第25話 カクヨムは最高の小説教室
カクヨムに登録してから、すでに一年半が過ぎました。それまで、ちゃんとした小説なんて書いたこともなく、小説教室に通ったことも、文芸サークルに所属したことも、通信教育を受けたこともありませんでした。
最初は、行頭下げとか、三点リーダーとか、カッコ内の句読点外しとかの基本的な書き方ルールも適当でしたし、文章そのものも酷いものでした。それが、なんと先日カクヨム夏物語で大賞を受賞しました。我ながら随分進歩したなと思います。それもこれも、カクヨムでいろいろ学べたおかげです。カクヨムは、まさに私にとって『小説教室』です。
そんなわけで、私が学んできた『カクヨム小説教室』のカリキュラムを紹介致します。現在行われていないものもありますが、参考になれば幸いです。
1.自主企画で学ぶ
(1)同題異話
https://kakuyomu.jp/user_events/1177354054888032695
企画主の出したお題に応じて、作品を書くという企画です。私が最初に参加したときのお題が『貧乏くじ男、東奔西走』。「こんなん、どうやって書くんだー」という感じでしたが、他の人の作品を読みながら無理やり書きました。
この無理やりというのが重要で、どうにかこうにか話を作るという訓練を続けていくと、次第に頭が鍛えられてきます。面白いかどうかは別にして、話自体はそれなりに作れるようになります。私は2回ほど参加しましたが、頭を鍛えられると同時に参加者同士で自然に読み合いが行われ、SNSとしての楽しさも学びました。
(2)描写生コンテスト
https://kakuyomu.jp/works/1177354054889342804
企画主の出した写真を、文章で描写するという企画です。同じ写真を見ても、書く人によって当然ながら違う描写となるので、自分の書いた文章と他の人の書いた文章を比べることによって、自分の描写力を客観的に見ることが出来ます。本コンテストに参加したことで、描写に対する意識が一気に高まりました。
(3)100文字小説
https://kakuyomu.jp/user_events/1177354054888168750
『100文字で小説を書きませんか』という自主企画を見た時、「100文字で書くなんて無理にきまってるだろう!」と思いましたが、参加している作品を見てフツフツと闘志が湧いてきました(笑)。
いかに文字を削るか、句読点の打ち方、漢字仮名の違い、類義語の選定等々、本企画により『文字に対する意識』が相当高まりました。100文字でこれだけ書けるなら1000文字ならどれだけ書けるか、4000文字あれば40倍の作品を書けているのか、一文字一文字の大切さを学びました。
2.カクヨム公式企画で学ぶ
(1)KAC3周年
運営が出したお題にそって、4000字以内のショートショートを書くとい
う同題異話に似た企画でした。お題が出されてから〆切まで48時間、トータルで10題と、必死の思いで書きました。最初は途中で挫折するだろうと思ってましたが、半分ほど過ぎた後、最後まで書いてやると意地になってやり遂げました。
この時、どうせ10題書くなら、一題ごとにジャンルを変えて全ジャンル制覇してやろうと思い、今まで書いたことのないラブストーリーや時代小説、異世界ファンタジー、さらにBLまでチャレンジしたことで、思考の幅が広がった(無理やり広げた)と思います。
また、他の人の作品も短期間に集中して大量に読むことで、とても勉強になると同時に交流する作家さんも増えました。
(2)KAC4周年
こちらも、運営が出したお題にそって4000字以内のショートショートを書くという企画でしたが、〆切まで36時間と短くなり、更に厳しくなるというスパルタ企画でした。カクヨム運営としては、〆切に追われるプロ作家として通用するかどうかを見極めるための裏目的があるのかもしれません(笑)。
(3)カクヨム甲子園、カクヨム夏物語等
他にも、カクヨム主催のコンテストには、なるべく参加するようにしています。こういった〆切のある企画のおかげで、サボり癖がついている私でも書き続けることが出来ています。
それぞれ企画の内容は違いますが、共通していることは『自分の他にも参加者がいる』ということです。同じ条件で書かれた自分と他者の作品を比べる、ということはとても重要だと思います。
学生であれば文芸部やサークル活動等で、仲間内で忌憚のない意見を述べ合うことができますが、社会人になるとそういう関係を築くのはなかなか難しいと思います。良かれと思って伝えたことがトラブルの元となったり、相手を良く知らないことで的外れな意見となることもあります。
そこで、他者の作品同士を比べることで、なぜこの作品は優れているのか、なぜこちらの作品はだめなのかを自分なりの物差しを作って判断する訓練をし、その上で『他者の作品と比べて自分の作品はどうなのか』と一歩引いて見ることで、自作の長所や欠点がわかるようになります。
才能があれば、適当に自分の書きたいものを書くだけで凄い作品が書けるのかもしれませんが、そうでなければ(現実問題、そんなに才能のある人はいないでしょう)、闇雲に書くのではなく、インプットするフェーズ(学ぶフェーズ)とアウトプットするフェーズ(書きたいものを書くフェーズ)を意識しながら書いたほうが、良い作品が書けるのではないでしょうか。
上記で紹介した企画のうち、今でも続いているのは(企画主は変わりましたが)『同題異話』ぐらいですが、同様の企画は時々ありますので、執筆の参考になればと思います。
また、新しい作品を書くときに『自分に課題を課す』というのも重要だと思います。短編しか書いたことがないなら長編を書く、書いたことのないジャンルを書く、調査が必要な題材を選ぶ、等々の課題を課すと、作品の出来不出来に関わらず次の作品を書くときの糧になると思います。
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