第7話 魔法はイメージがすべて
「ここなら誰にも邪魔はかけないだろう」
半径100メートル程木が立っていない場所だから魔法が暴発しても大した問題にはならないよね!
広場のど真ん中に座り、それぞれの属性の魔法を発動させる練習をする。まずは火属性だな。火だろ?火の大きさは大体バスケットボール位でいいかな。うお!?出てちゃったよ......。
目の前に、想像した通りの炎の玉が浮かんでいる。今度はこいつを動かして見る。ゆっくりだが動いてくれた。10分くらい操作しているとスムーズに動くようになった。目に見えて上達するから、いつまでもやってられるよ。
「これ、形とか変えられないのかな?」
球の形から矢の形に想像を変えてみる。5秒ほど遅れて炎の形がゆっくりと変わっていく。まだ誤差があるな。10分程反復練習をすると想像してすぐに形が変わるようになった。楽しくなっていろいろな形で遊んでたら、急にめまいがして目の前が真っ暗になる。
「なん......だ、これ――」
「んんっ......寝ちまったか。 いったいどうしたんだよ」
何故いきなり気絶したのだろうか。何か異常がないかステータスを確認する。
名前:佐々木タクミ
種族:人
性別:男
年齢:17
Lv:03
HP:90/90
MP:285/563
力 :65
防御:49
速さ:64
器用:73
状態:魔力枯渇
魔法
火魔法lv4
水魔法lv1
スキル
HP回復上昇lv1 MP回復上昇lv3 格闘技lv3
称号
バルディアの加護
MPが減ってるな。いろいろステータスが上がっているな。ん? 状態って項目があるな。魔力枯渇? ってなんだ?
状態の項目をタップする。
状態:魔力枯渇
・魔法を行使しすぎ、MPが0になった時に起こる状態。MPが50%以上回復しないと気絶から覚めない。完全回復するまでは魔法の行使が格段にしにくくなる。1分で約2%回復。『MP回復効率増加』の現在レベルだと一分に約5%。魔力枯渇時、MP値微量増加
なるほど、魔力枯渇を起こしたから気絶したのか。今は魔法が使いにくいらしいな。試してみようか。
火の玉を出現させようとしてみるがスゴイ時間がかかる。30秒くらいしてようやく炎の球が出てきた。形を変えてみる。む、すごい変えにくいぞこれ......。
5分ほどでようやく形が変わる。本当に遅いな......。なんでだろう? 魔素に意識を向けると、体中にあまり魔素がないな。回復に使われてるからか? いつもより魔素が少ないから魔法が出しにくいのかな。なら少ない魔力で効率よく魔法を出すにはどうすればいいのか......。
魔法を使うときはイメージが重要。なら、一粒の魔素が2倍の力が出るようにイメージすればいけないか?
「こんな感じで、こう、1の力で2のパワーを出す的な......」
ぶつぶつ言いながら炎の球を作ると、魔力枯渇前と同じくらいの速度で作れた。これなら枯渇中も魔法が練習できるな。50分ほど練習すると、もっと素早くできるようになった。枯渇前が誤差1秒くらいで、今は誤差がないくらいだ。
魔法で遊んでいるとお腹が減ってきた。今の時刻は11時20分。育ち盛りならお腹が減るよね。買ってきた串焼きを食べる。肉とたれが混ざっててすごく美味しい。
串焼きを食べていたら、身体の調子が良くなってきた気がする。ステータスを見てみる。
名前:佐々木タクミ
種族:人
性別:男
年齢:17
Lv:03
HP:90/90
MP:563/563
力 :65
防御:49
速さ:64
器用:73
魔法
火魔法lv4
水魔法lv1
スキル
HP回復上昇lv1 MP回復上昇lv3 格闘技lv3 無限収納インベントリ 状態異常無効化 攻撃無効化 獲得経験値10倍 鑑定 マップlv2 成長率増加
称号
バルディアの加護
んー次は何にしようかな。次は結構気になってる空間魔法かな。
「空間魔法か。代表的なのは転移や空間の固定とかか?」
転移は、点と点をつなぐ感じでやってみるか。最初の点はここ、到着の点は、そうだな宿の部屋にするか。
「転移!」
叫んだと同時に景色が変わる。部屋の中に瞬間移動できたようだ。ニヤけが止まらない。少しの間ニヤニヤしてると、空間魔法ならという魔法を一つ思いついた。
「空間魔法ならサーチみたいな探索魔法があるんじゃないか?」
自分の魔力を周りの空間に干渉するように広げていく。感覚としては自分の魔素を波のように広げる。とりあえず人間に反応するように意識する。そうすると宿の中にいた人から道を歩く人など手に取るようにわかる。おお、これは結構使えるな!
魔法の練習するために一度元いた場所に戻る。
よし今度は風魔法をやってみよう。確かラノベでは風魔法はかまいたちとかダウンバーストとかだったかな。かまいたちからやってみるか。見えない風の斬撃みたいな感じで魔法にしてみる。
「これじゃあできてるのかわからないな」
やってて思うのはこれだ。風なんて目に見えないからできたかどうかわからない。てかこれ成功したときに人がいたらシャレにならんよな......。ちょっと放つ前に人がいないか確認するか!
「こういう時に便利なサーチだよね」
周りに人間がいないか調べる。うん、めちゃくちゃ広く調べたけどここら辺には人間はいないな......。なら気兼ねなくぶっ放せるね!
どれくらいの威力があるのかとりあえずかまいたちを思いっきり前方に飛ばしてみる。ヒュッ、と音がして前方の木々が何本も倒れていく。なんかの叫び声も聞こえたから、モンスターでも切ったかな? まあいっか! 魔法が上手くいったし。
日が暮れるまで練習をする。現在の時間は17時23分。そろそろ門が閉まる時間だ。森の目の前に転移する。10分ほど歩き、門を通る。宿に帰り夕食を食べる。食べながらステータスを確認する。
名前:佐々木タクミ
種族:人
性別:男
年齢:17
Lv:17
HP:623/623
MP:1872/1872
力 :187
防御:126
速さ:153
器用:204
魔法
火魔法lv8
水魔法lv7
土魔法lv6
風魔法lv6
光魔法lv6
闇魔法lv6
空間魔法lv5
スキル
HP回復上昇lv1 MP回復上昇lv7 格闘技lv3
称号
バルディアの加護
ゴブリンの天敵
ステータスがすごい増えたな。それに称号も増えてるし。
ゴブリンの天敵
・ゴブリンを100体倒すと手に入れる称号。ゴブリンに与えるダメージが1.5倍になる。
いつゴブリンなんか倒したかな?何でもいいか。夕食を食べて部屋に戻る。そういえば服を洗濯してないな。水魔法で水の球を作る。その中に今日使った衣服と昨日着た衣服を水の中にポイする。水の中に洗剤を発生させられないかな?
イメージすると、水の中から泡が出てくる。魔法万能すぎる気がするな。水魔法を回転させて洗濯する。使った水は消えろと念じれば消えるから地面を汚すことはない。魔法万能すぎる......
洗濯後は風魔法と火魔法の熱だけ放ち、温風を当て乾かす。20分程で乾いたので、
全身から一気に魔力を放出させる。1分とかからずに魔力を使い切り、目の前が暗くなる。明日は依頼を受けてみよう......。明日のことを考えながら眠りについた。
一方そのころ、冒険者ギルドでは、森の中に大量のゴブリンの死体が出てきたと大混乱になっていた。それを主人公が知るのは少し後のお話し。
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