サバンナエリア_5

「アードウルフー、そろそろ起きてー。休憩所に着いたよー」

「んぅ…?」

「おはよう、アードウルフ」

「えっ、あっ、さ、サーバ…ルちゃん…ッ!!」


 状況を理解したアードウルフの顔がみるみるうちに赤くなっていく。


「わあああっ!!ごめんなさいごめんなさいぃ!!」

「お、落ち着いて!大丈夫だから!」

「す、すみません…」

「とってもかわいい寝顔だったわよ」

「うう…恥ずかしいです…」


 ニヤニヤして言うカラカルに、アードウルフは手で真っ赤な顔を隠しながら耳を垂らす。


「もう着いたのか。隊長、後でまた聞かせてもらいたいのだが、いいかな?」

「もちろん、喜んで」


 一方、バリーは隊長にヒトの戦い方や武器について熱心に聞いていた。


<<忘れ物に気を付けて、ゆっくり降りてくださいませ>>


 ルイスがアナウンスを流し、ドアを開ける。


「さあ、入ってくれ。みんなに紹介しよう」


「あ、バリー、おかえりー。遅かったねー」


 入口のドアを開けると、ライオンが床にごろんと寝そべっていた。


「お、サーバル達も来たんだ。後ろにいるのが例のジャパリフォースってひとー?」

「そうだ。だから、もう少しシャキッとしてくれないか」

「ふああ、そう言われてもねー…動いたら眠くてー…」

「ライオンも平常運転だね…」

「もうほとんど帰ってきてるから、バリー、確認よろしくー…」

「寝てしまった…」


「バリーにアードウルフ、お帰りなさい。無事でよかった。チーター姉妹とは会わなかった?」


 腰にサーベルを下げた、サーベルタイガーが不安そうに聞く。


「いや、会わなかったな」

「我々も見ていないな」


「あの2人だけ、まだ帰って来えへんねん」

「姉ちゃん、やっぱり探しに行かへん?」


 ヒョウとクロヒョウも心配そうにしている。


「一度呼びかけてみよう」


 バリーは外に出て、


ガオオオオオオオオッ!!!と空気が震える程の雄叫びを上げた。


「無事ならこれで戻って来るはずだ」

「ええ、待たせたわね」


 ビュオンッと風の音と共に、チーターとキングチーターが現れる。


「2人とも、無事だったか」

「当り前よ。セルリアンごときに遅れは取らないわ」

「かなり強そうなセルリアンがいたから、様子を見ていたの」

「アカガウに近い形だったけど、かなり大きくて頭が3つもある黒いセルリアンよ」

「ふむ…放置するのは危険だな。皆で協力し、倒してしまおう」

「我々にも手伝わせてくれ」

「ああ、助かる。全員で戦えば必ず勝てるはずだ」

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