第2話 人を育てる基本

 今日では、人を育てることはなくなりました。


 「えっ何で?」と疑問に思う人も多いのではないかと思います。私から言わせていただければ、むしろ、何故それに気づかないの?って聞きたいわけです。


 学校へ行かせ勉強させ大学へ行かせ少しでも収入の高い企業に勤めさせることが、今や教育の目的ではないでしょうか?こういうと、「それのどこがいけないんだ。働かなければ生きていけないから当然のことじゃないか」と答えが返ってくることだろうと思います。


 しかし、現実的には学校に於いて多くの子どもたちは悩み、会社に勤めてからも悩み、苦しむ人が多いのではないでしょうか?もちろん、親は子を苦しめる為に勉強させているのではありません。


 将来、少しでも楽に生きれるようにと思ってのこと。その思いは悪いことではありませんが、多くの人たちが社会に出て苦しんでいるのを見て、更には、親自身が苦しんでいるのであれば、考えなければいけないと思うのです。


 人に苦しみや悩みをもたらせる原因は何だと思いますか?


 それは、他人から言われた通りに動くことなのです。学校で勉強して就職して立派な社会人になるという事の為に、そうさせられるわけです。つまり、そこに自分の考えは何も入っていない。


 だから、どうして良いのか分からなくなり、悩み苦しむのです。


 「学校で勉強するからバカになる」に書いていますが、学校とは労働機械製造工場なのです。機械は自分の意思を持ちません。自分で考えて行動するのではなく、命令によって動くのが機械なのです。


 ただ、ここで問題なのは、人間は機械ではないし、機械にはなり切れないということなのです。ある意味、社会人になって苦しむ人は、そういう人たちなのです。もし、完全な機械になれたなら、苦しみや悩みはなくなるでしょう。


 しかし、それは人間ではなくなるという事であり、楽しみや幸せもなくなるのです。それでは、折角生まれてきたのにもったないと私は思うわけです。


 少なくとも、私はそういう人生は嫌だと思うわけで、そういう生き方だけは避けるべきだと思うのです。そういう生き方をさせないために、学校教育を廃止すべきだと考えています。


 とは言え、みんなが学校に通い、いわゆる学校バカになっているので、学校教育を廃止させることは難しいと思います。だから、せめて学校教育を拒否する子どもたちだけは、そういう人生にしない人間になって欲しいと思うわけです。


 人を育てる基本は、「人」を育てるんだ!という思いを忘れないことだと考えます。だから、絶対に人を機械にしないという気持ちが欠かせないと思うのです。


 仮に学校教育を拒否しても、準学校教育に縋るようだと元の木阿弥になりかねません。人を育てるという意味が分かっていない人が多すぎると思います。人と機械の根本的な違いは何か?それは人は唯一無二の存在であるという事です。


 機械のように同じものはない。従って、育て方も全て異なるという事。つまり、人をマニュアルで育てようとする時点で、それは人を育てるのではなく機械を作っているんだという事なのです。


 だから、学校教育はどんな改革をしようとも機械しか作れないのです。親からしたら命より大事な我が子が学校で機械にされる。いや、機械を作るように扱われると言った方が適切でしょう。


 その環境で、子どもたちが大事に扱われることは難しいのではないでしょうか。難しいというより不可能だと思います。そんな一山いくらと言うレベルで大切な我が子を育てて、本当に素敵な人間に育つのでしょうか?


 まあ、そういう中にあっても素敵な人は育ちますので、一概に否定は出来ませんが、それはイレギュラーであり、基本的にはつまらない機械しか出来ないのです。


 結論から言えば、学校へ行かない子どもの育て方とは無いのです。つまり、本を買ってきて学ぶことは出来ないという事です。つまり、親が我が子の様子を見ながら作っていくしかないということ。


 従って、この本はそのことを書いていこうと思います。先ずは、「人を育てるんだ!」という事を肝に銘じてください。それはどういうことかと言えば、人はみな違うから他人と比べることは出来ない。常に、我が子だけを見ればいいという事です。


 従って、とても大変ですが、ある意味、とても楽なのではないかと思います。その楽な事が分かれば、逆に自分が何故苦しいのかも分かることでしょう。教育と言うのは他人を教育するのではなく、実は自分を教育することが最大の目的であり、きっと、我が子の成長に併せて親が成長する。いや、我が子以上に親が成長できるものだと思います。


 だから、我が子の教育には是非積極的に関与して欲しいと思うわけです。何故なら、その子の親の親として、一番成長して欲しいのは、その子の親だから。それもまたジージの務めであると思うわけです。


 こうした思いが親たちに分かってもらえると大変うれしいのですが。いずれにしても、この本はこれからの日本の新しい社会を築く上で基盤となるものだと思っています。


 現在、別に執筆中の「思いやり社会の作り方」や「新・日本を変える提案」の中心にあることだからです。未来を変えるとは教育を変えることだと私は思っています。従って、学校教育を維持する我が国は変わらないでしょう。


 しかし、大半は変わらなくても、一部が変わればいずれ大半を変えることが出来ると思うわけです。だって、人が幸せになれば誰だって気になるでしょう?私は、それを一番に考えています。


 どうすれば、全ての人が幸せになれるのか?それは、一人を幸せにすることから始まるのだと思うのです。つまり、目的は幸せになれる人を如何に育てるかということ。


 結構、壮大なプロジェクトだと思います。


 「そんなこと出来るもんか!」と言われそうですが、「出来たら凄いと思いませんか?」と思っているわけです。その為には「自分で考えて行動する人」をどう作っていくかだと考えています。

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