　応募作品は428作。KAC8の447作からさらに減少しました。

　ここら辺に来て、最初は皆勤賞を狙っていた方々が、もう諦め始め、そして最後に来るだろうお題「最後」や「ありがとう」、「カクヨム」などに向けて準備をされていたのかもしれません。

　それがあんな形になるとも知らずに……。

【KAC9】おめでとう

無月弟様：最愛の弟に送る『おめでとう』

「最愛の弟だけは……」

素晴らしい、の一言に尽きます。

悲しいトーンが続き、どうなるかと思いきや、何とも歯切れの良い結末が待っています。優しい気持ちになれました。

　無月兄弟様といえば、ランキング５位に幾度となくに食い込んでいらっしゃる実力者。しかも、双子で書いていらっしゃるというなんともインパクトがあるお方です。

　このカクヨムという砂漠の中でキラリと光るためには、やはり個性やインパクトが大事です。その中で、この無月兄弟様は忘れることはないでしょう。今回の企画でこのような方を知る事ができたというのはまずそれだけで大きな収穫でした。

　しかも何とご自分の近況ノートで実は無月兄弟様は、兄弟ではなく「姉妹」だったとカミングアウトされています。

　とても衝撃の走った日だったと思います。詳細は実際の近況ノートをご覧ください。大事な事なのでもう一度書きます、詳細は近況ノートをご覧ください。

「無月弟様の近況ノート」

　そして作品もさすがに上位に食い込むだけあって、内容も秀逸です。

　父を失って、母を失った。せめて最愛の弟だけは……そう思っていた主人公にまたもや大粒の涙が襲います。人生はなんて……なんだ。

　文章の繋げ方が絶妙です。まさに小説の強みであるミスリードを完全に使いこなしていらっしゃいます。このジェットコースターに乗っているような、何とも言えない胸の暖かさを是非多くの人に体感していただきたいと思いました。

　次はいよいよラスト、あの物議を醸したあのお題です。

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