第9話VS黒峰組(中編)
特番司会:どうやら裁判に動きがあった様ですね〜。裁判所前の白神さ〜ん?
4界宇宙統合司法裁判所前
白神アナ:はい。
特番司会:裁判の方に動きがあった様ですが、どの様になっていますか?
白神アナ:はい、現在行っておりますのは旧カレイド王国、そしてグリーンヒル王国に加えて過去の次元大震災と黒龍建設グループとの因果関係の審議ですが、どうやらそれを裏付ける証拠を提示するようです。
特番司会:それでは読者の皆さんは裁判の様子をご覧下さい。
『4界宇宙大法廷』
3方の巨大スクリーンに映し出される一枚の領収書
摩耶:これは?
結衣:これは黒龍建設グループから天界の産業用爆薬製造最大手『タイタニア社』へ宛てた発注書です。4界警の特権でタイタニア社よりお借りしました。ここには黒峰氏のサインの横に『聖印』が押されております。この聖印は偽装する事は不可能な上、本人以外使えない仕組みになっています。つまりこれは『本人が正式に発注』し、その横にタイタニア社長のサインと聖印がある事から『正式な取引成立』を証明する事になります。
隆二:それが何だと言うのですか?
結衣:貴方は先程、重機での解体作業中に『誤って届いた』みたいな事を言っていた様ですが、貴方自身はこうして正式に取引をした上でタイタニア社から送られてきたのに誤って届いたというのは極めて不自然ですよね?爆発物での解体は4界宇宙の国際法で禁じられているのは知ってたんですよね?
隆二:そ、それは・・・そう!実はもう一件請負っていた仕事があって、そこで使う予定で届けてもらったのですよ!
結衣:それはおかしいですね〜。発注書に記載されている納期は次元大震災発生より4日前になっていますが?更にもう一つ。
巨大スクリーンに映る受取証書の控えを映す結衣
結衣:この受取証書の控えには納期前日の次元エネルギー精製プラント宛てとなっており、そこに受け取りのサインとして貴方直筆のサインと聖印がありますよね?
隆二:いや〜、それは〜、そのぉ(始末した筈なのに何故あそこにあるんだ⁉︎)
結衣:これにより『解体作業当日に届いた』というのは『あり得ない』のです!
蘭子:朝珠検事。
結衣:何でしょう?
蘭子:その控えは何処で入手したのですか?それは『本物』なのですか?
結衣:検察側が捏造したとでも?
蘭子:黒峰氏は受取証書の控えは紛失したと言っていたのですよ。それも作業現場で。そうなると瓦礫と一緒に超空間圧縮機で粉々になっている筈ですよね?もう一度言います。何処で入手したのですか?答えられますよね?
隆二:(フッ、やりゃあ出来るじゃねえか♪)そうですな、何処で入手したんですか?
結衣:それについては閻魔大王様、検察側は最初の証人の召喚の許可を願います!
摩耶:良いでしょう。
摩耶の転移魔法によって証言台に証人が召喚される
隆二:(あ、アイツは!)
摩耶:証人、名前と種族と職業を。
サム:サム・オーヴィス、種族は闇の龍神族。職業は黒龍建設グループ解体部門作業員。
結衣:貴方は忘れっぽい性格で、社長である黒峰隆二氏直々により処分する様に言われていたそうですが、それを忘れて自宅の引き出しにしまってそのままになっていたそうですね。社長から依頼されたのは何時頃の事ですか?
サム:次元大震災が起こる5日前です。俺、次元大震災の起こった次元エネルギー精製プラント跡地解体を専門としてたんで。解体時に瓦礫と一緒に捨てろって言われました。
結衣:予定地は事前に通知されていたのですか?
サム:通知があったのは3日前です。その用紙は検事さんに渡した封筒に入ってて中を見ずに捨てろって社長に言われてたんでまさか中身がそんな大事な物とは知りませんでした。
結衣:閻魔大王様。
摩耶:はい。
結衣:4界宇宙国際法によれば、『刻の黙示録』を使って過去に同様の事が無かったかを調べられるとありますが。
摩耶:ええ、可能です。
結衣:では過去4000億年に渡って同様の事が無かったか。調べてもらえないでしょうか?
摩耶:分かりました。飛鳥。
飛鳥:はっ。
摩耶:ウォッチマン公へこれをお願いします。
飛鳥:承知致しました。
摩耶:結果が出るまでもう一つの審議に入ります。もう1
証言台に立つゲルマルク
摩耶:名前と種族と職業を。
ゲルマルク:・・・・ゲルマルク・
摩耶:では検察側、説明と被告人への質問を。
結衣:はい。鶯博士、過去の法廷記録によれば、貴方は天魔大戦時、天界宇宙最古にして最強のバイオロイド『ヴァルキリー』の開発者として永久戦犯に指定。その後、処刑され魂は4000億年封印されるという判決が出ており刑の執行中何者かによって封印が解かれカオスに蝕まれた状態のまま魔界宇宙各国の巨獣を暴走させたとあります。
摩耶:検察側の説明と質問内容に間違いはありませんか?
ゲルマルク:・・・・・間違いない。
結衣:では貴方の封印を解いた者がこの中にいますか?いたら指をさしてお応えください。
ゲルマルク:私の封印を解いて第二次天魔大戦を引き起こしてみないかと言ってきたのは・・・
辺りを見回すゲルマルク
ゲルマルク:アイツだ。
後編へ続く・・・
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