第70話 歴史改変事件(犯人確保中編)

 西暦1786年 オーストリア ウィーン郊外廃屋内


 ゲン:さて、お前等の依頼人が誰かそろそろ話す気になったかにゃ?


 窃盗団A:だ〜か〜ら、ご丁寧に通信越しだった上に覆面してて声まで変えてたから分かっかんねぇって言ってんだろうが!


 ゲン:では質問を変えよう。目的は天界宇宙による時空管理権の復権だそうだにゃ?


 窃盗団A:ああ、そうだよ!成功したら俺等のお得意さんになっていくらでもアリバイ工作してくれるって破格の条件出してきたから乗ったんだよ!


 ゲン:お前等の依頼人が誰かは分からにゃいがな、なら分かったぜ♪


 窃盗団A:なっ⁉︎デ、デタラメ言うな‼︎


 ゲン:聖紋せいもんってのは便利なモンだにゃ、どんなに指紋や生態データいじくっても聖紋だけはどうやっても変えられにゃいもんなぁ♪


 4枚の社員証を出すゲン


 窃盗団B:そ、それは⁉︎


 ゲン:この裏のQRコードに記録されている聖紋とお前等の聖紋を照合したら果たしてどうにゃるかにゃ〜?


 窃盗団A:うっ!


 ゲン:このQRコードをスキャンして天界宇宙中央政府の聖紋管理センターのデータと照合した時点でお前等んトコの人事部サーバーと連動されて社員名簿から一切合切いっさいがっさい消され、を決め込むつもりだったんだろうにゃ。


 窃盗団B:そ、そんな!


 窃盗団A:会社は最初から俺等を使い捨てにするつもりだったのか!


 ゲン:じゃ、それを教えた上で改めて聞く。お前等の依頼人は誰にゃ?


 窃盗団A:時空窃盗団クロックハントを裏で創設したエルトン・マスイ常務、そしてモーツァルトの件を依頼したのはマスイ常務が開発部長として雇い入れた一条白緋いちじょうはくひって科学者だ。


『天界時間10:00 ドラット製薬グループ本社特設記者会見場』


 記者:一条さん、ここ最近魔界宇宙で起こっている歴史改変事件騒動に関して何かありますか?


 白緋:魔界宇宙の魔族の皆さんの事はとても残念な事と感じておりますし、魔族には時空管理権は荷が重すぎます。ですからが必要なのです。魔界のウォッチマン公爵閣下には一刻も早く時の黙示録をクロノス様へ返還すべきだと思いますね。


 記者:成る程〜。


『記者会見終了後 開発部長執務室』


 窃盗団と通話する白緋


 白緋:そちらはどうですか?


 窃盗団A:モーツァルト誘拐は成功、神気回収はまだ時間がかかりそうです。楽譜はに売りました。


 白緋:結構、楽譜がその時代に無ければ神気回収の時間はいくらでも稼げますから問題ありませんね♪


 通話を切る白緋


 白緋:もうすぐ、もうすぐですよ。天界が再び覇権を握って等しく我等の理想郷が完成するのです!


『再びウィーン郊外廃屋内』


 窃盗団A:こ、これで良いか?


 ゲン:上出来にゃ♪


 後編へ続く・・・




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