セルリアンについて

 園長の隣に座っていた白衣の女性が壇上に上がる。


「ジャパリパーク研究所副所長、カコと申します。よろしくお願いします」

「私からは、セルリアンの危険性について説明させていただきます」


「専門的なことは省きますが、基本的にセルリアンは無機物にセルリウムが触れることで生まれると考えられています」

「そしてあらゆるものから所謂『輝き』を奪い、場合によっては模倣することもあります」

「輝きを奪われたものは、場所や建物であれば急激に魅力を失って寂れてしまったり、機械などは正常に動作しなくなる、などの影響が出てしまいます」

「もしもアニマルガールが輝きを奪われたのなら、軽度であればやる気や自信、情熱の喪失などの例があり、重度の場合、記憶の喪失や…最悪のケースはアニマルガールの状態を維持できなくなり元の動物に戻ってしまうことまで…あります」


「そしてここにいる皆様にとって最も大切なことである、『ヒトが輝きを奪われた場合』ですが…」


 カコ博士の表情が曇る。


「研究員として情けない話ですが、『どうなるか分からない』というのが現状です…」


「ご存知の通り、私はパークセントラル襲撃事件の際、輝きを奪われてしまいました。私は昏睡状態となり、輝きの模倣が行われたため、パークには極めて危険なセルリアンの女王が出現してしまいました」

「トワ園長たちの活躍で女王が倒されたことで、私はこうして無事に復帰することができていますが、次も必ず同じ結果になるとは断言できないのです」

「むしろ、たくさんのキセキが重なって偶然助かった、そう私は考えています」


「アニマルガール達は皆さんと一緒でも普段通りセルリアンに立ち向かって行くのだと思いますが、セルリアンと戦うことは非常に危険である、という認識を忘れず、全員無事にこの場に帰ってきて欲しいのです」


 カコ博士は一礼して壇を降りた。

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