ジャングルエリア攻略_3

 次の広場で、再び戦闘の準備を整える。


「トキ、次はあっちです」

「わかったわ」

「こっちもハンターセルが混じってるな。気をつけろ」


 そしてトキが歌うと、また大量のセルリアンが押し寄せた。

オレは二丁拳銃で隊長とアリサの撃ち漏らしを捌きつつ、博士と助手が発見したハンターセルをライフルで仕留めていく。


「ふう、忙しいな!」

「頑張るです、キョウ」

「ファイトです」


 博士と助手にローテンションで応援されつつ、撃ちまくってこの広場も確保。


「もうセルリアンはいないぞ!」

「よし!進むぞ!」


 この流れを繰り返し、さらに3つの広場を突破した。


「これで半分といったところです」

「やっと半分?結構しんどいわね…」

「うー、疲れた…眠い…」

「少し休憩が欲しいわ…」

 

 チーターなど持久力があまりないフレンズに疲れが見え始めていた。


「ん?次のセルリアン、少ないな…」

「どのくらいです?」

「まあ、さっきの半分以下だな」

「確かですか?」

「ああ、間違いない」

「隊長、ここでチーター達に休憩を入れさせるです」

「わかった。キョウ、今回はお前も休め。集中力が切れてきているだろう」

「了解」


 先ほどの戦闘でピストルの射撃をかなり外していたのに気づいたのか。流石隊長だ。

ルイスに冷えたスポーツドリンクを貰い、バスのシートで横になる。


<<これも使えよ>>

「ああ、助かる」


 ルイスに渡されたのはアイマスクだ。

バスを出るルイスと入れ替わりで、チーター姉妹やライオン、カラカルもバスに戻ってきた。


「んー、おやすみ…」


 ライオンはシートにもふっと倒れ、伸びをするとすぐに眠ってしまった。

その横にカラカルも座り、リラックスした姿勢で体を休める。


「キョウ、大丈夫?顔色が悪いわよ?」

「少し疲れただけだ。大丈夫。サーバル達は?」

「あの子はまだ元気いっぱいよ。あの体力はどこからきてるのかしら…?アードウルフも意外とスタミナはあるみたいだし…ネコ科の子は基本は私くらいの体力なんだからね?サーバルやバリー達の体力が異常なのよ?」

「まあ、ネコ科の体力じゃないよな…」


 バリーやホワイトタイガーは日々の修行であの体力を手に入れたのだろう。サーバルはよくわからないが。

カラカルの話を聞きながら、ヘルメットを脱いでアイマスクを装着する。


「キョウよ、目が疲れたのか?ならばこれを使うがよい」


 バスの後方からスザクが近づいてきて、赤い羽根を手渡してきた。

燃えるように赤いスザクの飾り羽根だ。不思議なことに、ほんのりと熱を放っている。


「温かいじゃろ?それを目の上に乗せると目の疲れが取れると、あのフクロウ達に教わってな。『ほっとあいますく』と言うらしいぞ」

「それは助かるが…いいのか?大事な羽根では?」

「構わん構わん!抜いてもまた生えてくるしの!我も読書のしすぎで目が疲れたときにやっているのじゃ。こんなことを言うとまたクジャクに怒られそうだがの…」

「スザクがそう言うなら、遠慮なく使わせてもらおう」

 

 アイマスクの上に羽根を乗せると、じわじわ温まってきて確かに心地よい。


「神様の羽根でホットアイマスクなんて、もう贅沢って次元じゃない気がするわね、キョウ?」


 アイマスクで見えないが、ニヤニヤしているカラカルが目に浮かぶ。


「というか、サーベルタイガーの時みたいに一発で治せないの?」

「それはサンドスターを扱えぬ、ヒトにはできんのじゃ。お主らフレンズなら大抵のケガは治してやれるが、ヒトの体はかすり傷すら治せん。よってキョウ、この先も油断するでないぞ?」

「ああ、気をつけよう…」


 フレンズであれば救えるスザクだからこそ、オレ達隊員にもしものことがあれば深く悲しみ、悔しがるだろう。

そんな姿は見たくないな。


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