次回のカクヨムコンどうしようかな?(後編)

   

 少し前に、カクヨムで皆様のエッセイを見ていたら、こんな記述がありました。

「作品を投稿した後は、交流のある方々に対して営業を頑張った。おかげで『カクヨムWeb小説短編賞2020』は中間通過した」みたいな話です。

 ここで私が「あっ!」と思ったのは『営業』という言葉ですね。カクヨムコンは読者選考なので、作者の営業力も重要となってくるのは、当然と言えば当然の話なのですが……。

 今回の記述は、私も交流のあるかたで、信頼できるかたの発言だったので、いっそうの重みがあったのでした。


 カクヨムコンで重視されるのは営業力。

 そう考えてしまうと、カクヨムコンに対するワクワクが、一気に消失します。

 私自身は営業が苦手どころか、むしろ嫌いなたぐいだからです。


 でも、そもそもカクヨムコンに限らず、WEBに小説を投稿する時点で、ある程度の『営業力』は必要とされるのでしょうね。いわゆる読み専の方々が読んでくださる分には無関係ですが、どこの小説投稿サイトでも書き手兼任の読者は多いのですから。

 もしかしたら超高ポイントの作品には、書き手兼任の読者からの評価が無視できるほど、読み専からのポイントが大量に入っているのかもしれませんが……。

 私が「高評価」と思っている作品は、どうも世間一般の評価とは一桁違うのかもしれません。例えばカクヨムにおいて、私は星3桁ならば「高評価」と思ってしまいますが、カクヨム本来の「高評価」は4桁や5桁なのかもしれません。「小説家になろう」では、私が「高評価」だと思う4桁ポイントでも、作者本人は底辺作家を自称している場合があるくらいです。

 この『どこの小説投稿サイトでも』という話。コンテストが読者選考ではない「小説家になろう」にしたところで、交流や営業は重要なのでしょう。「この作品、なんで4桁もポイントあるのだろう? 面白いと感じない私のセンスが、それだけズレているのかな?」と思いながら、作者の活動報告――カクヨムでいうところの近況ノート――のコメント欄を見ると驚くほど賑わっていて、作者の交流の広さを思い知らされることがあります。逆に、私から見ても低ポイントなのに、それでも面白い作品は、作者の活動報告を見てもコメントがほとんどない場合が多い気がします。

 そんなことを考えてしまうと、そもそも私にはWEB小説が向いていないのかな、という気にもなりますが……。


 話をカクヨムコンに戻しましょう。

 たとえ短編の方でも営業力が意味を持つとしても、営業力皆無の私だって、これまで2年とも、短編は2作品ずつ中間選考通過しています。その手応えから考えれば、中間通過のための必要条件は――営業力ゼロで通過するための前提条件は――、カクヨムコン期間中に応募した作品であること。

 だからこそ、今は短編のストックを蓄えていたわけですが……。

 ここで問題になるのが、そうやって短編をストックするデメリットです。


 前回も記したように、カクヨムコン期間中までストックしておくと、それ以前の、いつもの短編投稿が減ってしまうのですよね。

 私の感覚として「小説家になろう」では短編はあまり読まれないのですが、カクヨムでは投稿直後はそれなりに読んでいただける。場合によってはコメントもいただける。それがカクヨムの楽しみだったはずなのに、投稿を控えてしまったら、せっかくの楽しみが消えてしまう……?

 これでは、何のためにカクヨムを利用しているのか、本末転倒です。

 そうしたデメリットを踏まえた上で、それでもデメリットを上回るほどのメリットがあるのか。カクヨムコンの中間通過のためといっても、今からストックしておくことでどれほど通過しやすくなるのかわかりません。ならば、デメリットの方が大きな問題になるのではないか。


 こうして今日、改めてそんなことを考えてしまった理由。冒頭で記した『私も交流のあるかたで、信頼できるかた』が、実際に――「短編賞」ではありませんが――受賞なさったからでした。営業云々の説得力が、より強くなった感じです。



 というわけで。

 次回のカクヨムコンどうしようかな、という気持ちになるのでした。

 少なくとも、日頃のカクヨム活動を犠牲にしてまで臨む価値はないように思えてきました。

 ならば、ストックしてあった短編も、少しずつ投稿し始めた方が良いのかもしれません。

 ここで『べきでしょう』ではなく『かもしれません』となってしまうのは、まだ次回の「カクヨムWeb小説短編賞2021」に対して未練がある証拠。

 この未練を断ち切るためには、いっそのこと、カクヨムコンの時期はカクヨムから離れた方がいいのかな、とすら思い始めました。

 おやおや。

 少し前まで「カクヨムコンの時期に開催する自主企画!」なんて考えていたくせに、極端から極端へ走っていますね。

 我ながら、恥ずかしい話です。


 おそらく一番の正解は、普通にカクヨム活動を行うことなのでしょう。カクヨムコンが始まるまでは、カクヨムコンのことを意識せずに読み書きして、いざカクヨムコンが始まったら、その時に思いついた短編だけで応募する……。それが最善手なのだろう、と頭では理解できます。

 そもそも「水増し作戦もストック作戦も卑怯」という見方も出来るかもしれません。でもカクヨムコンに参加してしまうと「前に投稿したあの短編、あの時ではなく今投稿しておけば、中間通過の可能性があったのでは?」という気持ちになりそうで……。

 そうなると「いっそのこと、カクヨムコンの時期はカクヨムから離れた方がいいのかな」と考えてしまうのでした。

 悩ましいところです。



 ……私には優柔不断な部分もありますから、なんだかんだ言って、今はカクヨムコンに参加しないつもりでも、いざ始まったら参加しそうですけどね。

 それって結局、上述の「普通にカクヨム活動を行う」になりますから、結果的には望ましいのですが、はたしてどうなることやら。

   

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る