第69話 歴史改変事件(犯人確保前編)

 モーツァルト誘拐事件より30年後 西暦1786年オーストリア ウィーン郊外


 ウィーン全体の時間が停止している


 ゲン:コ、コイツは一体・・・


 カナデ:時間が・・・止まってる!


 ゼペット:成る程、犯人達の本命はこっちだったか!


 イム:博士、それどういう意味?


 ゼペット:いいか、イム。歴史というものはそれぞれの時代において必ずと言っていいほどその時代の鍵となるキーパーソンが存在し、後世の歴史にまで残っている所縁ゆかりの品とセットで未来というものが形成される。しかしだ、もしもどうなると思うかね?


 イム:その時代の品はそのキーパーソンが存在した証拠になるからそれが無くなると確立した説が立証されなかった事になって広がった世界中の人達からその歴史上の人物に対する認知が消える・・・かな?


 ゼペット:正解だ!そしてこのタイムフリーズ現象はまさにこの時間軸からなのだ!


 ゲン:じゃあ、この時間軸にその品を戻せば全て元に戻るって事かにゃ?


 ゼペット:その通り!その品こそがフィガロの結婚を含む代表作全ての楽譜、そのオリジナル全てなのだよ!


 天族に囲まれている魔族に気付き3人に呼びかけるカナデ


 カナデ:皆さん、あれ!


 ゼペット:ん?


 ゲン:ありゃあ、まさか!


 覆面A:まったく!梃摺てこずらせやがって。


 覆面B:ま、如何に魔界宇宙第2位の剣客といえど、時空魔法を使う我等の敵ではないな♪

 

 ゲン:お前等だにゃ?この時間軸から楽譜を持ち去りやがったのは?


 覆面A:し、4界警のゲン・サトウ!何故ここに⁉︎


 ???:・・・・


 手負いの魔族を見るゲン


 ゲン:(時間を止められている間にやられたか、それにしても4界警特務課のヘル・ピースが何でまたこんな所に?)


 覆面A:おいっ!何を黙っている!


 ゲン:ん?お前、その声何処かで聞き覚えがあるにゃ?


 覆面B:バカっ!変声機切りっぱなしだぞ!


 覆面A:しまった!


 ゲン:思い出したぞ。お前等、天界の国際警察と時空警察から指名手配されている時空窃盗団クロックハントだにゃ?


 覆面B:ほらみろバレたじゃねぇか!


 ゲン:お前等、時代の鍵となるキーパーソンアイテムにだけは足が付くから絶対に手を出さなかったのに何故今回は手を出したのにゃ?


 覆面A:喋らない主義なんでね♪


 ゲン:


 覆面B:バ、バカ!


 覆面A:し、しまった!


 ゲン:お前等クロックハントは誰かの依頼で物を盗む様な連中じゃなかっただろ?これはじっくり聞いてみる必要がありそうだにゃ。お決まりの台詞だが・・・署で詳しく聞かせてもらうにゃ。


 覆面A:クッ!逃げるぞ・・・


 2人の背後から当身をして気絶させるヘル


 ヘル:お久しぶりです、おやっさん!


 ゲン:お前、動けるのかにゃ?


 ヘル:はい、グラニュート博士のお陰で。


 ゼペット:これで未来のヘル君の記憶は元通りになるだろう♪


 ゲン:さて、後はコイツ等から楽譜の場所を吐かせないとにゃ。


 ヘル:それならヴェルナース帝国にありますよ。

 

 ゲン:なんだと?

 

 ヘル:俺が聞いたらソイツ等が冥土の土産にと自慢気に言ってましたよ。何処の古本屋に行っても買い取らなかったが、ヴェルナース帝国の古本屋だけは買い取ってくれたと。


 ゲン:ヴェルナース帝国だにゃ。


 ヘル:はい。


 ゲン:俺はこれからヴェルナース帝国へ向かうが、お前はどうするのにゃ?


 ヘル:俺はを託しに最も信頼出来る奴の所へ行こうかと。


 ゲン:そうか、気を付けてにゃ。


 ヘル:はい。


 中編へ続く・・・









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