問を始めてください。
結衣:はい。トムさん、貴方は市場へ材料の買い出しの途中で不審な人物が毛布に
辺りを見渡し被告神席に座る4
トム:居ました!彼処に座っている黒服4柱の左から2柱、彼等がそうです。顔を仮面で隠していて分かりませんでしたが、左から2番目の右腕の傷があるので間違いありません!
傍聴人席が騒然とする
摩耶:静粛に!検察官、続けてください。
結衣:他に気付いた事はありませんか?
トム:あります。気になって彼等の後をこっそり追うといつの間にか赤ん坊は
結衣:内容は覚えていますか?
トム:小声で断片的にしか聞こえなかったのですが・・・
『1756年オーストリア ザルツブルク市街地裏露地』
実行犯:・・・はい、一条部長の指示通り赤ん坊は例の場所へ転送しました・・・はい・・・はい・・・では
『再び第6法廷』
結衣:閻魔大王様、今の証人の証言の
摩耶:分かりました。
閻魔帳でトムの発言と照らし合わせる摩耶
摩耶:証人の証言と閻魔帳に記載されている彼の過去と一致しました。今の証言に偽りはありません。よって、当法廷は今の証人の証言は極めて有力な証言と判断し裁判記録に記録しておきます。
結衣:1人目の証人は以上です、続いて次の証人の召喚をお願いします。
摩耶:分かりました。
証言台に立つハーフの男性
摩耶:それでは証人、名前と種族と職業を。
ヘル:ヘル・ピース。種族は複数の多種族によるハーフ、職業は4
閻魔帳で確認する摩耶
摩耶:身元照会が出来ました、本人に間違いありません。検察官、尋問を始めてください。
摩耶:ヘルさん、貴方はある事件の捜査で1786年のウィーンに居たと調書にありますが、その事件というのは何ですか?
ヘル:俺が追っていたのは、今から30年前に起こった
結衣:結果、現代の貴方は記憶を封じられた影響が半月前に出て入院した時には記憶障害を起こしていて事件の事だけが思い出せなかった、そうですね?
ヘル:その通りだ。
結衣:ではこの中にその犯行グループは居ますか?
被告神席の4柱を指すヘル
ヘル:左から3番目以降の2柱だ。
結衣:ありがとうございます。閻魔大王様、今の証人の証言で明らかになったのは、あの4柱が1756年と1786年の
閻魔帳を確認する摩耶
摩耶:女神の遺伝子が混じってる関係で閻魔帳の彼に関する記述が所々で文字化けしてますが、証言内容は間違いなく記されていますから嘘はありませんね。この事実も重要証言として記録します。
結衣:では次の証人に移りたいので召喚をお願いします。
摩耶:分かりました。
摩耶の召喚魔法で証言台に現れるウェアウルフ族の男性
摩耶:証人、名前と種族と職業を。
エドガー:エドガー・フェザリス。医療超大国ヴェルナース帝国にて古本屋を営むウェアウルフとバンパイアのハーフです。元はヴェルナース帝国の惑星領主をしていました。
閻魔帳を確認する摩耶
摩耶:照合の結果、彼の自己紹介に間違いありませんでした。それでは証人の尋問を始めてください。
結衣:はい。フェザリスさん、今から30年前に人界の文字で書かれた楽譜を売りにきた者が居たと言いましたが、その者はこの中に居ますか?
辺りを見渡し被告神席を指すエドガー
エドガー:居ました、右から2番目に座っているツェッペリン氏の脇に控えているあの方に間違いございません。
摩耶:質問する前に
被告神証言台に立つ秘書
結衣:貴方は今から30年前に人界の文字で書かれた楽譜を売りに来たとエドガーさんは証言していますが、間違いありませんか?
秘書:・・・・
フレイラ:貴様、まさか14 天界王たるハデスの私に黙秘が通じるとでも思っているのではあるまいな?
秘書:ヒッ!
結衣:どうなのですか?
秘書:ま、間違いございません!
結衣:では貴方はその楽譜がモーツァルト直筆のものである事はご存知でしたか?
秘書:そ、それは・・・
玉座から威圧するフレイラ
フレイラ:どうなのだ?
秘書:し、知っておりましたー!
結衣:それは誰の指示ですか?それとも貴方の独断ですか?
秘書:そ、それは・・・
レオパルトをチラ見すると秘書に向かって睨んでいる
秘書:わ、私の独断です!
レオパルト:貴様!自分が何をしたか分かっているのか!これは時空犯罪史上最悪の大罪であるぞ!
秘書:も、申し訳ございません!(アンタの指示でやったんだろうが!)
挙手をするエドガー
エドガー:ちょっと良いですか?
摩耶:証人の発言を許可します。
エドガー:今のその方の発言ですが、彼は私の店に来た時に社長が小遣い稼ぎに売りたいと言われて売りに来たのですがと冒頭で言ってましたよ。
閻魔帳を確認する摩耶
摩耶:確かに、今の証人の発言でその時の様子が閻魔帳に浮かび上がりました。証人の今の発言は事実の様です。
結衣:秘書の方の独断という発言は偽証罪に該当するかと。
摩耶:そうですね、しかも共犯者の1柱という事実が判明しました。よって、偽証罪も追加します。速やかに被告神席へ戻りなさい!
被告神席へ戻る秘書
摩耶:弁護側には目撃証言をする者は居ますか?
弁護士:グッ!・・・居りません。
摩耶:では第2回公判をこれにて終了とし、明日は第3回公判を行います。
第3回公判へ続く・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます