サバンナエリア_4
「バリーにアードウルフ!」
「おお、サーバル達だったか。そちらがジャパリフォースの人達か?」
「ああ、私が隊長のゲンだ。こっちが隊員のキョウにリョウ、アリサと、バスの所にいるのがルイスだ」
「私はバーバリライオンのバリーだ。よろしく頼む」
「わ、私、アードウルフですっ!よ、よ、よろしくお願いします…」
アードウルフはサッとサーバルの陰に隠れてしまう。
「わわ、大丈夫だよ、アードウルフ。みんないい人達だから!」
「う、うん…ごめんね、サーバルちゃん。私、緊張しちゃって…」
「それで、こちらにセルリアンの群れが来なかったか?大型のセルリアンが3体と小型のものが複数だったのだが、逃がしてしまってな」
「それならさっき倒したわよ」
「何?本当か」
「うん、大きいのは隊長たちがやっつけて、小さいのはセーバルたちがやっつけたよ。隊長とキョウは1人で大きいの倒したし、楽勝だったね」
「あれを楽勝とは、流石だな。後で手合わせ願いたいところだ」
「すまない、オレ達はセルリアン専門なんだ」
「そうか…残念だ」
<<おふたりさん、喉渇いてないか?>>
ルイスが冷蔵庫に残っていたけもの水を差し出す。
「おお、ありがたい。いただこう」
「あ、ありがとうございます!」
かなり喉が渇いていたのか、2人はごくごくとけもの水を飲んで一息ついた。
「はぁ、おいしかったです」
「バリーちゃんがセルリアンと戦ってるのはいつも通りだけど、どうしてアードウルフまで一緒に?」
「わ、私、バリーさんに鍛えてもらってて…」
「今回は良い修行になりそうだと思ってな、私が誘ったんだ。稽古を始めたばかりの頃と比べたら、もうずいぶん強くなったと思うぞ。こうして私についてこられている訳だしな」
「そ、そうかな…えへへ、バリーさんにそう言ってもらえると嬉しいです」
「うむ。だが君はまだまだ強くなれるぞ!共に武を極めよう!」
「私はほどほどでいいんですけど…」
これを修行と言ってのけるあたり、流石は百獣の王ライオンというところか…
「バリー、サバンナには他に誰が残っているの?」
「主に我ら百獣の王の一族がセルリアンの掃討に当たっている。トラやジャガー達はジャングルエリアの方に行っているし、ホワイトライオンは雪山の方に行ったので全員ではないがな」
「掃討って…」
「この道の先の休憩所を拠点にしているんだ。この辺りのセルリアンはほとんど倒してしまったし、私も先ほどの群れを片付けたら戻ろうと思っていたのだが」
「ここまでセルリアンをあんまり見かけなかったのはそういうことね…」
「普段はもっといるのか?」
「ええ。『サーバルが走ればセルリアンを踏む』ってコトワザがあるくらいよ」
「ないよ!?キョウ、そんな情けないコトワザないからね!?」
「今ならサーバルが走り回っても大丈夫そうだね」
「セーバルまで…」
「休憩所まで行くなら、一緒にこのバスに乗って行こう。我々の目的もフレンズ達との合流なのでな」
「では、そうさせてもらおう。…アードウルフも疲れてしまったようだしな」
サーバルの隣に座ったアードウルフは、サーバルの肩にもたれてすやすやと眠ってしまっていた。
「アードウルフ、すっごく頑張ったんだね…」
<尊い…尊すぎますッ!>
「ミライさん、もう少し我慢できなかった?」
<できませんでした>
「アードウルフが起きちゃうから、静かにしようね?」
<はい…>
<<よし、休憩所の位置を確認した。出発するぞ>>
ルイスが静かにバスを発進させた。
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