第10話VS黒峰組(後編)
白神アナ:こちら裁判所前の白神です。徐々に優良企業社長の仮面が剥がれていく黒峰氏、ここで遂にヴァルキリー密造計画の容疑が立証されようとしています!
特番司会:さあ、裁判の行方はどうなるのでしょうか?いよいよ今回決着がつくようです。それでは読者の皆様は引き続き裁判も様子をご覧ください。
ゲルマルク:アイツだ。
隆二を指差すゲルマルク。すると辺りが騒つく
隆二:な、何を言ってるんだ!これは何かの間違いだ!
蘭子:閻魔大王様!
摩耶:何でしょう?
蘭子:聞けば鶯博士は重度のカオスに侵されていたそうではないですか。更にこちらで調べたところ、鶯博士は4000億年前の天魔大戦時代から既に正気ではなく。当然、封印が解かれた当時も正気ではなかったのですから、黒峰氏であったかどうか正確に判別できていたというのを立証する証拠がないので黒峰氏が黒幕であるというのはどうかと思われます!
隆二:(フフッ、なかなかやるじゃねぇか。気に入ったぜ、弁護士さんよぉ♪)そうですね、何か証明出来る証拠はありますか?
結衣:(へぇ、やるじゃない。でも残念♪)
摩耶:検察側、貴女の主張を証明出来る証拠はありますか?
結衣:証拠は・・・・・
隆二:(あるわけねぇよなぁ♪)
結衣:あります!
隆二:な⁉︎
USBメモリーを出す結衣
摩耶:それは?
結衣:これは鶯博士が封印された現場を撮影していた監視カメラの映像を記録しているUSBメモリーです。
蘭子:え、ええ⁉︎
結衣:温泉超大国ビバロン王国政府の話によると、この国の地は建国の際、破格の待遇を受けるという特典がありました。その代わり条件として秘密裏に鶯博士が封印されている地を監視及び管理すると天界宇宙と魔界宇宙双方の中央政府から要請があったそうです。そして月に一度両宇宙の中央政府にその映像を記録したUSBメモリーの提出が義務付けられていたのです。
蘭子:なんですって⁉︎
隆二:(は、初耳だぞ!)
結衣:魔界宇宙中央政府の司法省に事情を話して問い合わせたら貸してくれましたよ。貴女も弁護士ならその辺はちゃんと調べておくべきでしたね♪
蘭子:うぐぐ。
結衣:よって検察側はこのUSBメモリーを証拠として提出します。
摩耶に転送される
摩耶:・・・・・閻魔帳が青く反応しています。この映像は紛れもなく本物です。
宙に浮いた3つの巨大モニターに映像が映る
隆二:ご機嫌よう博士、目覚めは如何かな?
ゲルマルク:・・・・・・最悪に最高な気分だぁ♪
隆二:博士を封じた不浄な魔族どもにカオスの祝福を与えたいと思わないか?
ゲルマルク:おおおおお!素晴らしい!
隆二:そのためには『ヴァルキリー真機』を造る必要がある。
ゲルマルク:アレは『あの場所』でしか造れなぁい!
隆二:その辺も既に準備は出来ている。その前に巨獣を博士の手で暴走させて注意を引きつけてもらいたい。その間に必要な材料は揃えよう♪
映像はここで途切れる・・・
結衣:ここに映っているのは間違いなく黒峰氏、貴方ですね?
隆二:・・・・・
結衣:貴方ですね?
隆二:・・・・・
結衣:貴方は黙秘権を行使してるつもりでしょうが、この場合こうして閻魔帳によって証明されています。つまりこれは、事実起こった紛れもない『現実』なのです。よってその沈黙はヴァルキリー密造計画の首謀者という事を『認めた』と捉えても良いんですね?
隆二:(クソが!)
結衣:閻魔大王様、被告人はヴァルキリー密造計画の首謀者である事を認めました。ここで次元大震災の審議に戻りたいと思うのですが。
飛鳥が摩耶へ耳打ちする
摩耶:たった今刻の黙示録による鑑定の結果が出ました。黒龍建設グループは起業以来過去4000億年の間に今回のグリーンヒル王国や旧カレイド王国の件同様の手口で支持したようです。創世の書の鑑定で明らかになった上であえて聞きます。この事実に間違いはありませんね?
隆二:・・・・・間違い・・・ありません。
結衣:(まだ魔界中央郵政社からアレが届いてないか。だったら届くまでの間にここで更に畳み掛けるわよ!)閻魔大王様!
摩耶:何でしょう。
結衣:ここで検察側はヴァルキリー密造計画について証人の召喚の許可を願います。
隆二:(この上誰が来るんだ?)
摩耶:良いでしょう、許可します。
証言台に立つ女性
ゲルマルク:あ、貴女は・・・先生⁉︎
パンドラ:は〜い、パンドラで〜す♪
傍聴席が一気に騒然となる
摩耶:静粛に!静粛に!・・・ウソでしょう!え?何で⁉︎
ユリカ:皆んな驚くのも無理ないよ、なんたって4つの宇宙の創造主の1人が居るんだもん。神様にとっても雲の上の存在なんだから。
パンドラ:久し振りねゲルちゃん。4000億年ぶりかしら〜?
ゲルマルク:またこうしてお会いできるとは思いませんでした。
パンドラ:君のやった事、どれだけ多くの犠牲者を出したか分かってるわね〜?
ゲルマルク:はい。
パンドラ:それ以上に許せないのはそこの龍神ちゃんよ〜。
隆二:え?何の事でしょう?
パンドラ:
隆二:そ、そんな事は!
パンドラ:無いと言い切れる?
ゲン:そうだニャ、コイツを見てもシラを切り通せるか?
隆二:お、お前は、4界警のゲン・サトウ警部!
3つのモニターに映る設計図
ゲン:コイツは隆二、アンタの自宅から見つかったモンだニャ。ヴァルキリーの設計図で間違いニャいですか?パンドラ様。
ユリカ:この猫神のおっちゃんはゲン・サトウ警部。このおっちゃんについて詳しくは本編の248話を読んでちょ♪
パンドラ:そうよネコちゃん。ヴァルキリーの設計図に間違いないわ〜♪
ユリカ:人界の日本って国は麻薬を持ってるだけで罪に問われるでしょ?それと同じでヴァルキリーの設計図を持ってただけで罪に問われるんだよ〜♪
ゲン:ちゃ〜んと令状をとった上での家宅捜索だニャ♪
隆二:うぐぐ!
結衣:(流石にもうこれ以上は引き延ばせないか)・・・ん?
係官:も、申し上げます!当裁判所に向かってハーピィ族の幼女が突っ込んできます‼︎
摩耶:なんですって⁉︎係官!
係官:はっ!
摩耶:直ちにワームホールを展開!この中に通しなさい!
係官:え!ここにですか⁉︎
摩耶:幼い子供の命がかかっているのです!今すぐやりなさい‼︎
係官:はっ!
法廷の入り口にワームホールが開きそこから雛が飛んでくる
雛:うっひょーーーー♪
雛をキャッチする摩耶
摩耶:大丈夫?怪我はない?
雛:ナイスキャッチどしゅ〜♪
摩耶:あら?その腕章とカバンのエンブレムは・・・魔界中央郵政社の。
結衣:(ギリギリセーフね)閻魔大王様!
摩耶:はい?
結衣:その子が首から下げてるカバンの中身こそ、黒龍建設グループが
雛:おとどけものどしゅえ〜。コレにハンコおしておくれやしゅ♪
摩耶:は〜い、ご苦労様♪
判子を押す摩耶
雛:おおきにどしゅえ〜♪
雛からカバンの中身を受け取る摩耶
摩耶:飛鳥、この子をお願い。
飛鳥:承知致しました。
摩耶:では審議を再開します。
隆二:(あれは・・・メモリースフィア?誰のものだ?)
摩耶:検察側もメモリースフィアですね。
隆二:(おっと、アレは俺のか。フッ、無駄な事を♪)それは私のメモリースフィアですね。これで私が2つの案件の容疑が晴れますな♪さあさあ、さっさと再生してください。
不敵な笑みを浮かべる結衣
結衣:誰が『1つ』と言いました?
隆二:何?
結衣:提出するのはもう一つあります。
隆二:(ま、まさか⁉︎)
摩耶:これもメモリースフィアですね。
結衣:はい、これはそれぞれ黒峰隆二氏、旧カレイド王国の元次元エネルギー産業大臣エネリオ氏。そして、当時旧カレイド王国王室専属仕様人だった人気番組『魔王少女物語』のナレーターのアオイさんのものです。
隆二:な、なんだと⁉︎ど、どこにあったんだ!
結衣:貴方とエネリオ氏との密談の様子を目撃した事で命を狙われると思った彼女の姉は、アオイさんの身の安全のために魔界宇宙への亡命とメモリースフィアを金融超大国バンクフルト合衆国が誇る魔界宇宙最大の金庫に保管していたんですよ。
隆二:(ぐぬぬ!そんなところにあったのか!)
結衣:鶯博士。
ゲルマルク:何だ?
結衣:貴方はメモリースフィアの内容を改ざん出来る天界宇宙でただ1
ゲルマルク:ああ。
結衣:これも黒峰氏に依頼されて改ざんしたんですね?
ゲルマルク:その通りだ。
結衣:閻魔大王様、この3つのメモリースフィア。『同時に再生』して下さい。
摩耶:分かりました。
ユリカ:3つの巨大モニターに映る3つのメモリースフィアの映像。アオイ先輩のとエネリオのは視点が違うだけで内容が同じなんだけど、隆二んだけ違ったんだよね〜。
結衣:貴方が潔白ならわざわざ改ざんする必要はありませんよね?改ざんしたという事はこの時点で貴方の罪が立証されたと断言せざるを得ないですよ?
隆二:・・・・・・クソが。
結衣:?
巨大な龍の姿になる隆二
隆二:先祖代々積み上げてきたモンを何もかもぶち壊しやがって!こうなったらこの裁判所ごとぶち壊してやる‼︎
飛鳥:お嬢様、ここはお下がりください!
摩耶:・・・・・大丈夫、私に任せて!
静かに目を閉じて詠唱を唱える摩耶
摩耶:我、閻魔大王の名の下に法の庭を
隆二の周囲に無数の魔法陣が現れる
隆二:な、何だこれは⁉︎う、動けん!
摩耶:現時点を以ってこれ以上の審議は不要!よって閻魔大王特権により判決を言い渡します!
『主文』
摩耶:被告、黒峰隆二。汝は先祖代々に渡り袋井家と結託、己の利益のために多くの犠牲者を出し、尚且つ第2次天界大戦を引き起こそうとした事はこの上なく許し難い行為である!
『判決』
摩耶:よって被告人を無間地獄の刑に処します!
閻魔帳を掲げた瞬間隆二の足下に巨大な魔法陣が現れ引きずり込まれる
隆二:うおーーー!まだ、まだ死にたく・・・・・
摩耶:当法廷はこれにて閉廷!
摩耶の木槌が法廷に響き渡る
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