第14話 感性と夜空の星と

 感性は、人によって違う。夜空の星に例えよう。


 それぞれの感性を一つ一つ星に置き換え、感性の近い星を、近くに配置しよう。すると、星座が形作られる。

 感性の星座に含まれる星は、同じような感性を持っている。星座が違えば、感性も違う。天球の正反対に位置する星は、感性も全く異なっているだろう。


 星の明るさの違いは、才能の違いかもしれない。一等星のように、ひときわ明るく輝く星は、優れた作品を生み出すのだろう。


 時には、今まで暗く目立たなかった星が、突然、夜空を明るく照らし出すかもしれない。それは、あたかも超新星爆発のように、未知の才能が花開いた瞬間なのだろう。


 星の色の変化は、年月の変化だ。生まれたばかりの星は青く輝き、歳をとった星は赤く光る。若い作家の書いた瑞々しさも、ベテランの書くいぶし銀も、夜空に彩りを与える。


 彗星のように宇宙をさまよう星は、いろいろなジャンルに手を出す、冒険心旺盛なやんちゃ坊主だ。他の星にぶつからないよう、気をつけ給え。


 夜空に消える流れ星は、悲しいが作家の終焉だ。最後に、ひときわ明るく輝いて、誰かの願いを叶えられば、幸いだ。


 夜空が美しいのは、たくさんの星があるからだ。だから、自分の感性を大切にしよう。

 暗く輝く、六等星でも、星座には欠かせない星なのだから。

 たとえ、目に見えない星だとしても、天を流れる川となり、夜空を見上げる人々の、心に癒やしを与えるのだから。

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