二年目・中間総括
カクヨム二年目の中間総括(前編)――小説家になろう・カクヨム・セルバンテス・エブリスタ・ステキブンゲイ・ノベリズム――
私は昨年の10月、一年目の中間総括として「カクヨムを使い始めて約半年が経過しました」というのを書きました。
もう10月も終わりそうなので、中間総括をするにしては少し遅いのですが……。今年も昨年同様、私はカクヨムでの執筆を楽しんできました。厳密には『カクヨムでの執筆』限定ではなく、私の執筆活動全般の話になってしまいますが、カクヨムに関係する話も多々ありますので、約半年の出来事を、ここでまとめてみたいと思います。
まず第一に。
最近の約半年は、私にとって、活動の場を広げる期間となりました。
以前に記したと思いますが、私が最初に登録したのは「小説家になろう」であり、2018年9月の出来事でした。
続いて、カクヨムスタートが2019月4月です。その後、また半年くらいで、2019年9月に「セルバンテス」にも登録しました(「セルバンテス」は既にサービス終了)。
この辺りまでが、だいたいカクヨム一年目に相当します。
そして、2020年3月。厳密には一年目の終わりになるのですが、まあ、ほぼ二年目ということで……。「エブリスタ」にも登録したのが『活動の場を広げる』の始まりとなりました。
それ以前にも、三つも小説投稿サイトに登録していたわけですから、既に手を広げていた、と言えるかもしれません。でも「セルバンテス」までは、
「とりあえず、そういう小説投稿サイトがある、と知ったから投稿しました」
という意味合いが強かったのです。一応「セルバンテス」は「大人向けの小説投稿サイト」という話があったので登録したわけですし、全くの手当たり次第ではなかったのですが、でも「サイトの存在を知って、すぐに登録した」というのは同じでした。
ところが「エブリスタ」登録からは、そうではなかったのです。
最初に私が「エブリスタ」の名前を知ったのは、カクヨムで作品を読んでいる時。あらすじ欄にある『この作品は「エブリスタ」にも投稿しています』を何度か見かけたのが、名前を知るきっかけでした。
その後、実際に登録する前に、サイトを訪れる機会がありました。ここカクヨムで「一次選考通過二次選考落選の小説を集める」という自主企画を開催した際、『ただし読者選考のあるコンテストを除く』という条件をつけたために、企画主である私は、参加作品それぞれが応募したコンテストを逐一確認することになったのです。
その際エブリスタ小説大賞のものがいくつかあったので、「エブリスタ」の過去のコンテストページを見に行く、というのが「エブリスタ」初訪問になりました。
だから「エブリスタ」で作品そのものを読むことはしていなくても、「エブリスタ」にも掲載しているカクヨム作品をいくつか読んだことで、「エブリスタ」は恋愛小説と女性読者のためのサイト、というイメージ(先入観?)を抱いていました。
私自身は女性ではありませんし、執筆のメインは恋愛小説ではないのですが……。既にカクヨムでは、いくつか恋愛短編も書いていました。「これ、エブリスタならば、もっと読んでもらえるのではないだろうか?」という考えが頭に浮かびます。
それに加えて。
カクヨムにも「エブリスタ」にも登録しておられる
ここで初めて気づいたのが、エブリスタでは小さなコンテストが頻繁に――少なくとも毎月2回以上――行われている、ということ。コンテストというより、むしろイベントと言った方がいいような『小さな』コンテストですが、だからこそ気楽に参加できそうです。KACイベントとか、お題を出してもらえる自主企画とか、あんな感じですね。
これならば、既存の恋愛短編を披露するだけでなく、新たにコンテスト向けに短編執筆する場としても面白そう。そう思って、「エブリスタ」に登録したのでした。
こうして、新たに短編執筆の遊び場を得た私。
もちろんカクヨムでの執筆も続けていましたが、発表の仕方が、少し変わるようになりました。
カクヨムに来てからは、原則として全てカクヨム初出にして、こちらで掲載後に他サイトへ転載する形にしていたのですが……。「エブリスタ」のコンテスト用に書いたものは、そちらの初出にして、なるべく落選確定してからカクヨムへ転載することにしたのです。
私のメインはカクヨムであり、全ての作品がカクヨムには掲載されている。これが、それまでに私のポリシーだったので、ちょっと気持ち悪い感じもありました。今にして思えば、どうせ「エブリスタ」のコンテストは落選ばかりなので、そこまで気を使わなくてもよかったのではないか、という感じなのですが。
一応、今も一つ、「エブリスタ」初出でカクヨム未転載の作品がある状態です。
2020年3月の「エブリスタ」登録に続いて、今度は2020年6月。
この時点では、既に「セルバンテス」はサービス終了していたため、私が登録している小説投稿サイトの数は三つに戻っていました。そんな時に存在を知ったのが、「ステキブンゲイ」という小説投稿サイトです。
当時の私は、
「WEB小説の主流はラノベであり、そういう作品を私も書いてはいるが、本当に私が書きたいものとは違う気がする。ラノベのような挿絵前提の作品ではなく、文章だけの小説こそ、私の書きたいものではないだろうか」
という考えを持ち始めていました。
例えば、私のカクヨム投稿作品で言えば、『緋蒼村連続殺人 ――転生したら殺人事件の真っ只中――』ですね。派手な動きよりも、地味な推理問答がメインであり、あれにイラストが加わったところで、作品の魅力がアップするとは思えません。
もちろん私には、文芸作品を投稿するような文章力はありませんが……。でも、そういう場で勝負してみたい、挿絵前提ではない作品を書いていきたい、という気持ちが出てきたのでした。
6月というと、カクヨムでは「角川武蔵野文学賞」が始まった時期でもありましたね。そちらは短編ですが、ちょうど上記のような考えがあったので、『文学賞』と銘打たれたコンテストにも応募しよう、と思ったものです(結果的に2作品応募したうちの片方が、中間選考を通過しました)。
まあコンテストの話は、今回の主旨から外れるので……。
話を戻します。
そんなわけで、「ステキブンゲイ」にも登録してみた私。メインとしては、上述の『緋蒼村連続殺人』を投稿しようと思ったのですが、まずは短編から投稿していこう、と思いました。カクヨムでは短編から長編を読んでいただく、という流れがありましたし、いきなり長編を投稿するよりは良いだろう、と考えたのです。
とはいえ、カクヨム掲載の短編を全て転載する気はありませんでした。「この展開はかなりご都合主義な部分があるから、文章云々以前に展開的な問題で『文芸作品』とは呼べないのでは?」というものは除外して、一応これならば大丈夫、というものだけを選び出すつもりだったのです。
そう考えて、少し短編を投稿してみたところ。
カクヨムの近況ノートに、コメントをいただきました。近況ノートの記事内で「ステキブンゲイ」について言及したわけでもないのに、それまで全く交流のなかった
「あなたはアホほど短編を書いていますが、それをステキブンゲイに投稿することはやめてください。お願いします」
こんな感じの主旨でした。
一応「お願いします」という丁寧な言い方でしたが、「たくさんの短編」というニュアンスで『アホほど』という言葉があったことは、ハッキリと覚えています。
別に私自身を指して「アホだ」と言われたわけではないですが、ある程度冗談の言い合える仲ならばまだしも、初めての書き込みで『アホ』は使うべき言葉ではないと感じました。
思いっきり気分を害して、書き込みを削除してしまったほどです。
削除した後になって、おそらく自分が傷ついたのは『アホ』発言だけでなく、短編しか書いていないかのように扱われて悲しかったのではないか、とも思いましたが……。
とりあえず。
この書き込みは、「ステキブンゲイ」利用者としての先輩から、サイトの雰囲気を教えていただいた、と好意的に解釈するべきなのでしょうか?
あるいは。
あくまでも一利用者が、『自分にとっての「ステキブンゲイ」感』を押し付けてきたのでしょうか?
コメントを削除してしまった時点で、私の方から交流を断った形です。今さら、相手に問いただすこともできません。
そこで。
ちょっと
半ば八つ当たりを込めて、「ステキブンゲイ」運営にお問い合わせをしてしまいました。
そもそも「ステキブンゲイ」は文芸サイトなので、ライトノベルお断り的な話が、サイト説明に書かれています。
それに関係して、
「そちらの利用者から、このような書き込みをいただきました。ライトノベルだけでなく、暗黙の了解として、短編もお断りのサイトなのですか?」
というお問い合わせです。
いや、本当に
なんだか「慌ててすっ飛んできた」という感じで、お返事が来ました。
短編も歓迎しています、という当たり前の返答に加えて「そんなこと言うユーザーは誰ですか、こちらで対応しますので教えてください」とまで書かれていました。
私は近況ノートに書き込まれたコメントを既に削除した後でしたし、そもそもカクヨム内で書き込まれたコメントでしたからね。該当ユーザーのお名前を出すことは出来ませんでしたが……。
少なくとも、この対応から、私は「ステキブンゲイ」の運営に好印象を
なお、最初に「ステキブンゲイ」に投稿した短編は一応削除して、短編集としてまとめる形で、いくつか入力して投稿準備まではしているのですが、実際の投稿はしない状態で止まってしまっています。「ステキブンゲイ」運営に対して好印象は持ったものの、やはり最初にケチがついてしまった形なのですよね。
一応、当初の目的である『緋蒼村連続殺人』だけは投稿しています。かなり書き直した形で。
結局。
この「ステキブンゲイ」登録に関して、私に残ったのは「ネットは怖い」という気持ちでした。
今まで楽しく利用してきたカクヨムも、いつ誰から何を書き込まれるかわからない、と改めて気づかされた形です。それこそ、相手側は悪気なくても、書き込まれた方は傷つく、というケースもあるのですよね。
一応カクヨムにはブロック機能もありますが、そもそもブロックする前にいきなり何を書き込まれるか、わからないわけで……。
この件を通じて、私は近況ノートのコメント欄を閉じようか、とも思いましたし(当時は自主企画の関連でコメント欄を閉じられませんでした)、その後、一時期、実際に閉じていたくらいです(今はまた開いています)。
とにかく、カクヨムでの交流が怖くなって、一時的に色々とモチベーションが低下しました。
本来、私は次のように考えていました。趣味でやっている執筆活動に「モチベーションの低下」という言葉を持ち出すのは厳禁であり、趣味なんだから辞めたくなったら辞めればいい、と。
でも、この時の私の心境は……。厳密には執筆意欲云々ではなく、カクヨムから少し離れたい、という気持ちでしょうか。まあカクヨムに限らず、どこでも小説投稿サイトは交流前提。しかし私が使っているサイトの中で、カクヨムほど簡単に交流が行われる場所はなく、それまでは、その恩恵にも与っていた感じ。ようやく、デメリットの方を思い知った、というわけです。
とはいえ。
カクヨムが最も使い勝手が良い、と思って私の読み書きのメインをカクヨムにしていた以上、カクヨムから離れることは、執筆そのものからも少し遠ざかることになるのではないか。ならば、やはりこれは、いわゆる執筆意欲の低下に相当するのではないか。一番書きやすい場で書かないのであれば、一体どこで書けばいいのか。もしかすると、そろそろ現在の執筆活動という趣味も潮時なのだろうか。
そんなことも考えてしまいました。
ところが。
人生というものは上手く出来ているというか、皮肉に出来ているというか、とにかく「このタイミングで!」という話が、飛び込んできたのでした。
「新しく小説投稿サイトを立ち上げるので、そこで書き下ろし長編の連載を始めませんか?」
というお誘いです。
当時まだ私が名前を知らなかった――いや私が知らないだけでなく名称自体まだ決まっていなかったかもしれない――小説投稿サイト「ノベリズム」からの執筆依頼です。
「えっ? 一介の素人に過ぎない私に、執筆依頼?」
という驚きの展開になったところで。
後編に続きます!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます