第6話黒峰組裁判間近

 ユリカ:いよいよ黒峰組の裁判が間近に迫ってきたね♪天界宇宙の表の闇の根源の袋井耀蔵ふくろいようぞうが裁かれ、今度は裏の闇の根源の黒峰隆二くろみねりゅうじが裁かれるってことで天界・魔界両宇宙のマスコミが大騒ぎ。でもね、そう簡単にはいかないみたいなの。袋井と黒峰に依存してた天界宇宙中央政府の古狸達がこぞって駄々こねているみたいで・・・ホント大人気ないっての。


 魔界時間13:00 地獄界 閻魔庁資料室内


 飛鳥:お嬢様、お探しの資料が見付かりました。


 摩耶:ありがと、そこに置いといて。


 瑠璃:こちらの資料は如何致しましょう?


 摩耶:そっちはコピー終わってるから元の位置に戻しといて。


 瑠璃:承知致しました。


 赤鬼職員:閻魔様、天界司法庁より返答がきました。


 パスワードを入力してメールの内容を確認する摩耶


 摩耶:・・・・・やっぱり。


 飛鳥:先方は何と?


 摩耶:読むね。


『黒龍建設グループ社長、黒峰隆二はドラゴニックマフィアの黒峰組とは無関係とである。よって即刻釈放されたし』


 瑠璃:バカな!入念な捜査に基づいて明らかにしたのに何故⁉︎


 飛鳥:天界司法庁の上層部・・・いや、長官本人が奴等と深く繋がってる・・・ですね?


 摩耶:そういう事。甘い汁を提供してたツートップの残りの片方が法廷で裁かれれば明日は我が身。そうなれば当然自身の立場が危うくなるから必死になるんだよ。


 瑠璃:袋井一派の議員や代議士や官僚などは法の裁きで殲滅したわけではない。図太く生き残った連中が必死の抵抗をしているといったところでしょうか?


 摩耶:瑠璃さん大正解♪


 飛鳥:これでは手詰まりでは?


 瑠璃:少しは頭を使え、お嬢様のこの余裕は秘策があるからじゃないか。そうですよね?


 摩耶:うん、司法庁が協力的じゃないっていう事はお見通し。だから既に『先手』を打ってあるんだ♪


 天界時間15:00 天界宇宙中央政府司法庁


 テリー:我等の首も繋がったな♪


 ユリカ:このいや〜な感じのオッサンが天界司法庁長官のテリー・ジャッチオンだよ。


 司法庁幹部:全くですな。ぽっと出のヒヨッコ閻魔大王など我等の手にかかればこんなものです♪


 テリー:これで直ぐにでも釈放されるだろう・・・ん?通信?


 中央のモニターに映る職員


 職員:黒峰組裁判の担当判事、比良坂摩耶様より返答がきました。


 テリー:まぁ読まずとも内容は分かっている、どうせ『釈放します』だろう?


 職員:そ、それが違うようで。


 テリー:何?読んでみろ。


 職員:では。


『当方は厳正かつ入念な捜査に基づいて明らかにし、黒峰隆二氏が黒峰組組長と同一神物どういつじんぶつであると断定しているため天界司法庁の要請には応じかねる旨をお伝えするものとします』


 テリー:な、なんだと⁉︎


 職員:続きがありますが、読みますか?


 テリー:続きだと?


 職員:これは読まないと長官のお立場が非常に危なくなるかと。


 テリー:よ、読んでみろ。


 職員:では。


『尚、本件につきましては元14天界王アテナ様直々の証言もあり、加えてこの裁判は現14天界王西洋サイド筆頭ゼウス様の要請でもあるので身柄を引き続き拘束させていただきます 担当判事 閻魔大王 比良坂摩耶』


 テリー:ゼ、ゼゼゼ、ゼウス様だと⁉︎おのれ、小娘がーーーー‼︎


 再び閻魔庁資料室


 飛鳥:流石はお嬢様!こういう事態をあらかじめ想定しておられたとは♪


 摩耶:まぁ、ヴァルキリー密造計画一連の事件に関しての被害者はアテナ様だからね。そのアテナ様が天界に戻ればこの件に14天界王様が直に首突っ込んでくるだとうと思ってね♪


 瑠璃:だから言っただろ?


 飛鳥:何故お前が得意気なんだ。


 摩耶:さあ!裁判まで時間がないよ!


 飛鳥&瑠璃:はい!










  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る