第25話目撃者

 ユリカ:徐々に事件の真相に近づく摩耶さん達。今回は事件の目撃者がいるという天界は高天原に行くんだって。


 魔界時間8:00 地獄界次元国際空港国際線ターミナル出発ゲート


 結衣:ホラ、早く来る!


 摩耶:ま、待ってよ〜!


 結衣:まったく!何やってんのよ。


 摩耶:だ、だって。東雲先輩がなかなか離してくれないから。


 結衣:別に今生の別れってわけじゃないんだから。


 摩耶:それにしても、事件の目撃者が何で高天原に?


 結衣:目撃者の母親がストーカーの被害者であるシンディさんのファンで、あの女神ひと神王でもなかなか会えないってくらい有名神ゆうめいじんだからね。アポが取れるだけでも奇跡らしいわよ。


 アナウンス:間も無く、DALデーモンズエアライン666便、天界宇宙高天原行きは出発の時刻となります。搭乗手続きがお済みでないお客様は搭乗手続きを済ませ、搭乗口900へお急ぎください。


 結衣:急ぐわよ!


 摩耶:あ〜ん!待ってよ〜!


『DNL666便機内』


 結衣:ふぅ、ギリギリ間に合った。何で閻魔庁専用機にしなかったのよ。


 摩耶:機内に不具合が見つかったんだって。それで急遽ね。


 結衣:ふ〜ん。


 機内アナウンス:本日はDNL666便をご利用いただき誠に有難うございます。シートベルト着用サインが出ました。当機は間も無く、高天原次元国際空港に着陸致しますので機内販売サービス等を終了しさせていただきます。危険ですのでお席をお立ちになられない様お願い致します。


 結衣:そろそろ着くわね。


『30分後 高天原 日之神ひのかみ城 西の御殿』


 巫女:こちらになります。


 結衣:こ、これは・・・


 摩耶:うわ〜!赤ちゃんがいっぱいだ〜♡


 西の御殿の部屋中央に寝転ぶ摩耶


 結衣:ちょっ!


 摩耶に群がる赤ちゃん達


 摩耶:えへへ〜、赤ちゃんまみれ♡


 頭の上から覗き込むミルフィー


 ミルフィー:むお?


 摩耶:あ、ミルフィーちゃん!裁判以来だね〜♪


 ミルフィー:あ〜い♪


 結衣:それで、目撃者はどの子なの?


 摩耶:ミルフィーちゃん、この中にリンカちゃんって子いる?


 ダンベルで筋トレする赤ちゃんを指すミルフィー


 摩耶:あの子?


 ミルフィー:あい!


 結衣:ダンベルで筋トレって。流石ヘラクレス族の赤ちゃんね。あれ何キロあるんだろ?


 巫女:あれは1つ5グラムです。


 結衣:軽っ!


 リンカのもとへ行く摩耶


 摩耶:こんにちは、リンカちゃん♪


 リンカ:うっす!


 神門:僭越ながら通訳致しましょうか?


 摩耶:お願いします。


 神門:それではナレーター様、お願い致します。


 ユリカ:ホイホ〜イ♪そんじゃ、音声さ〜ん!翻訳フィールド展開シ・ク・ヨ・ロ☆


 リンカ:ウッス!自分、リンカというであります!


 摩耶:体育会系な赤ちゃんだねぇ♪早速聞きたいんだけど。


 リンカ:自分が分かる事なら何でもお答えするであります!


 摩耶:リンカちゃんのお母さんはシンディさんのファンという事だけど。


 リンカ:そうであります!母上様はシンディさんの撮影があれば公務中でも飛んで行くくらいであります!


 摩耶:お仕事中はマズイと思うな。それから?


 リンカ:母上様は熱烈なファン故。毎日ファンレターを送ったり、誕生日にはプレゼントを送ったり、過激なファンから襲われかけたと知るや自身の選りすぐりの近衛兵をSPとして派遣したりするくらいであります!


 摩耶:神王の近衛兵っていったらアークエンジェル級の天使達だよ。キミのお母さんの熱の入れようは凄いねぇ。


 リンカ:さて、本題でありますが。


 摩耶:うん。


 リンカ:努力家でもある母上様は日頃のファンとしての活動がシンディさんに届いたのか、シンディさん本人から会いたいというお話がきたでありますよ。


 摩耶:その時リンカちゃんも行ったのね?


 リンカ:母上様は自分とシンディさんの事となると周りが見えなくなる困ったところがあるでありますから、自分が付いてないとダメなのでありますよ。


 摩耶:そっかぁ、お母さん想いの良い子だね♪


 クネクネしながら顔を赤らめるリンカ


 リンカ:面と向かって言われると照れるでありますよ〜♡


 摩耶:キャー!カ〜ワイ〜イ♡


 結衣:コホン!


 摩耶:ゴメン、続けて。


 リンカ:母上様のお邪魔にならない様に事務所を散歩してる時でありました・・・


『1か月前 天界宇宙芸能事務所内』


 リンカ:ほえ〜、色んな芸能神げいのうじんがいるでありますなぁ・・・ん?


 中から会話が聞こえる


 ???:どうだ、は見つかったか?


 リンカ:(例の物?これは事件の匂いがするであります!録音するであります!・・・でも、高くて聞き辛いであります)


 リンカを抱っこするシンディのマネージャー小声でリンカに囁く


 マネージャー:これで良い?


 リンカ:助かるであります♡・・・さて。


 お腹のポケットからレコーダーを取り出し録音するリンカ


 ???:シンディが持っているをどうにかして取り戻さねばならんのだ!


 マネージャー:あれは、この芸能事務所の社長⁉︎やはりと繋がってたか。


 社長:元を正せばアンタが酔った勢いでプレゼントと間違って渡したのがいけないのでしょうが!


 ???:分かっておる!だから何とかしろと言ってるんだ‼︎


 社長:シーッ!声が大きい!


 ???:何でアレを渡してしまったんだ私は。


 社長:兎に角、アレが公になればこの芸能事務所もおたくの会社も一巻の終わりだぞ!


 マネージャー:シンディに渡したアレ?


『そして現在』


 摩耶:度々出てくるアレって、シンディさんから証拠物件として預かってるUSBメモリーかぁ。


 リンカ:内容は?


 結衣:いくら赤ちゃんでも流石に・・・


 摩耶:リンカちゃんは次の裁判の大事な証人、知る権利はあるよ。


 リンカ:摩耶さん・・・


 摩耶:実はまだ解析結果は出てないけど、画像や動画が記録されてるようなの。


 リンカ:成る程、もし分かったら教えてもらえないでありますか?内容次第ではお力になれるかもしれないでありますよ!


 摩耶:勿論よ♪


 リンカ:ありがとうであります♡









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