第2章 薬草の採取は大変

第2話 薬草の採取は大変

研究所のような、専門学校に着いた私達は

別館で全校生徒を集め新入生を歓迎されていた、当然私もその中に入ってるんだけどね。


こう行った集まりは、いつも緊張してドキドキする、私は高校から大抵1人で過ごしてきた、オンリーボッチなのだ。


「あーこれから、また3年間ボッチかなぁ」


別館に集まった生徒は全体で約50名、職員20名くらいで、かなりの大規模、都会ではこんなに数は多くないだろう。

私達、1年生は8人て数が少ないような気がする。


まずは校長先生の話が始まる、恐らく長い話だろうなぁと思っていると話はすぐに終わる


「え〜時間が惜しいのですぐに話は終わります1年生の皆さん入学おめでとう。これから

いろいろあると思いますが、絶対に逃げずに頑張ってください!」


何かかなり急いで終わらせてるように見える

「えー校長先生の話が終わりましたので私、教頭が仕切らせてもらいます。2年生と3年生と職員は解散して職務について下さい。」


1年生を残して教頭先生がのこる、1年生の担任の先生がこっちに歩いてくる。


「僕は1年生の担任の鳳陸おおとりりくだよろしく」


「さっそくだが、君達8名はここに送ってもらった教材の結果を伝える。」


「その前に教室に移動しよう。君たちついてきたまえ。」


おおとり先生は8名の生徒を連れて別館を出る。

別館と校舎は繋がっており渡り廊下を通って

校舎の中に入る。


渡り廊下の周りにも薬草が生えており、花の咲いてる樹木があるが、あれはガマスミ、

熟すと果実酒として利用することが出来る

(ガマスミ酒はばあちゃんの好物だったなぁ)

そう思っていると、校舎の中で鳳先生が教室の前で立って待っている。


「さあ!入った入った適当に席に座って」


各自席に座る、座り終わるとおおとり先生が黒板に

四大元素と書いた。みんな、?マークが頭に付く

「では説明しよう、まずは四大元素はご存知かな?月城陽月さん答えてもらえるかな?」


突然、質問を投げかけられ陽月は頭がパニックになる。


「あっあの、わかりません!そもそも、薬剤師と関係あるんでしょうか?」


赤面しながら陽月は鳳先生に質問してしまう


「質問に質問するのは良くないが、まあ知らないのは仕方ない!四大元素とは火、水、風

土と言われている。」

おおとり先生はリズムかるに黒板に書き出す、人それぞれには個々の属性

があり、属性を生かして職に付くと成功をもたらすと言われている。


「しかし失われた属性、光と闇が最近になって見つかった。教材の結果、陽月さん

あなたは光の属性を持っている。」


陽月は、頭に更に?マークが付く。


「送られて来た教材をみてもらいたい、薄い黄色のクリーム、これは筋肉の疲労を和らげる効果がある。しかもこれの凄いことは市販の湿布を軽く凌駕する。」


おおとり先生の話では薄い黄色と薄い黒色が発見されたとの事。


薄い黒色はあらゆる毒素を緩和するとの事。


「もう1人、闇属性を持っているのが蓮樹はちすいつきくん君だ。」


「それと、お姉さんの蓮莉土はちすりとさん彼女は土属性、土属性はあらゆる植物の活性化を高める効果をもたらすと言われている」


鳳先生は蓮兄妹を紹介して話がヒートアップして行く、失われた属性が2人も現れるのだから仕方ない。


そう言えばおばあちゃんが、お兄ちゃんが

ここに来るとか言ってたけど?

周りを見渡すと城月楓月しろつきそうげつが軽く手を振る。

楓月は親戚の兄で最近まで海外の学校からここに編入して来た


「城月兄妹とはちす兄妹は校長室に呼ばれいるので今すぐ行ってきなさい。」


おおとり先生は急がせるように城月兄妹とはちす兄妹を校長室に向かわる。


副担任の月島先生が校長室に案内する。


「残りの4名は残って属性の説明をします」


月島先生について行くと、校舎内の大広間に着いた。なんと言うか、ホテルのロビーみたいな所に出る。


月島先生はスラーっとしてポニーテールをしてきちっりしたスーツを着こなしている。

大人の女性だ。赤いフレームのメガネを掛けて、如何にも余計なことを、しなさそうな人に見える。


「ここが校長室よ。さあ、入って!」


大広間の奥に校長室と書かれたプレートが掛かっている。間違いなく校長室のようだ。


「失礼します。」


4人同時に、はもってしまう。

校長室の中は奥に大きなモニターがあり、

どの教室も映るようにしてあった。


「樹、莉土りとよく来たね。」


校長の第一声はそれだった。よく知っているような口調、もしくは、知り合いなのかも知れない。


「ばあちゃん」 「お婆様」

樹と莉土りとは同時に、はもってしまう

どうやら、はちす兄妹の祖母のようだ

「だれが、ばあちゃんだい!校長先生と呼びな。」

少しドスの効いた声で校長先生が喋る。

「まあ、冗談はさておきハテナシ専門学校へようこそ若者たちよ!」


「ここは学園であり、ホテルでもある!君たちが入って来た入り口は正面は学園で一周回って裏に行くとハテナシホテルの正面になる。」


「我が学園は育てた生徒はホテルの従業員になってもらっている。」


「それからウチの学園は全寮制だから気おつけるように」


「明日は朝から薬草の事業があります送れないように」


「あ、それと生徒手帳を手に取って今すぐ開きなさい!2ページ目、MP《魔女ポイント》が明日から付きます。」


「MP《魔女ポイント》とは事業や、学園の

利益になる事をすると貯まります。」


「MP《魔女ポイント》の使い方は校内にコンビニや食堂、雑貨で使用出来ます。事業を受けると最低限のポイント食堂で食べれる

ポイントを受け取ることが出来ます」


「以上ですが何か、わからない所はないですか?」


校長先生が1人で長々喋っていた。すると

陽月が手を挙げて質問する。


「校長先生ウチのばあちゃんがコレを見せろ!と言ってたのですが?」


「あらまあ!それは魔力制御リングどうして貴女がこれを?」

校長先生は懐かしそうに陽月のリングを手に取り懐かしんでいた。


「コレは私のおばあちゃんから借りてきたんです!コレを校長先生に見せなさいって」


「まあ!そうなの、このリングの特性はね、

暴走する魔力を制御し尚且つ魔力の蓄積させる事と他人に魔力を譲渡することができるの

あぁ懐かしいわ」


校長先生は懐かしそうに陽月に昔の友人を重ねながら話す。

「このリングの持ち主はご健在ですか?陽月さん」

間を置いて校長先生は陽月に優しく話す

「はい、とても元気です」

「そう!なら良かったわ」

校長先生の話は終わり教室に戻ろうとしたら

校長先生が呼び止める。

楓月そうげつと莉土は残りなさい話があります。」


楓月そうげつあちらの状況はどうでしたか?」

校長先生はあちらの事を楓月そうげつに意味ありげな感じに聞く

「はい!あちらは、いまだに戦争状況ですが収穫はありました僕は2体の妖精を収穫できました。1体は風、2体目は水」

そう言うと楓月そうげつは生徒手帳を開き妖精を召喚する。

楓月そうげつなんか用事?」 「お腹空いた」

お腹空いたと喋る水の妖精、凛と喋る風の妖精

「あらまあ!楓月そうげつ、貴方に任せて正解だったわね流石クララの孫ね。」

校長先生は満面の笑みを浮かべる

「うわぁ〜初めて妖精見た。」


莉土りとは興味津々で妖精を眺める。

爽月は生徒手帳に話しかけて、もう1体の妖精を召喚する。


「何もしないから出てきてくれないか?」

「ホントに何もしない?」

「ああ、約束する」

「わかった!」


楓月そうげつは妖精との会話を終えて妖精の召喚わする。


「なんだい!この妖精は?」

真っ白な雪をイメージさせる色の妖精を召喚した。

「この妖精は無色の妖精と呼ばれている、

よほどショックがあったのかわからないですが妖精の力をほぼ使えない妖精です。」


楓月そうげつはあちらを調査する際にたまたま見つけた妖精で普通は色とりどりの妖精がいるが、

この妖精は隠れるように何かに怯えるように

森の端で震えていたのを保護してきたとの事


「そうかい!なら莉土りとあんたが世話しな。似た者同士だからすぐに打ち解けるだろう。」


校長先生はそういうと爽月と一緒にいた妖精に手を差し伸べて手のひらに妖精を乗せて、

莉土 りとに渡す。

「私にお世話できるかな?お婆様?」

心配になり莉土りとは校長先生に聞き直す。


「なあに、大丈夫!私の自慢の孫がこれしき出来ずどうする。魔力がなくても頑張ると言った先からもう終わりかい?」


優しく莉土りとの頬に手を当てて話す校長先生


「お婆様、私!頑張る。」

莉土りとは元気に校長先生に返事をした。


楓月そうげつご苦労さま。お前は皆んなを導きなさいMP《魔女ポイント》を多め入れて置いた

これくらいしかできなくて、すまないねぇ」

いえ大丈夫です、校長先生には助けてもらいましたから。そのくらいのことは」


楓月そうげつは小さい頃に精霊に攫われてクロエ校長

に助けてもらった恩がある。


「では!2人とも頑張りな。」


校長先生は2人を見送って、校長室にある椅子に座る。

楓月そうげつ莉土りとは2人で教室に向かう途中に莉土から話しかけてきた。


「ねぇMP《魔女ポイント》は何に使うの?」と莉土りとはニマニマして聞いてくる。


「いや、普通に食い物くらいしか使わないだろう?」


「いやいや!あんた、MP《魔女ポイント》はコンビニや本屋

雑貨とか使えるのよ!勿体ないじゃない。」


「そう言う、お前も無色の妖精を自分の色に(属性)ちゃんと染めてやれよ」


「ふふふ、何それ。わたしはちゃんとやるわよ」


「そういえば?お婆様と、どう言う関係。」


「言いたくない!話す必要は無い!」

楓月そうげつは小さい頃を思い出したのか、カッとなって激昂する。


「ごめんなさい。それはそうと教室に着いたわよ」


教室ではおおとり先生が明日の日程を説明している最中だった。


「えー2人が戻って来たので明日の日程を説明する。明日は早朝からお昼まで薬草を取りに山に登ります。遅れないように。」


「山に登る際にあたって準備があるのでなるべく早く、学校に来るように朝ごはんは各寮で何時でも食べれるようになってます。寮の中にコンビニもあるのでそこを利用できます。今回はMP《魔女ポイント》500ポイントを配布します。これは1週間分普通に暮らせるポイントになります。コンビニや食堂で使うようにでは各自解散!」


ポイントは100ポイント千円、かなり大目に

配布された実は1週間分のポイントを支給された。


教室は急に賑やかになり女子は女子同士で、

男子は男子で集まり今後どうするかを話し合っている。


「陽月、今からどうするの?女子寮に行く、それとも校内を探索する。私は服を見に行きたいけど。」


陽月はぼーっしていて莉土に急に話しかけられてビクッとなる。


「ふぇっ?!なに、なに莉土ちゃん考えごと

してたから、聞いてなかった。ごめんね。」


校内は色んな店があって買い物が出来る。

もちろん個人的に作った服やアクセサリーなど様々、MPを集めるのは授業だけじゃなく


個人で商品を販売する事も出来る。

もちろん先生の許可を得て販売が必要だ。


個人で服を売っているので、かなり安く手に入れることができるので学生には大人気


「もう!陽月は何も聞いてなかったの?時間ないんだから早く行こ。」


校内を2人で探索しようとしたが、楓月そうげつが呼び止める


「陽月、母さんと婆ちゃんに電話だけはしておけよ、心配するから」


「うん、ありがとう兄さん。」


楓月そうげつが母さんと婆ちゃんの心配する兄に嬉しい気持ちになって笑顔を向ける。


「ほら、陽月早く、早くゆっくりしてたらすぐに明日になるんだからね。」


待ちきれない、子犬がリードを引っ張るように莉土りとは陽月の手を引いて行ことする。


「わかったから、莉土りとちゃんそんなに引っ張らないで、ゆっくりいこう」


■■■


翌朝、早朝5時 ・・・

寮内では食堂も空いており学生が集まっていた。

食事は校外で栽培されている野菜や果物、サラダがバイキング方式でMP《魔女ポイント》300で購入できる

なぜこんなに安いのかは言うまでもなく、

全て現地で取れるからだ。


「あぁ〜調子に乗って服、買いすぎた。もう、安いのがいけないのよ!そうよ、そうだわ」

MP《魔女ポイント》が残りわずかになった莉土は自分に言い聞かせるように陽月に話す


「莉土ちゃん、どのくらい残ってるのMP?自宅から送ってもらう、こともできたのに」


心配になった陽月はMP《魔女ポイント》がどのくらい残っているか訪ねる。


「MP《魔女ポイント》2000くらいかな、まだ火曜日だから持つでしよ?それと自宅は親が忙しいから無理なのっ。」


「たしか。まだMP《魔女ポイント》3000くらい残しておいたはずなんだけどなぁ」


そういえば、妖精を生徒手帳に入っていて

その影響を急に莉土りとは思い出した。



確か、生徒手帳の中に入っている間はMP《魔女ポイント》を消費するから、注意するよう言われたんだったけど、1000ポイントも消費する普通?)


「ねぇ陽月、妖精って何食べるか知ってる?

知ってるなら教えて欲しいんだけど!」


ポテトサラダを皿に盛り付けしてるときに、莉土りとは陽月に話しかけた。


「ん〜?確か朝露の雫と蜂蜜を入れた飲み物が好みらしよ〜婆ちゃんがよく話してたよ」


ポテトサラダを盛り付けた皿をテーブルの上に置き2人仲良く食事を終えた


(ご飯は食べたし、蜂蜜だけ買っておくか)

莉土りとは食後にコンビニに行って蜂蜜を購入しておいた。

■■■

その頃、男子寮では楓月そうげつは事前に校長先生な許可をもらって調理室を借りて料理をしていた。

まだ1年は妖精を持ってないため、妖精に料理を作っていた。

(ここなら、妖精の食べる材料がある、蜂蜜と朝露の雫の代用で少量のレモンと純水)


甘すぎず、すっぱすぎず程よい調合が必要だ

「良し、できた蜂蜜レモン」


生徒手帳をかざして、出来栄えを確認する

採点は80%レシピを登録しますかと伝えてくる

「良しレシピ登録だ。これでMPを消費しないで済むはず」


生徒手帳から妖精が出てきてお腹を鳴らす


「まだ〜楓月そうげつお腹空いた。」

同時に2妖精が喋る

マグカップに作った蜂蜜レモンを入れてあげる

お腹いっぱいになった妖精は生徒手帳の中に帰って行く。


莉土りとのやつちゃんと世話してるなら良いけどな?」


楓月そうげつは事前に莉土りとに説明をしておいたのだが、上の空で聞いていたので少し不安を覚えた。

樹はコンビニに行っておにぎりとサンドイッチとお茶を買って済ませて、ついでに蜂蜜を購入して寮をあとにする。


■■■


教室にそれぞれ集まるとおおとり先生があるものを配り始める。


「えー山に登る際にロッドにリュック手袋、マジックキーがマジックキーとは全員いるか確認の為の鍵です。手袋は薬草自分の汗をつけない為、必ず付けてください。」


鍵をかける棚がありマジックキーが掛けてあり8名分マジックキーが用意されている。

腰袋に入れてある鍵をおおとり先生が8名分配り終わる。

「山には採取できる場所にロープが張ってあるそこにマジックキーをかけて自分の場合はここだと提示される、まあ安否確認を知らせるものだと思ってくれ、それと登山用の靴はみんなの分も用意してあるのでは着替えるように。」


おおとり先生は生徒に渡した物を再確認させると、

学生を連れて学園を出る。


ハテナシ専門学校を出ると山の中腹にあり、更に登ることができ、いろんな薬草が生い茂っている。

代表的なヨモギやドクダミ草他に上げるとキリがない。


山に登る際にロープが張ってあって、それを目印に登ることになっている。


しばらく登って行くと、途中にコテージがあり、そこで生徒手帳でドアをタッチするだけで開く用にできている。


ドアをタッチすると個人情報を読み取り扉が開くシステムが導入されており、山自体を

ハテナシ専門学校が仕切っている。


つまり校長先生が地主になる、校長先生が認めた人しか山に入ることができず、他の人が入りたい、場合は許可証を購入して入る事になる。


更に登ること1時間、山の管理局に出る

ここでは、採取した薬草を提出してMPを稼ぐことができる、乱獲を防ぐために鈴が1人1人に取りすぎたら、鳴る鈴を渡される。


生の植物も蒸して蒸気で濾過すれば、植物のエキス、精油となる。


また、植物を乾燥させ砕き磨り潰すと漢方になる。


ゆうなれば、ここの山自体が宝の山。山菜取りで来られる方もいるが山の入り口近くに、

道の駅があるの一般の方は、そこに買いに行きほぼ登山する者は居ない。


そうこうする内に朝早く学校を出て採取していたら、お昼になった。


山で採れた薬草を提出して、一旦中腹に下山しコテージに泊まる。


山で採れた薬草は各自、自分で保管し明日の

授業で使うことになっている。


各コテージには1日分の食料が用意されていて、2人人組で組みコテージに泊まりことになっていて、樹と楓月そうげつ莉土りとと陽月。

男×男、女×女のペアで組みコテージに泊まる


「暑い、早くクーラー付けて陽月。」

莉土りとは手袋を外してソファーに寝そべる。

「うん、ちょっと待ってねリモコン、リモコン」

陽月はリモコンを探すが見つからない!

(まさか?天井を見上げクーラーも付いてない?)

莉土りとは周りを見渡すがクーラーはない事にすぐに気づいたが陽月は気づいてなかった。


莉土りとちゃん扇風機しかなかったよ〜これで我慢してね。」


「私先にお風呂入るから扇風機で涼んでて」

クーラーがないのにイライラして陽月に少し当たってしまう。


樹と楓月そうげつは鍛錬を重ねているせいか、暑いまま過ごす。

「樹くん暑くないか〜?」

楓月そうげつはあちらで鍛錬を積んでいるのでそれほどまでは暑さを感じてない、からかって見た

普通の人間ならば暑くて、扇風機やエアコンを探してしまう。

「暑くない!黙っていろ。」


チャラい楓月そうげつには負けたくないという思いが強く暑さを我慢してしまう。

水を飲んで暑さを誤魔化して過ごした。


(ふうん、なかなか見処はあるみたいだ。)

楓月そうげつは探した振りして、樹に負けたふりをする。

「あった!あった。扇風機もお暑くていかんから、つけるよ。」


各自コテージにはレトルト食品が用意されていて食べ終えたあと、おおとり先生がコテージを周り呼びに来る。


「みんな、集まったみたいだね!これから試験を受けてもらいます。」


そう言うとおおとり先生の隣には校長先生まで来ていた。


コテージを抜けた少し先に人高さを超える、

樹々が迷路のようになっている場所があり

ゴールがなかなか難しそうな感じの迷路がある。


「この迷路の先にサプライズのプレゼントが全員に用意してあります。必ずみなさん、参加するように」

生徒たちは、みんな大いに盛り上がった


「こんな場所がある、なんてビックリだね。莉土りとちゃん」


ほう、と呆けている陽月さっきの扇風機の件は気にしてないみたいだ。


「さっさと行って帰ろう陽月、なんだか胸騒ぎがする。変なことが起きなきゃ良いけど」


樹々で作られた迷路は手招きをしているようだ。


「では、校長先生から一言お願いします。」

鳳先生は周囲の生徒を諌める為の鶴の一言が欲しかった。


「出口で楽しみにして待ってるわ。」


校長先生は不適な笑みを浮かべ生徒を送り出す。


夜も更けてランタンを生徒全員に持たせて、迷路の中に1人2組男女ペアで行かせる。

「あーあもう何で楓月そうげつとペアな訳、私は陽月が良かったなぁ」


莉土りと楓月そうげつに文句を言う、完全に嫌ってはないようだけど、少し行動が胡散臭いのが莉土の目に付く。


「そんなに嫌わなくても、いいじゃない落ち込むなぁそんなこと言われると。」


楓月そうげつは心にもないような事を言う


楓月そうげつ、私はねそんな嘘は聞きたくない。

この迷路何か変な感じするだけど」


森は真っ暗な上ランタンの灯りだけで、少し頼りなさげだ。


「いいから、行くよ校長先生もサプライズがあるって言ってたし、ただ暗いだけだと思うよ」


莉土りとの言う変な感じとは、一点だけ集中している場所がありそこを感じ取った。魔力を持たない彼女が?)


莉土りとの手を握って迷路の中に入って行く。


「ちょっ!何で手を握るのよ。」


「じゃあ、ここではぐれても良いのかなぁ?」


「なら服の裾を持たせてもらうわ」


内心、莉土りとは不安で仕方なかった。


迷路の中は暗くて所々行き止まり、これは何か意味があるのかと疑ってしまう。


「さて、ここでいいだろう」


楓月そうげつは生徒手帳を取り出して妖精を召喚する

「主人の元へ導いてくれ2妖精たち。莉土も妖精を召喚してくれ」


「わかったわ、出てきて妖精!」


生徒手帳は真っ暗な暗闇を少し照らし始める

まるで蛍が飛んでいるように美しい光だ。


「何かよう?あぁ、ここに来たんだ!母さまに会える」

風の妖精が嬉しいそうに喋る

「懐かしわね、母さまに会える何て」

水の妖精が懐かしそうにつぶやく


「母さま、ごめんなさい何もできない妖精で」

無色の妖精が今にも泣きだしそうに喋る


それぞれの母さまがいるのだろか?

莉土は不思議に想う。


楓月そうげつ?どう言うことなの。」


「ここは、妖精女王がいる場所で妖精の母で

属性に関係はないんだ。」


楓月そうげつの話によると属性は個性であり、能力を使いすぎると属性がなくなってしまうらしい

もう一度最初から学びなおすしかない。


妖精たちについて行くと大きな大樹がありそこに妖精女王が待っていた。


「良く、来ましたね。待ってましたよ」


女王は意外にも小さく他の妖精より少し大きいぐらいだ。


灰色をした妖精で女王らしく小さい王冠を頭に着けている。


「お久しぶりです、女王様」


軽く挨拶をする楓月そうげつ、以前から付き合いがあって妖精を3人預り3カ月ぶりに会うらしい


「初めまして、女王陛下。私は蓮莉土はちすりとと申します。」


「初めまして、貴女はクロエ校長の孫ですね

成る程。貴女は第7感が閉じてますね」


第7感とは魔力を感知し魔力を発動させる血脈のことである。


「第7感を鍛えるには、これを差し上げましょう」


妖精の指輪を女王が指輪を宙に浮かせ莉土の元へ届ける。


「これは妖精と会話ができる指輪です。毎日使えば第7感も使えるようになるでしょう」


楓月そうげつ、あちらの状況はどうですか?こちらは邪妖精が増えて来て対処が追いつかない状態です。」


邪妖精とは妖精にストレスが溜まり過ぎて

暴走状態のことを言うらしい


あちらとは、ここではない世界のこと。

つまり異世界のようだった


「あちらは、治療術を使えるものが居なくて

荒んでいる、だから俺らを育て送りだす予定なんだろうよ校長先生は」


そう、異世界で治療術を使えるものはおらず

ゲームのように僧侶のような存在はしない

神に祈りを捧げて傷を癒すなど夢物語なのだ


しかし、クロエ校長が言うには昔はいたが

禁忌行為として誰もが使わなくなっていったそうだ。


樹と陽月の順番が廻ってきた、どちらも妖精がいないので迷路の攻略は困難だと思われた


「実はこれの蜂蜜と朝露の雫を朝イチに作っておいたんだよねこれを花に塗って待ちます」


陽月は花に妖精の好物を塗り始めて草むらに隠れる。


「お、おい幾らなんでも蜂や蝶なんかと違うから塗っても妖精は来ないと思うぞ?」


そう言いながら樹も一緒なって隠れる

すると、花からとても良い匂いが風に乗って充満する。


妖精女王の後ろにある大樹が淡く光り、

黒く光る妖精と白く輝く妖精が花によって来た。


「う〜ん、よく寝た寝すぎてお腹すいた。」

黒く光る妖精はそう言うと花から蜜を吸う


「あんたね、私が狙ってた花取らないでよ!」と怒りながら白く輝く妖精が近づく


陽月はリュックの中から妖精が使うマグカップを2つ用意して蜂蜜と朝露の雫をマグカップの中に入れる。


「妖精さんまだあるからケンカしないでね」

陽月は話しかける。

樹は頭を抱えていた

(アイツはまた勝手なことを)

普通なら驚いて逃げ出す妖精がその場で陽月の話を聞いていた!

極上の味がする。あの蜜が原因のようだ。


どうやら陽月が作るとかなり美味しくなる様だ。


「やはり、現れたか!闇の妖精と光の妖精」


真っ白なローブをきた人物が後ろからやって来た。


真っ白なローブを着た人物の顔を見るとクロエ校長先生にそっくりな人物だった。


「陽月、ここを離れようこの人は危険だ。」

樹は音も無く現れたクロエ校長先生にそっくりな人物を危険視し始めた。


「そんなに、怖がらなくても良いぞ。可愛い孫よワシの名はシロエじゃ」


「樹くんの親戚の方?」

陽月は樹に話しかけるが樹は知らないようだ。


「あらまあ、樹はワシのことを覚えてないのか寂しいのう」


シロエは白々しく呟く、周りはざわざわと

騒がしくなる。


「そろそろ奴のお出ましかのう?封印の獣」


シロエは嬉しそうに笑う、それを見た陽月と樹は背筋が冷や汗をかく。


余りの恐ろしさに2人は動けなくなる。


「なんなんだ、アンタそれに封印の獣ってなんだよ?」


樹は恐ろしいのを我慢して尋ねる。


「シロエ、そこまでにしておけ」

クロエ校長が突然目の前に現れ樹と陽月を

守る

「ふひひひ、クロエ来たか!孫と話して何が悪い?」


「黙れ!全知全能の書、ワシの記憶を奪って作った偽物め」


クロエ校長先生の話によるとシロエは輪廻転生の書を作る際出来た産物で、

前の全知全能の書を見つけ出し封印から解いたら記憶ごと奪って本自体が人として形成されたの事だった。


「コヤツは記憶を奪いあまつさえ宗教団体を立ち上げおった。幸いにも邪妖精や邪精霊を

鎮める手伝いをしてくれたが、前の全知全能の書の記憶がヒーラーで術で回復させるが

使い過ぎると、人が正気を失い痛みを感じない身体になる。神経麻痺を起こす厄介な奴じゃ使い続けると脳にまで達して最終的には死に至る術者も受ける側もゆえに封印された危険人物じゃ」


「長い説明ご苦労さんクロエお前さんの生徒4名を貰い受けに来た。信者の数が少なくてのう」


シロエはニタリと笑う。


「ワシもお主たちが憎くて言うとる訳でわない、ワシは必要悪を演じておるにすぎん」


シロエは胡散臭い笑みを浮かべて喋り出す

実際シロエは邪妖精を鎮め手伝いをしてくれる。


「信じられか!なぜ生徒を連れて行く?」

樹は警戒しながらシロエに聞き出す。


「全く、信者が少ないから連れて行くと言うとるだろうが。これはクロエとの交渉の結果じゃ」


生徒を連れて行く代わりに邪妖精を鎮める手伝いをしてくる契約らしい。


「クロエ校長先生、本当にそういう契約なのですか?」


陽月もシロエが怪しく思っている。


「ああ、そうじゃ生徒4名連れて行く代わりに邪妖精を鎮める契約を結んでいる。」


クロエ校長は苦虫を噛み潰したように喋る

よほどシロエには手伝ってもらいたくないのだろう。


しかし、シロエの腕は確かだ教師を連れて行くよりもかなりの戦力になる。


「それと、今日封印の獣が目覚めた奴はワシの手には負えない。莉土にでも世話をさせておけクロエ。」


封印の獣は魔力を吸い大きく進化していく存在、莉土りとには魔力がほぼない


邪妖精の魔力を吸い浄化するが封印の獣はその反動で大きく進化していく。


それを防止するには魔力を持たない人間が

封印の獣の魔力を消化してあげれば問題ないようだ。


「フン!さっさと生徒4名を連れて行くが良いシロエよ」


「クロエ、ワシはなお前さんにはとても感謝しておるじゃがのう。本の中で退屈しておったワシを野放しにしてくれておるからのう」


どうやら、シロエは本心で話ているようだった。


しかし、シロエの行動自体はとても胡散臭い

誰が見ても良い印象は持たない。


純粋な悪意とでも言うのか、人に嫌われる行動を取るのが好きらしく不気味なイメージしか持たない。


孫を思いやる気持ちはあるみたいだが、他人はどうなっても良いと言う考えがあるようだ


それが許せないクロエ校長はいつもシロエと会うとイライラしているようだ。


シロエは生徒4名を連れてその場を後にする


「ばあちゃん、本当に助かったよ!あのシロエと言う胡散臭いやつ。追い払ってくれてありがとう」


内心あの狂気には耐えれなかった樹はクロエ校長にお礼を言う。


クロエ校長を連れて闇の妖精と光の妖精に案内されて、妖精女王に出会う。


「待ってました、陽月と樹。あなた方に会うのを楽しみにしていました。」


「女王様、お久しぶりです」


どうやらクロエ校長も妖精女王の知り合い見たいだ。


楓月そうげつ莉土りともまだ女王と話しをしている最中のようだ。


「この2人は話は終わりました。後はその2人

早く済ませましょう」


周りが騒がしくなって来た、そう封印の獣が

解放されたとシロエが言っていたその影響のようだ。


グルルと獣の鳴き声が聞こえる近くに封印の獣がいる。


「みんな、戦闘体制を取りなさい!もしくはワシの後ろに」


魔力を吸収する獣らしく迂闊に手を出せない


「私に任せてください。お婆様、魔力がない私には手を出さないはずです!」


せっかくの提案だが、かなり危険だ。

「ダメじゃその提案は却下じゃ!孫を囮にするものが何処にいる!」


クロエ校長先生の話も、もっともだ。

ゾクリと刺す空気に周りが騒めきだす


「妖精女王さま封印の獣に話をする物はありませんか?」


莉土りとは突拍子のない事を言いだす。


「まぁこれは1つの賭けですね。妖精の腕輪を使いなさい!」


妖精女王は腕輪を莉土に渡すと莉土はマジックキーに腕輪を通した。


マジックキーはここに自分がいると言う証明するアイテムだがどこまでも伸びる魔法の糸が出る伸縮自在の便利アイテムだ。


「もしかすると、お腹空いてるだけかも知らない。これなら蜂蜜と朝露の雫でなんとかなるかも」

陽月の提案が上がる、樹は目の当たりにしている陽月の作る物はどんな者達も抵抗出来なくなる。


樹々の間から熊と思える程の大きな犬が、

怒り顔で覗かせる。


みんな偶然にも蜂蜜と朝露の雫を持っていて

陽月が集め調合する。


時間を稼ぐためにクロエ校長は魔導書を取り出し封印の獣に魔力吸収を放つ


「ワシもそこまでは持たん陽月頼んだぞ」


すると隣で莉土りとが先ほど作った妖精の腕輪を

封印の獣に投げる、すると腕輪は大きくなり

封印の獣の首にカチャリとはまる。


「きさま!この俺に首輪だと」

封印の獣は莉土に話かける。

「ちょっと待ってアンタお腹空いてんでしょう?今から良いものあげるから大人しくしなさい!」


「ほう、余程の自信があるのだな!もし俺が満足出来なければ、きさまを食らってやるからな」


そう言うと封印の獣は腹を余程空かせていたのか腹がぐーっとなる。伏せ状態で待つ封印の獣。

「ぐるぐるっと出来上がり!」

陽月のリュックには木製のスプーンが入れてあり、石を積んで釜戸を作りその上にコテージにあった壺をその上に乗せ材料を温める。


ただそれだけの事だけだが、もの凄く美味しそうな香りが充満する。


出来あがった蜜は空気上にキラキラと輝いて

舞い散る。


周辺一帯に殺気だっていた邪妖精は静かになり心なしか封印の獣も穏やかな顔になる。


陽月は鍋つかみ手袋を使い封印の獣に壺を

手元に置く

「はい!ど〜ぞ少し熱いけど、気おつけてね。」


陽月は子供をあやす、ように封印の獣に話かける。


「天然娘、なぜ俺が腹が空いてると思った?」


封印の獣は壺の中に鼻を突っ込み蜜を舐め取る。見ているとかなり落ち着いたようだ。


莉土りと、封印の獣と契約しな!今なら大丈夫じゃ。」


「契約だと!この俺と魔力を吸い続けるぞこの俺きさま莉土りとやらには魔力をほとんど感じないが」


「そうよ、私は生まれつきで魔力を感じ取る事が出来ない。だから私は武術の気を会得した」

そう、第七感がなくても。第六感に存在する気功を海外渡って莉土りとは会得していた。


大地からの龍脈を感じ取り放つことが莉土には出来る。


まずは、相手を弱らせ服従させなければ

封印の獣は契約などしてくれない。


「さぁかかって来なさい!」


莉土は発勁の型をゆっくり構える


「そんな!莉土りとちゃん封印の獣さんケンカはダメだよ。」


「陽月何甘いこと言ってるの、これは安全のためなの、コイツを伸ばしにできないでしょう」


「同感ワシらも賛成じゃ!」


クロエ校長が追い打ちと言わんばかりに陽月に喰ってかかる。


「アンタが勝ったらなんでもしてあげる、けどね私に勝ったら契約しなさい!それでいいわよね」


「良いだろう、俺が勝ったら好きにさせてもらう。」


じりじりと間合いを取り莉土りとは発勁の型を崩さない。


封印の獣は闇雲に突進してくる、莉土りとは真っ直ぐに突進してくる封印の獣をギリギリのところでかわす。


(なるほどね!おそらくアイツは突進くらいしか出来ないなら、かわしながら横から掌底を喰らわせてあげる)


封印の獣は力任せに突進して来る。


「見切った!」


真っ直ぐに突進して来る封印の獣を左に避け

マジックキーを木と木の間に巻き付け脚を引っ掛ける。


マジックキーは1度ロックしてしまうとピンと真っ直ぐに光の糸が伸びる性質がある。

頭に血がのぼっている封印の獣は光の糸に気づかず莉土りとめがけて突進してくる。


木の間に絡ませて莉土りとは木の間を潜り封印の獣を誘導する気づかないのか封印の獣は木の間に引っ掛かりすかさず莉土りとは封印の獣の頭に掌底を撃ち込む


「覚悟しなさい破!」


封印の獣の頭に掌底がヒットし振り子人形みたいに揺れる、封印の獣はぐったりと身体から力が抜けて座り込む勝負は莉土りとの勝ちで終わった。


「やれやれ、手の込んだことを封印の獣は手加減をしておったようじゃな。途中で面倒だと思ったのじゃろうな」


そう言うとクロエ校長は封印の獣から魔力を封じる宝珠ビー玉ほどの大きさの石を妖精の首輪にはめ込む。


すると封印の獣はみるみるうちに小さくなり

子犬ほどの大きさになる。


「まったく無理をするやつじゃな。ほれ契約の陣じゃ」


地面には契約の魔法陣を書いてあり、やり方は額に相手の血液、自分にも同じように額に血液をおでこを合わせ終わり。

第三者が祝詞を唱えて見届けて契約完了する


「では!封印の獣に名を与えよ莉土りとよ。」


封印の獣のみためは、豆柴の様な可愛らしい姿で真っ白な色をしている。


「白く光る犬、見たいだからあんたはリヒト!光という意味よ破壊しかしないアンタには屈辱的な名前だね」


莉土にしては、なかなか良い名前を付けたようだ。


「うむ!では莉土よおでこをリヒトと合わせ来るのじゃ。」


針で人差し指にチクリと刺して一滴の血液をリヒトの額に塗る、リヒトの前足を針で刺し

血液を取り莉土の額に塗る。


「血の盟約により契約を行う、これでリヒトと契約成立じゃ!もし片方が契約を破ると互いに身体にダメージを受けるので気おつけるようにな」


クロエ校長先生は皆妖精の指輪を受け取ったことを確認すると妖精女王に軽く挨拶をして

皆を引率して帰路えと帰る


(クロエ頼みましたよ)

妖精女王はクロエの後ろ姿を見送り再び迷路の大樹に戻った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る