映画

 チーム・ブラボーも自己紹介を終えた。


「よし、南側は各チーム5人、合計15人で行動することになる。皆で協力し、無事に任務を完遂しよう!」

「「「「了解!」」」」

「「りょーかい!」」

サーバルとセーバルも隊員達の真似をして敬礼した。

「あんたたち、そういうの好きよね…」

「カラカルもやろうよ!チームなんだからっ」

「ま、確かにそうね。じゃ、私も了解よ、隊長!」

「うむ!3人とも、明日からよろしく頼むぞ」


 隊長は満足そうに頷いた。


「しかし、まだ昼過ぎか…明日に備えて今日は早く寝るにしても、ずいぶんと時間があるな」

「もしよろしければ、みんなで映画を観ませんか?」


 ミライさんの提案。


「なんと、女王事件でのサーバルさん達の活躍を再現した映画があるのです!」

「あー、ミライさんがめちゃくちゃ気合い入れて撮影したアレね…」

「でもその前に!時間には余裕がありますので、マーゲイさんの撮影した『海賊フレンズ Go!Go!サーバル!』を先に観ましょう!隊長さん、どうでしょうか!?」

「う、うむ、他に案のあるものは居るか?」


 沈黙。オレも首を横に振る。


「よし、では映画鑑賞にしよう」

「では私は準備してきますので!サーバルさん、皆さんを映画館にご案内していただけますか?」

「りょーかい!」


 サーバルの返事を聞くと、ミライさんはばひゅん!と走り去った。


「はっや…」

 

 自分を含めた数名の隊員が思わず呟く。


「ミライさんはけものが絡むとすごいからね…」

「私も初めて会った時、すごい熱意で解説されたわ…」

「さ、みんな、行こう?セーバルも早く映画観たいな」


 サーバル達に案内され、映画館[けものシアター]に入る。


<皆さん、お好きな席へどうぞ!もうすぐ準備が終わりますので!>


 劇場内に響くミライさんのアナウンス。


「自分が出てる映画をみんなで見るのってなんか恥ずかしいわね…」

 

 カラカルは大きな耳を前に折り、赤くなっている。


「うにゃ…そう言われるとちょっと恥ずかしくなってきたかも…」

「そう?わたしはみんなで見るの楽しいよ?はい、ポップコーン。全員分あるよ」

「「いつの間に…」」

「『映画にポップコーンは欠かせない』わたしの辞書にはそう書いてあるのです」

「もれなくサーバルの辞書にも書いてありそうね」

「否定できない…!くそぅ、くそぅ!」


 サーバルは悔し気な顔でポップコーンをむしゃむしゃと食べた。


<皆さん、お待たせいたしました!まずは『海賊フレンズ Go!Go!サーバル!』、間もなく上映開始です!>

 

 セーバルからポップコーンを受け取り、3人のやり取りを微笑ましく眺めている内に映画が始まり…

2本目の『園長とサーバル達の大冒険』が終わった。

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