オオイヌ

<<サーバル達にはこっちにまだお楽しみが残ってるんだぜ>>


 サーバル達と一緒にルイスについていった先には、装甲バスとでもいうような、大型の兵員輸送車が2台停まっていた。


「ジャパリバスよりでっかい!」

<<THTJKB-01、ジャパリフォース特注の居住性特化モデルだ。定員は運転席と助手席を除いても15名、シートは安全性を考慮しつつ極限までふかふかに、なんと小型だが冷蔵庫、冷凍庫まで完備してるぞ!>>

「きょじゅーせー?」

<<おっと、すまん。つい熱くなっちまった。要するにものすごく乗り心地が良くて、冷たいジュースを飲めるしアイスも食べれるスゴイ車だ>>

「これ作ったの、間違いなく天才だね」

「私が言うのもなんだけど、なんか努力の方向性間違ってない?」

「オレもそう思う…」

<<ま、ここは銃弾や砲弾が飛んでくる訳じゃないからな。冷蔵庫はフレンズが改造した時についでに付けたらしい>>

<<見せたいのはあともうひとつあるんだ、ついてきてくれ>>


 再びルイスに案内された先では、六角形のコンテナのようなものがいくつも転がっていた。


「なんだこれは?」

<<とっておきの、荷物持ちさ>>


 ルイスがコンテナ側面の操作パネルを叩くと、コンテナから4本の足が伸び、立ち上がった。


「なにこれー!?ロボットなの!?」

<<そう、これはオオイヌって名前の4足歩行の輸送ロボット。150kgの荷物を積んで、どんな地形も最高時速50kmで走ることができるんだ>>

「なかなか速いな」

<<荷物はコイツに持たせておけば、どこまでだってついてきてくれるぜ。それに音声認識機能もついてるんだ。オオイヌ、サーバルを追従しろ>>

<わふっ>

<<サーバル、軽くその辺走ってみな?>>

「うんっ」


 タッタッタ…と走るサーバルを、オオイヌはしっかりと追いかける。


「わー、ちゃんとついてくるよ!」

「セーバルもやってみたい!」

<<オッケー、オオイヌ!追従対象をセーバルに変更!>>

<わふっ>

「こっちにきた!すごい!」

「…かわいいじゃないの」


 機械系にあまり関心のなかったカラカルも尻尾をゆらゆらさせていた。


<<サーバル達の重さなら、上にだって乗れるぜ>>

「ほんと?乗ってみたい!」

<<でも落っこちないように気をつけてな!>>

「大丈夫!わあ、カラカル!楽しいよ!一緒に乗ろう!」

「し、仕方ないわねっ」


<ああ、とっても微笑ましいですね…>


 ミライさんの動かすラッキービーストがポテポテと歩いてくる。


<…じゃなくて、そろそろ準備が終わるそうなので、隊長さんが皆さんをお呼びですよー>

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