第15話 あなたはガンダム派? それとも、プリキュア派?

 NHKに『歴史秘話ヒストリア』という番組がある。歴史上の人物や出来事の裏側にある知られざる秘話を、女性アナウンサーが和服姿で紹介する、いわゆる『歴史うんちくモノ』である。


 その『歴史秘話ヒストリア』が、どういうわけか、架空の歴史に手を出し始めた。


 去年のGWには『ガンダムヒストリア』で歴代のガンダム作品を、今年のGWには『マクロスヒストリア』で歴代のマクロス作品を、そして、今年の夏は、なんと『プリキュアヒストリア』で歴代のプリキュア作品を取り上げた。


 歴代の作品を、コアなファンから、今までみたことのない人も楽しめるように、各作品数十秒でコンパクトにわかりやすく編集して紹介する手腕は、さすがNHK、高い受信料をとっているだけのことはある。


 プリキュアは、実はあまりよく知らなかったが、もともとドラゴンボールを作っていたスタッフが『女の子だってあばれたい』をキャッチフレーズに、立ち上げたとのこと。基本、武器を使わずに素手で戦うのだが、のちの作品になると、ここらへんは、だんだんあやしくなる。


 また、各作品ごとにテーマが少しずつ違っていて、敵の幹部がプリキュアになる作品や、敵をやっつけるだけでなく改心させる作品、プリキュアたちが互いに足りない部分を補い合って関係を深めるなど、子どもだけでなく大人も魅了するアニメだということは、よくわかった。


 そして、プリキュアシリーズの最大の特徴を、『プリキュアは戦いに迷わない。みんなの笑顔を守るために戦っている。そこが、ガンダム作品の主人公達と大きく違っている』と解説した。


 なるほど! いわれてみればそうだ。ガンダムの主人公たちは、いつもうじうじしている。自分が男だからだとか、自分が一番ガンダムをうまく操れるからだとか、いちいち戦う理由を見つけては、また、すぐに挫折するの繰り返しだ。


 それに引き換え、プリキュアは『みんなの笑顔を見たいから』というシンプルな目的のために、迷いなく戦っている。


 この全く世界観が違うアニメシリーズが、どちらも、途絶えることなく続編が作成され続けるというのは、迷いながら戦うのも、みんなの笑顔を守るために戦うのも、どちらも正しいからなのだろう。


 そして、作家にも、ガンダム派とプリキュア派がいるようだ。


 いったい、自分は何を書いているのだろう? 自分の作品はこれでいいのか? 自分に才能はあるのか? ひたすら悩みながら書くガンダム派。


 読者の笑顔をみたいから、♡と★、応援メッセージを力に、執筆を楽しむプリキュア派。


 基本、男性はガンダム派が多く、女性はプリキュア派が多い気もするが、女性にもガンダム派もいれば、男性でもプリキュア派がいるだろう。ガンダム派とプリキュア派を、いったりきたりする移り気な人もいるだろう。


 どちらも、頑張って、長く続けてください。


 ガンダムとプリキュアのように。


[豆知識]

 プリキュアの戦闘シーンでは、顔は傷つけない、絶対にスカートの中が見えないようになっている、とのこと。

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