第9話 南の森の魔物は多分強い
「ここから南の森か」
南門を出て、半日。串焼きを頬張りながら森を見る。目線を左右に動かしても木しか見えない。物凄いでかい森林なんだなあ。日が傾き始めてきたから今日は中に入らないで野宿だな。そう決め、焚き火をする準備をする。落ちてる枯れ枝を探し、火魔法で火をともす。
「初めて焚き火したけど、案外暗いんだな」
焚き火の範囲は大体2メートル程。もう日が完全に隠れてしまっているから、焚き火の火より先が見えない。そういえば人生で初めてじゃないか? 一人で野宿するの。いや、野宿自体初めてか......。
「あ、テントとか野営道具なにも買ってないじゃん。俺焦りすぎだな」
気にしても仕方ないよね! 楽観的に考えて、何をするか考える。......そういえばステータスを確認してみようかな。スキルの確認もしたいし。ステータスを発動する。
名前:佐々木タクミ
種族:人
性別:男
年齢:17
Lv:17
HP:623/623
MP:1872/1872
力 :187
防御:126
速さ:153
器用:204
魔法
火魔法lv8
水魔法lv7
土魔法lv6
風魔法lv6
光魔法lv6
闇魔法lv6
空間魔法lv5
スキル
HP回復上昇lv1 MP回復上昇lv7 格闘技lv3
称号
バルディアの加護
ゴブリンの天敵
スキルが二つほど増えているな。スキルの確認するか。スキルをタップして説明を開く。
HP回復上昇…HPの回復スピードが上がる。現在2%
MP回復上昇…MPの回復速度が上がる。現在5%
格闘技…身体の制御がしやすくなる。対人戦当時に補正あり。
状態異常無効化…身体に悪影響が出るあらゆる状態異常を無効化する。
攻撃無効化…敵意や殺意、害意のこもった物理、魔法攻撃を無効化する。また、敵意、殺意、害意がなくとも、持ち主にダメージを与える攻撃を無効化する。
獲得経験値10倍…獲得できる経験値が10倍になる。スキルレベルも同様。
鑑定…生物、無生物を鑑定することができる。偽装がかけられていた場合でも問題なく鑑定できる。下位互換に看破というスキルがある。
マップ…周囲の地理状況を表示する。レベルが上がると、生物の検索や、敵味方の判別、広範囲での地理状況を表示できるようになる。※マップのスキルレベルは5で最高。
成長率増加…レベルが上がった時にHP、MP、力、防御、速さ、器用の上昇値に補正がかかる。
魔力操作…魔力を操作するときに補正が入る。※レベル最大です
魔力消費軽減…魔法の使用時、消費するMPを半分にする。
ふむ。説明をちゃんと確認するのは初めてだな。確認作業を終えて、串焼きを食べていると、森の中の茂みからこちらに向かってくる音がする。
「ん?」
そちらに目をやる。焚き火の火が届いていない範囲だったので、何かが分からない。茂みから四足歩行の魔物が現れた。すぐさま戦闘隊形をとる。すごい形相で此方を睨む魔物。速効で鑑定をかける。
名前:――
種族:キラーウルフ
性別:オス
年齢:――
Lv:32
HP:254/254
MP:0/0
力 :425
防御:376
速さ:438
器用:88
魔法
スキル
嚙み付きlv3 爪斬スラッシュクロウlv4 咆哮lv2
称号
今の俺よりも強いな。だが、俺のスキルと魔法があればなんとかなるだろ! 武器屋で買った長剣を構える。焚き火を挟んで睨み合っていたが、先にキラーウルフが襲い掛かってくる。
「はや!」
速さが倍以上あるのでほとんど姿が見えない。ギリギリ身体が形が見えたので、右に思いっきり転がる。攻撃無効があるから避ける必要がないと思ってるんだろ? もしかしたらいつかスキルが封印されちゃうかもしれないだろ! だから今のうちに戦いに慣れとくんだ!
すぐに起き上がり再び剣を構える。次は回避だけじゃなくて反撃もできるようにしよう。次の行動を考えていると、再びキラーウルフが襲い掛かる。さっきと同じく形がぼんやりとしか見えないが、今度は、体を半身にして躱す。キラーウルフが俺の横を通り過ぎるときに、剣で切り付ける。
キラーウルフの白銀の毛に血がにじむ。防御力も俺の倍以上あるから致命的な攻撃にならない! 剣で切り付けられたのに怒り出したのか、咆哮を上げる。これが咆哮か! 体がビリビリするが、問題にはならない。このくらいだと無効化のスキルは発動しないのか。
咆哮でひるまなかった俺を見て、また怒り狂ったように唸り声を上げる。キラーウルフが爪を立てて襲いかかってくる。その瞬間、服に衝撃が入り少し後ろにずれる。痛くないからスキルは効いているのか。
さすがの、キラーウルフもこの技を受けられると思っていなかったのか一瞬動きが止まる。いまだ!
「転移!」
キラーウルフの真後ろに転移して思いっきり首を切りつける。後ろから攻撃されないと思っていたのか、抵抗することなく剣が入り、血が吹き出す。動かないことを確認してキラーウルフを
「うお、なんだ!? 力がみなぎってくるこの感じは」
レベルアップの影響だろうか。確認するしかないよな。ステータスを開く。
名前:佐々木タクミ
種族:人
性別:男
年齢:17
Lv:47
HP:2198/2198
MP:5490/5490
力 :925
防御:782
速さ:932
器用:942
魔法
火魔法lv8
水魔法lv7
土魔法lv6
風魔法lv6
光魔法lv6
闇魔法lv6
空間魔法lv5
スキル
HP回復上昇lv1 MP回復上昇lv7 格闘技lv5 無限収納インベントリ 状態異常無効化 攻撃無効化 獲得経験値10倍 鑑定 マップlv3 成長率増加 魔力操作lv10 魔力消費軽減 直感lv1 剣術lv1
称号
バルディアの加護
ゴブリンの天敵
物凄く強くなったな。レベル32が相手だから仕方ないか。今日はもう襲ってこないよな?もう日が暮れてあたりは真っ暗だ。現在の時刻は19時28分。伝統のない世界じゃ真っ暗だ。焚き火だけじゃ光が心もとないので、光魔法の球を出す。そうすると焚き火の十倍以上明るくなる。LEDライト並みの明るさだ。
「さすがに外で寝るのわな......。簡易的な家を作るか」
土魔法で小屋を作る。扉も土だけど硬度を高くしてあるから脆くはない。異世界理論かはわからないが、扉はスムーズに開け閉めできる。施錠できる場所も作ったから勝手に開けられることもない。
衣服を選択し乾かして
「ベッドないな......」
どうしようか。ベッドで寝てたから、床にはあまり寝たくないんだよなあ......。床で寝ない方法を考えると。一つ方法を思いついた。まづ、水魔法で俺が寝れるくらいの大きさの球を作る。その次に、弾力を上げて。乗っても問題ないくらいにする。それを勝手に魔法が解けないようにイメージする。うん? 上手くいかんな。ならこの水に弾力性を加えれば......。そうするとなんと簡易版のウォーターベッドの完成だ!
「これは......寝心地めっちゃよさそう」
ベッドに横になるとすぐに寝落ちしてしまう。明日から討伐頑張るぞ......。睡眠欲には勝てないね。
寝静まった夜中。扉を誰かがドンドンと叩く。最初は聞こえていなかったが、何回もたたかれるため、目が覚めてしまう。俺の睡眠を邪魔するとは、いったい何の要件なんだ......。睡眠を邪魔されると気分悪くなる系の男の子だから仕方ないよね。そんなことを考えている間にも、とびらは強くたたかれる。
「うるさいぞ! いったい何時だと思ってんだ!」
扉を開け、思いっきり怒声を上げる。扉をたたいてたものは、ヒッと声を上げ尻もちをつく。焚き火も消えているし、光魔法も出してないから顔は全く分からない。ぼんやりと見える姿から14~5歳の子供に見える。観察をしていると、尻もちをついた者が声を上げる。
「あ、あの! 私を助けてください!」
声的に多分女の子だろう。どうやら助けを求めているようだ。
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