サバンナエリア_7

「Go!Go!Go!」


 隊長の合図で、フレンズ達がバスから飛び出していく。


「地上最速の走り、見せてあげましょう!」

「私も負けないわよ!」


「ウチらも気合い入れるで、クロヒョウ!」

「お姉ちゃん、無理せんといてな」


「よーし、ワタシ達も張り切っちゃうぞー!」


 チーター達がいち早く背後に回り、ヒョウ達とサーバル達が左右を囲む。


「射撃開始!」


 正面から隊長達が攻撃し、ミツクビクロガウを包囲した。


「前ばっかり見てちゃダメよ!」


「こっちにもいるでー」


「こっちも見て!」


「バリー達が動きを止めるまではオレも攻撃するぞ」


 後方のバスからオレの攻撃も加わる。


「グ…ガウ…」


 ミツクビクロガウは全方向から攻撃され、狙いを絞れずキョロキョロしていた。

攻撃は装甲に弾かれてあまり効いていないが、狙い通りではある。


「よし、行くぞ!」


 バリー達が茂みから飛び出し、足の関節を狙う。


「グオオオオオオオン!!!」

「何ッ!?」


 空気がビリビリと震える咆哮。

バリー達は一旦距離を取る。


「うぐぐ…なんやねん!」

<皆さん、気をつけて下さい!多数のセルリアンが接近しています!>


「仲間を呼んだのか!」

<<隊長やばいぞ!取り囲まれる!>>


 レーダー上ではセルリアンを表す点があらゆる方向から迫っていた。


「作戦変更だ!一度ミツクビクロガウから離れ、周囲のセルリアンを処理するぞ!」

「了解!」



「~♪~♪」


 チーター達の前では、黒いセルリアンが挑発するように飛び跳ねていた。


「こんなやつ、前にもいたわね」


 しゅばっ!と飛びかかるチーターを、セルリアンは難なくかわす。


「黒くなってパワーアップしているみたいね」

「でも、パワーアップしたのは私達も同じよ!」

「もう一度、置き去りにしてあげるわ!!」



「まったく、何匹おんねん!」

「はぁ、ちょっと疲れてきたなあ…」


 ヒョウ姉妹も迫りくるセルリアン達を次々と倒していたが、息が上がってきていた。


「ガウウウッ!!」

「デカいのもいるし、しんどいわ…」

「じゃ、ちょっと休む?」

「—ガッ!?」


 クロヒョウに襲い掛かろうとした大型セルリアンが弾ける。


「助かったわ。でもライオン、こっち来て大丈夫なん?」

「あっちはキョウとルイスが頑張ってるからね。まあここは私に任せなよ」


「やるときはやらないとね?」


ライオンの目がギラリと光る。




「せいっ!たあっ!」

「うにゃにゃにゃにゃあああ!!!」

「うにゃにゃにゃにゃー」


 サーバル達も群がるセルリアンを蹴散らしていた。


「なんか調子出てきた!あの少しでっかいのもやっつけちゃうよ!うにゃあ!パッカーン!」

「どう!?見てた!?カラカル!セーバル!」

「サーバル!後ろ!」

「えっ」


 サーバルが振り向いた時には、セルリアンの攻撃が目前に迫っていた。


「あっ…」



「私の…大事な友達は…傷つけさせません!」


 サーバルの前に割って入ったアードウルフがセルリアンの攻撃を受け止め、弾き返した。


「やああっ!!」

 

 そのまま無防備になった石を砕く。


「アードウルフ!助かったよ!」

「サーバルちゃん、ケガはないですか?」

「うん!」

「良かった…」

「サーバル、調子乗りすぎ」

「もう、ドヤ顔するのはきっちり倒し切ってからにしなさい!」

「うう、ごめんなさい…」

「大丈夫、ですっ!サーバルちゃんの背中は、私が守りますから!」

「だから、残りも早く倒しちゃいましょう!」

「アードウルフ、少し見ないうちに滅茶苦茶頼もしくなったね…」

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