状況整理_1

 オレ達の乗った船は何事もなくジャパリパークへ到着した。

船から降りるとジャパリパークの玄関口、パークセントラルの研究所へ案内される。

現在問題の起きている「キョウシュウエリア」からは既に全職員が退去しているため、ここで現在のパークの状況や、オレ達がこれから戦わなければならない〈敵〉についての説明をするらしい。


「俺、まだアニマルガールに会ったことないんだ。早く会いたいぜ」

「みんなそうですよ。こんな格好で怯えられたりしなければいいけど……」


 迷彩服の集団は小声で雑談をしながら廊下を歩いていく。


「ふふっ、ご安心ください。フレンズさん達はみーんないい子たちですから!きっとすぐに仲良くなれますよ」


 先頭を歩いている女性——

ジャパリパークの元ガイド、現在はパークの調査隊の隊長となったミライさんがにこりと笑う。


「こちらのホールで状況を説明させて頂きます。さあ、どうぞ」


 ミライさんが大きな扉を開く。

数百名は収容できそうなホールにずらりと並んだ机とイスの奥で、巨大なモニターが青い待機画面を映していた。


 席に着き待つこと数分、全員到着したようだ。


「お待たせいたしました。これよりジャパリパーク、及び現在パークを脅かしているセルリアンについての説明と、巨大セルリアン討伐作戦の通達を行います」

「パークについての大まかな情報はわたくしパーク調査隊長ミライとトワ園長から、セルリアンについては研究所副所長カコ博士から説明させていただきます」


 ミライさんのよく通る声がホールに響く。

先ほどの笑顔とは違う、真剣な表情だった。

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