状況整理_2

「皆様、初めまして。ジャパリパーク園長のトワと申します」


 優しげな雰囲気の、白衣の若い男性が壇上で挨拶をする。


「ジャパリフォースの皆様はもうご存知とは思われますが…」


 トワ園長が超巨大総合動物園、ジャパリパークについてざっと説明した。

動物園としての規模の大きさも規格外だが、けもの達がサンドスターという未知の物質でヒトの姿に変身した、[アニマルガール]が唯一無二の特徴である。


「現在、ジャパリパークは危機に直面しています。どうかパークを、アニマルガール達を守るために、力をお貸しください」


 トワ園長が深々と頭を下げた。

優しい雰囲気の中に、確かな強さを持っている…そう感じる声だ。



「それでは、危機の元凶である巨大セルリアンについての説明に移らせていただきます。モニターにご注目ください」


 ミライさんの指示で、モニターに真っ黒いセルリアンが映し出される。

事前にデータで見たどのセルリアンとも違う、ただの黒い塊のような形状。


「これがキョウシュウエリアに出現したセルリアンです。大気中のサンドスター・ロウを吸収して巨大化と自己修復する能力を持ち、現在の全高は推定50メートル…アニマルガール達が一斉に攻撃しても、倒すことはできませんでした」


 50メートルという情報にホール内がどよめく。

アニメの怪獣や巨大ロボットのような大きさだ。


「フレンズさん達の協力によりサンドスター・ロウの発生源であった火山にフィルタリングを施したため、さらなる巨大化は抑えられていますが、残念ながら手遅れとなってしまいました…」


 ミライさんが顔を曇らせる。


<<そこで、君たちの出番という訳なのだよ>>

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る