昨日2月15日の「カクヨムからのお知らせ」を読んで ――今年は 「二度目のほんとうの誕生日」――

   

 一日遅れの話題となりますが……。

 昨日2月15日の「カクヨムからのお知らせ」にて、毎年恒例のイベントの告知がありました。


【2/29開始】カクヨム8周年「カクヨム誕生祭2024」を開催します

https://kakuyomu.jp/info/entry/8thanniv_pre


 うるう年云々が書かれていますが、思い起こせば、私が初めて参加した「カクヨム誕生祭」もうるう年で「本当の誕生日」と言われていましたし、KAC2020の最初のお題が「四年に一度」だったほど。

 あれから4年も経ったのかと、少し感慨深いです。まあ今が私のカクヨム5年目である以上、1年目の同時期から4年経過は当たり前なんですけどね。


 さて、今年は「ほんとうの誕生日」ということで『特別な企画をたくさんご用意しております』と書かれています。

 カクヨム誕生祭2024の特設ページには「cominng soon」が2つあるので、今後追加があるのは確実ですが、とりあえず昨日時点で公表されたのは「黒歴史放出祭」「KAC2024」「ヨムマラソン」「カクヨム公式Discord」の4つ。


 まず「黒歴史放出祭」に関しては、応募要項がコンテストページになっているので、正式なコンテスト扱い。一瞬「すごいな!」と思ってしまいましたが、そう言えば一昨年のカクヨム誕生祭でもグルメ小説コンテストがありましたから、その点は驚くに値しないのかも。

 それよりも関連ゲストの方に驚くべきでしょうか。二人おられるうちの一人、市川沙央氏は芥川賞作家。普通「芥川賞作家」と言われると我々からは縁遠い存在で、そもそも作品ジャンルも異なるから……と無関心にもなりがちですが、市川沙央氏の場合「ずっとラノベを書いてきて、それではデビューできず、純文学の新人賞でプロになった」という経歴。ある意味、素人作家に夢を与える存在ですね。カクヨムユーザーにとっても、他の一般的な芥川賞作家以上に、興味深い作家ではないでしょうか。

 まあ私も『という経歴』とか書きながら、それを知ったのはカクヨムで他のかたのエッセイを読んだ時なのですけどね。逆に言えば、実際にカクヨム内で市川沙央氏にそれだけ興味を抱いているユーザーがおられる、ということ。

 さらに今回の「お知らせ」によれば、市川沙央氏は『「カクヨム」プレオープンと同時にアカウントを取得し第1回カクヨムWeb小説コンテストに挑む』『以来カクコンには毎年欠かさずチャレンジ』『一度も中間選考を通ったことがありません』とのこと。

 作家志望でラノベを書いてきた……というだけでなく、まさに我々と同じカクヨムユーザーだったとは! しかもカクヨムコンで一度も中間選考を通ったことがないというのであれば、さらに親近感も強まりますね。

 小説執筆とは無関係な芸能人や有名タレントをゲストに呼ぶのが悪いとは言いませんし、それはそれで凄いことなのでしょうが……。個人的には、この市川沙央氏のようなかたが選考委員になってくださる方が、本当に凄いことだと感じます。

 ……と、市川沙央氏の話ばかりになってしまいましたが、コンテストの趣旨としてはエッセイコンテストで、800字以上6000字以下。「既にカクヨム上で公開されている作品についても(中略)本コンテストに参加することが可能です」となっているので、今のうちに書いて投稿しておくことも出来ますね。

 受賞以外に、抽選でもらえる参加賞も設定されているので、その意味でも楽しめるコンテストかもしれません。個人的には、あまり心惹かれる「参加賞」ではないのですが。


 続いて「KAC2024」「ヨムマラソン」は恒例行事なので後回しにして、先に「カクヨム公式Discord」の話を。

 Discordなるものを、今まで私は「仲間同士のチャットみたいなもの」と理解していました。「仲間同士のチャット」ならば閉じたグループ内のものだろうし、書き手同士で「閉じたグループ」を作ってしまうのは、最悪の場合、相互クラスターの温床になり得る。そこまでいかなくても、少なくとも同じ「仲間」の作品はなるべく読もう、みたいな無言のプレッシャーはあるかもしれない。

 そう考えて、私は「Discord」には一切近づかないようにしていました。そもそも普通にカクヨムを利用しているだけでも自然に交流は生まれますし、私にとってはそれで十分。カクヨム上での交流ならばオープンですし、たとえ交流相手であっても「相手の作品はなるべく読もう」みたいに感じることもなく、自分が読みたい時に読みたいものを読む、というスタンスで問題もありませんでした。

 しかし今回、カクヨムが公式でDiscordサーバーをオープンするという。カクヨムの「公式」ならば開かれた状態になるだろうし、そもそも私の「仲間同士の、閉じたグループによるチャットみたいなもの」という認識が間違っていたのかもしれない。

 いずれにせよ、これまで私が感じていた懸念は大丈夫なはずで……。ならば私も参加するかもしれません。あくまでも「参加するかも」程度に消極的なのは、今のところ、それほど積極的に「創作者同士で繋がりたい! 交流したい!」みたいな気持ちはなく、むしろ「今まで使ったことがない『Discord』を新しく使うのが面倒」という気持ちが強いからですね。

 まあ、後々どうなるかはわかりませんけどね。例えばTwitterだって最初は「よくわからないから近づかないでおこう」だったのに、その後「Twitterをやっていてよかった。少なくとも一度、Twitterのおかげで良いことがあった」に変わりましたから。


 最後に、残りの2つ。「ヨムマラソン」の方は「抽選でプレゼント」なので、以前と同じようなものでしょうか。ただし今回、


>本キャンペーンはエントリーボタンを押した方のみが対象となります。


 となっているので、その点だけは注意しましょう。

 一応『エントリーボタンを押した時点から読書量が計測されるのではなく、ボタンを押した方の2024年3月中の読書量をもとに』なので、親切設計。たとえ押し忘れても、3月中に気づけば間に合いますし、それまでの読書量も無駄にはなりません。


 そして、私としてはこれが誕生祭のメインに思える「KAC2024」。

 まずレギュラー賞がランカー賞に変わったそうですが、この辺りは私には無関係。

 スペシャル企画として「第1回と第2回は特別仕様」となっており、それぞれ優れた4作品にレビューがいただけるそうですが……。それも私には縁遠い話でしょうね。

 もちろん作品を投稿する以上は読んでくださった方々から評価されたいのは確かですし、大勢の評価を集めなければいけないのと比べれば、レビュー執筆者一人の心に刺さることの方が、まだ簡単なはず。それでも、そういうのを意識してしまうと、楽しめるものも楽しめなくなりそう。

 私にとってKACは、毎年本当に気楽に楽しめるイベントなのですよね。お題を与えられて、即興で短編を書く。それはKACに限らず自主企画でも出来ることですし、実際以前はそうやって自主企画にたくさん参加してきたのですが……。最近では、特に「毎回参加する」みたいな習慣のない自主企画では、お題を見て何も思いつかないと、すぐに「これはパスしてもいいかな」とスルーするようになってしまいました。

 また、同じく「お題を与えられて」という意味では、テーマのある短編コンテストでも以前は同様に気楽に書いていたのに、最近では少し変わってきた。「これはコンテストだから、もっとしっかりした作品を書かないと」「主催者側では、どんな作品を求めているのだろう?」などと余計なことを考えて、せっかく考えたお話も書かずにボツにすることが増えてきました。おそらく欲が出てきたのでしょうね。小さなコンテストとはいえ、一度でもどこかで受賞してしまうと「書籍化と無縁の短編コンテストならば、私でも受賞できる可能性がある」みたいな気持ちが生まれて。

 かなりが話が脱線しましたが、そんなコンテスト特有のプレッシャーがない分、私にとってKACは、本当に気楽に楽しめるイベント。とはいえ、もちろんゆるゆるな気持ちではなく、適度な緊張感もあります。「毎回参加しないと!」あたりが、それでしょうか。

 ほら、皆勤賞の存在ですね。今年も『対象者全員に300リワード』と設定されています。

 他にも、抽選でいただける賞品がいくつかあって……。

 ひとつよくわからないが、新設された【長編への道のり賞】。


>開催期間中に1度でも、お題発表から2週間以内で、参加作品の文字数が1万字以上を突破したユーザー


 今年の基本ルールにも『作品は「お題」の応募期間内に投稿してください』とありますし、例年通りならば「応募期間」は次のお題発表まで。ならば「2週間」というのは、応募期間を超えてしまいます。

 この「応募期間を超える」という点から、私は最初「参加作品の文字数」の部分を「参加作品の合計文字数」と解釈しました。「お題発表から2週間以内」となる作品の合計で計算されるのだろう、と思ってしまったのです。

 しかし、それならば企画名の「長編への」という部分に合いませんよね。一つの作品を長くして、長編化っぽくするからこそ「長編への」となっているのでしょうし……。

 ここで私が忘れていたのが、KACのルールは毎年少しずつ変わっていること。何度もやっている恒例イベントだからこそ、ついつい「いつも通り」と思い込んでしまいますが、そこが大きな間違いでした。

 例えば、作品文字数。KAC2022までは設定されていた4,000文字の上限が、KAC2022から消えたのですよね。

 また、私が初めて参加した4年前のKACでは「お題ひとつにつき、1エピソードでお願いします」という注意事項もありました。だから私は「KACは一話完結の短編」というイメージだったのですが……。

 おそらく今は、もう「1エピソードでお願いします」がないはず。そもそも昔も「1エピソードで」というだけならば「完結」の必要はないわけで、ならば「一話完結の短編」というのは、完全に私の勝手な思い込み。

 文字数に上限がなく、応募期間内に完結させる必要もないのであれば、応募期間が過ぎてから(ただし2週間以内に)続きを書いて、1万文字まで伸ばせば良いのでしょう。それが【長編への道のり賞】の条件のようです。

 個人的には、未完結の作品でKACに参加するのは、ちょっと気持ちが悪いのですが……。ならば私の場合、この【長編への道のり賞】も狙うのであれば、応募期間内に1万文字以上の完結短編を出すしかないのかも。幸い、特設ページのカレンダーを見ると、今年のKACは週3回ではなく週2回。その分だけ毎回の応募期間も長くなり、それぞれの執筆時間にも少しは余裕が出来そうですね。

   

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