虚ろな熱帯魚
平 佳鈴
一、人生について考える
高校時代に、現代文の教師が言っていた。文学は、暖かい地域よりも寒い地域で発達しやすいと。温暖な気候でのびのびと暮らしているよりも、寒さにさらされた過酷な状況下で暮らしている方が、人生について考える機会の多い傾向があるということらしい。人生について考え始めると、そこに文学が生まれる。言われてみれば、感覚的には理解できる。これが現代日本においてどれほど通ずるのかはわからないが、実際私も今こうして、この雪国で、これまでの人生について、さまざまに思いを巡らせている。文学と呼べるほど高尚なものにはとても昇華できないが、これまでと、現在と、そしてこれからについて、もう少し深く、考えてみようと思ったのだ。
虚ろな熱帯魚 平 佳鈴 @TAIRA_Karin
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