第3話「当たって……?」
などと言ったことがあって今に至る、という訳だ。
脳内での回想がようやく終わった涼介は、その会話の内容を改めて一つ一つ確認して考えた。
だが、ゆうなが突然自分に甘えてきたのか、という疑問には皆目見当がつかず諦めた。
「だが」と呟いてから涼介は顔を自身の右腕の方に向ける。
(これは……流石に引っ付きすぎなんじゃないか?)
右腕に抱きついている少女を見てそう思う。
涼介の右腕は肘のあたりが胸に、手首のあたりが太ももに、そして手は局部に乗られているという状況だ。
あらかじめ断っておくが、これは兄妹であるから許されるのであって、傍から見ればただの変態行為である。
涼介は右腕に感じる、確かな膨らみと感じてはいけない禁断の柔らかさに思わず顔が赤くなってしまいそうだったが、流石にそんな姿を見られたくは無いので、なんとか外見は冷静を装った。
こんな過度な事を外出中にされてしまうと身が持たない、そう思った涼介は、少し注意しようとゆうなの顔を覗いたのだが……
「二ヒヒー♡」
(ま、まぁ、今度でいいだろ……その時はその時だ、うん)
満面の笑みでとても幸せそうなゆうなの顔を見ているうちに、注意する気がどこかに失せてしまった涼介であった。
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