第6話 自分で考えて行動する人

 私は何故学校がいけないかと言えば、これが出来る人が育ち難いからです。最初にも書いた通り、学校は人を働く機械に変えるところであり、自分で考えて行動することを教えることはなく、先生の言う通りにすることを強いるわけです。


 人が機械と違うところは、自発性にあるわけで、本来、自分で考えて行動するのは人として当たり前なことだと考えています。何故、自分で考えて行動することが必要かと言えば、それはもちろん幸せになるためです。


 人は幸せになるために生まれてくるのであり、それを手にするために自分で考えて行動するという性質を持っているのだと思うのです。


 つまり、それは放っておけばそうなる本能みたいなものであり、教育することで、それは削がれていくのです。何かを教えるという事は、何かを考えなくさせることであり、それを繰り返せば考えなくなるのは当然だと思います。


 幼いうちは分からないから仕方ないと思うからそうするのでしょうが、では、一体いつから教えるのを止めるのでしょうか?


 教えに従順な人は、いつまで経っても教えを聞こうとするのではないでしょうか?


 そういう人を良い子と称するのではないでしょうか。しかし、それは親や学校に都合の良い子に過ぎないと思います。でも、そういう子は自ら考えて行動するという習慣がないので、幸せになることはないでしょう。


 自分で考えて行動する人。それをどう作るかは今や大きな問題かもしれません。親自身が果たしてそういう生き方をしているのか?が問われることになるからです。


 何事もそうですが、口で言うよりやって見せることが大事であり、親自身が、自分で考えて行動することを実践することが一番の近道でもあるのです。


 では、親がそういう生き方をしているのかどうか?自分でそれをどうやって知ることが出来るか?という事ですが、それは、今、自分がどう感じているかで知ることが出来るでしょう。


 自分で考えて行動するのは幸せになるためです。もし、今が幸せならば、そうやって生きてきたということになる。そうでなければ、誰かの言う通りに生きてきた可能性があるのだと思います。


 人は、豊かな暮らしが出来れば幸せになるとか、地位や名誉を得られれば幸せになるとか、色々思いを巡らせるわけですが、そうなれば、それが正しいかったのかそうでなかったのかは分かると思います。


 ただ、そうなれない人も多いわけで、そういう人はきっと、そうなれないから幸せになれないと思う事でしょう。もちろん、そう思う以上そうなることはありません。


 だけども、そういう幸せへの思いはどうやって築かれたのか振り返ってみて欲しいわけです。それを自分で考えてそう決めたのならそうなのですが、恐らく、そう思わされられたが正しいのではないでしょうか。


 つまり、自分で考えて行動したのではなく、誰かにそそのかされて行動したに過ぎないわけです。出来れば、そこを突き止めると納得いくのかもしれません。


 前にも書いたように、我々は唯一無二の存在です。それはつまり、他人の幸せを自分の幸せにすることは危険だという事なのです。他人が幸せそうに見えたから、それを追いかけたのでは、自分の幸せには辿り着けない。


 だから、自分で考えて行動することが求められるわけです。他人に教わっちゃダメなのです。学校ではこれしかやらない。他人と比べ優れている方に目を向けさせ、それを目指させる。


 もう、その時点で他人の人生を生きようとしているだけなのです。生まれも育ちも全て違う人間は、その求める幸せも全て違うわけであり、実はこれこそが我々を救う真実というモノなのです。


 何故なら、全ての人が幸せになれる理由となるからです。


 だから、他人と争う必要もなく、他人を目指す必要もない。実は、そういう人に学校は要らないのです。つまり、人として生きていくなら学校へ行くべきではないということ。


 いつの日か、このことが世界中の人の常識となるのを信じて待ちたいと思います。そうなった時、世界から争いが消え真の平和が訪れる。他人から何かを奪うこともなく、もちろん、他人を殺めることもなくなるでしょう。


 学校から我が子を守ることで待っているのは、そういう平和な世界なのです。もちろん、世界が、いや、せめて日本だけはそうなって欲しいと思いますが、途方もない歳月を必要とすると思います。


 出来れば、その先駆けとなるコミュニティだけは、生きている間に実現したいと考えています。

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