コンテストについて改めて考える ――1,100作品のうち753作品――
PCとスマホでは表示が違うかもしれませんが。
私のネット環境では、カクヨムのトップページを開いた場合、右側の上の方に「カクヨムからのお知らせ」の最新二つが表示される形になっています。現在では4月4日の『大賞賞金100万円!「第20回角川ビーンズ小説大賞」応募受付を開始しました』と4月1日の『賞品発送遅延のお知らせ』ですね。
とりあえずコンテストがあったら出来る限り応募してみたい私ですが、さすがに「第20回角川ビーンズ小説大賞」は無理な気がします。これ、女性向けレーベルですよね? 短編ならばまだしも、長編で女性読者を意識した作品、書ける気しませんし……。
一応、お知らせ本文を読んでみましたが、作品形式等のところに『応募受付期間の締切時点までに本文が10万字以上15万字以内であること』と書かれていたので、やはり長編オンリー。うん、これは無理だ。
ただし、これ『応募受付期間:2020年4月1日13:00~2021年3月31日23:59』ですから、丸々一年かけての募集なのですね。その点は、少し面白そう。
一年前の時点では、私はカクヨムではなく「小説家になろう」がメインでしたし、またコンテスト応募に関しても、既存の作品を応募するだけであって応募期間中に新作を執筆する、なんてことは一切ありませんでした。つまり一年後の自分なんて想像するだけ無駄ですから、もしかしたら来年の今頃は、女性向けの長編小説を書きたくなっているかも……?
そんなことを考えながら。
ふと、トップページの「コンテストから探す」をクリックしてみました。今現在のカクヨムのコンテスト全般はどうなっているのだろう、という軽い好奇心です。
開催中のコンテストが並ぶうち、応募受付中になっているのは「カクヨム2020夏物語」と「ファミ通文庫大賞」の二つ。続いて選考中がいくつかあるのですが……。
その一番上にあったのが「第26回スニーカー大賞」。このエッセイの少し前の項目で書いたように、一応は私も応募したコンテストです。ちょっと興味が湧いて、さらに中を見てみました。
応募総数は、1,100作品となっています。パッと開けると週間ランキングとしての順位付けで表示されており、自分の作品を探してみたら、363位になっていました。
まあ、こんなものだろう、という位置ですね。あまり読まれていない作品ですし。むしろ上から1/3くらいのところなら、上出来なくらい?
そう思うと同時に、私の作品の前後に『連載中』の作品がいくつもあるのを見ると、もうこの辺りは問題外なのだな、と感じてしまいました。
そもそも。
以前に、どなたかの近況ノートで読んだ気がします。コンテスト応募作品のうち結構な割合が、規定の文字数に足りなかったりオーバーしたりしている、と。はっきりと覚えていませんが、確か1割か2割くらいだと書いてあったでしょうか。
せっかく自分も応募したコンテストなのですから、今回、少し調べてみようかな、と思いました。本来、そういうチェックをするのであれば応募締切直後に行うべきであり、すこし「今さら」なのですが。
この「第26回スニーカー大賞」。以前に「カクヨムコンの後のこと ――昨年12月25日と本日1月14日の「カクヨムからのお知らせ」を読んで――」において書いたように、重複掲載に関して少々ややこしい注意があったので、その点を読み落として守らずに門前払いとなる応募作品も出てくるのではないか、と想像しているのですが……。
今回、そこまでチェックする気はありません。あくまもでも「応募作品を見る」「複数の条件で絞り込む」で確認できる程度の話です。
まず、改めて応募要項の基本を確認。「作品形式等」のところの二番目に記されているのは、
>応募受付期間終了時点までに本文が10万文字以上15万字以下であること。完結した作品には「完結」にチェックをつけてください。
いくらか不親切にも思えますが、この「作品形式等」から少し離れた別のところにも、「注意事項」として、ごくごく基本的な注意が載っています。その一番目前半と、五番目を引用してみます。
>短編集、未完の作品は選考対象外となります。
>応募受付期間中に作品を完結させてください。完結した作品には「完結」にチェックをつけてください。作品が完結していない場合、当該作品は選考対象外となります。
わざわざ二度に渡って「完結させてください!」と念押しされているのですから、これは『いくらか不親切にも思えますが』を補ってなお余りある親切仕様と言えるでしょう。
それでも、きちんと読まずに連載中のまま応募してしまう人もいるようなので……。
完結済10万文字未満、完結済15万文字オーバー、連載中の作品を、それぞれ検索してみました。
まず、完結済10万文字未満。検索すると、6ページ分ありました。1ページあたり20作品表示されるはずであり、6ページ目が13作品でしたから、113作品ということになりますね。
次に、完結済15万文字オーバー。こちらは、ぴったり2ページ分、つまり40作品。
二つ合わせると、応募総数の約1割半ですね。ここまでは「1割か2割くらいは規定の文字数に足りなかったりオーバーしたり」に合致します。
問題は、連載中のまま応募された作品。これを検索すると……。いやもう、出るわ出るわ、次と次と。20作品ずつの検索ページ、どこまで続くかと思ったら、なんと30ページ! しかも30ページ目も、きっちり20作品ありましたから、合計で600作品!
113作品と40作品と600作品、合わせて、753作品。応募総数1,100作品のうち約7割が、「10万文字以上15万文字以下の完結済作品」という基本的な注意を守っていないことになります。
……これ、さすがに多すぎませんか? もしかして私、検索方法とか計算方法とか間違えたのでしょうか?
どこかに大きな凡ミスがあるのだとしたら、応援コメントで指摘されて赤っ恥をかくのは私なのですが……。とりあえず、ここまでの数字は正しい、という仮定で話を進めます。
これら700を超える作品の全てが、応募要項を読まずに応募したとか、操作ミスで応募するつもりもないコンテストに応募してしまったとか、そんなうっかりさんばかりではないと思います。
規定の文字数に到達するように、収まるように、完結するように……。頑張って書いていたけれど間に合わなかった、という人もいるのでしょう。だからといって応募を取り下げたくても、受付期間を過ぎたら取り下げることも出来ないのは、カクヨムの仕様だから仕方のないことだと思います。
とはいえ。
どんな事情があるにせよ。
やはり「半分以上が」というのは問題あるように感じてしまいました。
そもそも、この「第26回スニーカー大賞」は、カクヨム外からも応募できるコンテストなのですよね。主催者側のご好意でカクヨムからも応募できるようにしてくださっているのでしょう。それなのにカクヨム経由の応募が、このように「作品を読む以前の段階」ばかりとなると、もうカクヨムからの応募なんてやってくれなくなるのではないか、と心配してしまいます。
悪貨は良貨を駆逐する、とまでは言いませんが、ほら、例えば「知り合いの在日外国人のうち半分以上が嫌な奴だから、在日外国人は全て大嫌い」という人だっているでしょうし。それと同じで、カクヨム経由の応募作に悪いイメージがついてしまうのではないか、と……。
せめて、応募締切の後でも応募を取り下げることが可能なシステムならば、こういう作品も少しは減ると思うのですが。
でも、これはこれでカクヨムのシステムの特徴の一つだと思えば、仕方のない話なのでしょう。そこは利用者側の方で注意して「応募期間中に無理かもしれない作品は応募しない、きちんと規定の文字数で完結させる自信がある場合のみ応募する」というようにするべきなのかもしれませんね。
……などと色々書いてきた私の応募作品も、規定の文字数で完結済とはいえ、内容的には応募にふさわしくない、むしろ『悪貨』の側なのですけどね。
なにしろ、シリーズ物の一作目ではなく三作目。いや、読んでさえもらえれば「シリーズ作品とはいえ、それぞれ独立している」と理解していただけるはずなのですが。ほら、例えば(カクヨムは角川系列でしょうから具体的な商業作品の名前を挙げさせていただきますが)横溝正史の金田一耕助シリーズを読む場合に『獄門島』や『本陣殺人事件』よりも先に『悪霊島』や『病院坂の首縊りの家』を読んでも大丈夫、みたいな。
でも作品タイトルに『3』というナンバリングを含んでしまっている時点で、もう作品本文を読む以前にタイトル見ただけで門前払い、ということもあり得るかと……。
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