サバンナエリア_10

「こ、これは…!?」


 休憩所に着いて、さっそく『ご褒美』を受け取ったライオンは目を輝かせた。


<『ヒトもけものもダメにするビーズクッション』です!>

「ら、ライオンが一瞬でダメになっちゃったよ!?」

「なんというか…溶けてるわね」

<いくつかあるので皆さんもいかがですか?>

「セーバル、気になる…」

<遠慮せずにどうぞ!>

「ふにゃあ…」

「ああ、セーバルも溶けちゃった…」

「サーバル…これすごい…」

「じゃ、じゃあワタシも…うにゃあ…」

「サーバルちゃん…ものすごくだらしないお顔になってます」

「だってこれ本当にすごいんだよ…ぱらだいすだよ…アードウルフもおいでよぉ」

「わ、さ、サーバルちゃん、引っ張らっ…あふぅ…」

<カラカルさんもどうぞっ!>

「わ、私はやめとくわ!そんなに疲れてないしっ!」

(あんな顔みんなに見られたら、恥ずかしいじゃない!)

<むー、残念です>

「それよりお腹が空いてきちゃったわ…」

「私もだ。腹が減っては戦はできぬと言うからな。何か食べよう」

「いや、まだ戦うつもりかいッ!」

「じゃあ、僕が何か作りましょうか。ここには厨房もあるみたいですし」


 休憩所は元々はカフェとして作られていたので、ちょっとした厨房が備え付けられていた。


「リョウの料理…!?」

「あ、セーバルが復活したわね」

「材料があまりないので、簡単なものしか作れないですけど…少し待っていてください」



 待ち時間で銃のメンテナンスをすることにした。

これを怠り、いざという時に弾詰まりでも起こしたら目も当てられない。


「それ、不思議な武器だね」


 顔を上げると、サーベルタイガーが座り込んで銃を眺めていた。


「ああ、これは銃ってやつだ。この弾を使って、遠くから攻撃できるんだ」

「リョウさんやアリサさんが使ってるの見てたよ。みんな形が違うのね」

「リョウが使ってるのがカービンライフルって種類で、アリサのはサブマシンガンだな。オレのはバトルライフルって呼ばれてる」

「どう違うの?」

「それぞれ役割が違うというか…得意不得意があるな。オレのはかなり遠くのセルリアンに攻撃できるけど、群れを攻撃するのは苦手だ。逆にアリサのはあまり遠くには攻撃できないけど、小型セルリアンが群れで来た時には戦いやすいだろうな。リョウのはその中間って感じだ」

「そうなんだ。私のサーベルキバとは全然違うのね」

「もし良ければ、サーベルを見せてもらってもいいか?ちょっと興味あるんだ…」


 しかしよく見ると、サーベルタイガーの腰に下げられているはずのサーベルは見当たらなかった。


「って、置いてきちゃってるか。取りに行ってもらうのも悪いし、また今度でいいや」

「いいえ、すぐ出せるよ」


 サーベルタイガーは立ち上がり、正面に手を伸ばす。

するとサンドスターによる虹色の光が集まり、剣の形を作る。

サーベルタイガーがつかを握ると、光は虎柄の鞘に収まったサーベルとなった。


「すごいな…」

「使わないときはしまっておくんだ。出しっぱなしだと怖がられてしまうこともあるから…しまっているときは、強くイメージすると出てくるんだよ」

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