サバンナエリア_9

「や…やったぁー!!」


 サーバル達の歓声が上がる。


<<やったな、キョウ!お疲れさん!>>

「はぁ…何とかなったな」


 オレは地面にへたり込んだ。


<<キョウ!!近くにセルリアンの反応がある!!>>

「嘘だろ…」


 バスの死角から小型のセルリアンが現れ、飛びかかってきた。

ピストルで応戦しようと腰のホルスターに手を伸ばすが、到底間に合わない。

セルリアンの動きがスローに見える。

しかし自分の動きも鈍重で、どうにもならない。

どうにか左腕で顔を覆い、苦し紛れの防御姿勢を取るのが精一杯だった。

やられる…!?


「キョウ!!」

「へぶっ!」


 凄まじい速さで駆け寄ってきたセーバルがセルリアンを叩き伏せ、その勢いのままオレに突っ込んだ。


「いたた…キョウ、大丈夫?」

「あ、ああ。何とかな…助かったよ、セーバル」

「どういたしまして!」


 セーバルに手を引かれ、起き上がる。


<<キョウ、大丈夫か!?>>

「ああ、セーバルのおかげで助かったよ」

<<すまん、俺がちゃんとレーダーを見ていれば…>>

「いや、オレが油断していたんだ」

<<次はお互い気をつけようぜ。セーバル、キョウを助けてくれてありがとな!>>

「気にしないで。早くみんなのとこ、戻ろ?」

「ああ」



「セーバル!キョウ!怪我してない!?」

「ああ、大丈夫だよ。心配かけてごめんな」

「セーバル、よくあのセルリアンに気づいたわね…サーバルはともかく、私も全然気づかなかったわ」

「んー、なんとなく?なんか嫌な感じがしたの」

「なんでもいいけどさー、一旦休憩所に戻らない?動いたら疲れたよ」


 ライオンがごろごろし始めていた。


「もう日も落ちてくる頃だな…ミライさん、次のエリアへ向かうのは明日でも大丈夫そうか?」

<ジャングルエリアのフレンズさんに連絡を取ってみますね。少々お待ちください…>


<お待たせしました!あちらは大丈夫だそうです。夜間に進むのは危険なので、今日はここで休んだ方が良いかと>

「よし、では休憩所に戻り、今日は休むことにしよう」

「やったー」

<あ、そうだ、忘れてました!頑張ったライオンさん達にご褒美があるんですよ!>

「ご褒美?」

<休憩所に着いてからのお楽しみです!>

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