第33話 ふっざけんなよ!
さて、精霊を捕まえてリリムを待っているの間に私の心境は変わりつつあった。
レベル、もう見ちゃおっかな。
リリムがなかなか帰って来ないし、別に結果が変わる事なんてないんだから。
それに、テイムした精霊のステータスだって確認しとかないといけないしね。
いいよね。
よし、見ちゃお。
私は心の中で一人問答を繰り返し、自分のステータスを確認する事にして、そっと目を閉じた。
職業【捕獲調教師】
LV:45☆
MP:62
SP:130
残りJP:210
ヤバたん!?
え、何?上がりすぎじゃない!?
こんなに楽にレベル上がっちゃって良かったの?
前見た時は7だったから、38も上がってる!
「マリーヌ!レベルが物凄い上がってるわ!!
なんか☆マーク付いてるけど、何これ?」
今回の功労者であるマリーヌにそう言った私の目は、それはもう輝いていたと思う。
だって、私はリリムの偽物をぶん殴っただけなんだもの。
それだけでこんなにレベルが上がるなんて、レベルカンストなんて直ぐなんじゃない?
「☆マーク、ですか。
一体幾つになったんです?」
マリーヌは私の声に少し驚いた様だったが、冷静に返答した。
「7から一気に45まで上がったわよ!」
「そんなに!?敵は強いですが、7からスタートしていたならせいぜいレベル30前後な気がするんですが・・・。
早熟な職業なんですかね?
因みに☆マークは、現状の職業レベル上限に達した事を意味します。
上限を解放する事で、最大レベル100まで成長出来るようになりますよ。」
レベル上限ですと!?
そんな物があったのね。私一人だったらそんな事知らずに、ひたすらレベルが上がらない〜!!って、敵を倒してたでしょうね。
リリムもやっぱり、こう言う事は知ってるのかな?
「それから、私は元々魔導師でしたがレベル60で上限になり、上限を解放したときに大魔導師に変わりました。」
腰に手を当ててない胸を前へと突き出すマリーヌ。
どうやら、上限を解放する事で職業自体にも、何かの変化がある様だ。
私のは45で限界、魔導師とはえらい違いね。
でも、勇者を従えるにはまだ足りないだろう。
マリーヌのレベルでさえ、強さは到底敵わないのに、勇者となると更に強いはず。
こうもあっさりレベルが上がると、精神的にだけではなく徹底的に負かしてやりたい気持ちに駆られ始めた。
おっと、精霊のステータスを見てなかったわね。
従者一覧から確認しておこう。
その他の欄を開いて従者を確認する。
捕獲成功数:8
現在捕獲数:0
調教成功数:7
従者数:5【一覧】
あれ?
従者数5?
リリムとマリーヌ、ラックに精霊。あとなんだっけ?
一覧を開いて確認する。
リリム・パトリッジ
人(♀)
賢者
ラック
マウントウルフ(♂)
無職
マリーヌ・トルネリア
人(♀)
大魔導師
セレナ・クロスベルク
人(♀)
若女将
レレル
精霊
召喚士
女将さん!!
ごめん、そういえばいたわね。昨日の事なのにすっかり忘れてた。
でも、従者だけど付いて来ようとはしないし、今まで通りに生活してるのかしら?
ちょっと良くわかんないけど、また今度確認してみようかしら。
でも、あの場所に行くのは気がひけるわね。
あとは精霊ね、レレルか。召喚士って事は、さっきのグレイトロードとかもそれなのかな?
レベル70を超えるらしいグレイトロードを召喚できるなんて、職業レベルも高そうだ。
レレルの詳細を確認したところ、レベルは85であった。
相当高いけど、自身の戦闘能力はかなり低かったわね。
レベルが全てではないと言う事か。
しかし、私一人だとまず勝てなかっただろうから、一概には言えない。
それにしても、リリム遅いわね。
これならスキルとかのレベルも上げちゃおうかしら?
今捕獲も調教もレベルは3だ。とりあえずは調教のレベルを上げておこう。
必要JP6か、レベル上限がわからないけど、あげれるだけ上げよう。
調教のレベルを上げると、結局10になったときに★マークが付いた。
6ずつJPを消費して、最後の一回が10必要だった。合計46のJPを消費した。
まだ164も残っているし、捕獲も上げておこうか。
僕も同様に46のJPを消費して、レベル10で上限に達した。
有事のために、リカバリーの魔法も少し上げておく。こっちは必要JPが3とお手ごろだったが、レベル5で上限だった。
残ったJPは106。
粛正はとりあえず置いておく、まだ完全に必要とはしていないし、今のままでもある程度使える。
新たに獲得できるスキルがないか確認してみたけど、特に表示されていなかった。
ただ、今まで出ていなかった習得条件が表示される様になっていた。
全てに職業レベル上限を開放と書かれている。
その為、余ったJPを使う余裕は無くなった。
整理すると、現状のステータスはこうだ。
職業【捕獲調教師】
LV:45☆
MP:62
SP:130
残りJP:106
スキル
捕獲LV:10★
調教LV:10★
意思伝達LV:1★
粛正LV:1
魔法
リカバリーLV:5★
案外覚えられる事は少なかった。しかし、使いやすくスッキリしていてこれはこれで悪くない。
上限を解放した後には、更に新しく覚えられるのだろうが、楽しみに待っておこうと思う。
横を見ると、まだ頬をさすって痛がっている精霊レレルが目に入ったので、とりあえず黙らせてリリムを待つ事にした。
昼に近づいてお腹が減ってきた頃、少し離れた所に光が現れた。
ようやく、リリムが帰って来たようだ。
「遅かった・・・わ・・・ね・・・。
ーーーーーー!?」
現れたリリムはニヤニヤと恍惚な笑みを浮かべながら、女性に抱きついている。
「リリム、ほら、これで、これで勘弁して!!」
「何を言っているんですか、これからがお楽しみじゃないですか、セツナ様!」
その女性は私と同じ姿形をしていた、しかし、着ているその服は殆ど脱がされており、リリムが下着を握りしめている。
「さっさと終わらせとけやぁぁぁぁぁあああ!!!!!」
私は瞬時に反応し、駆け出して二人の顔面に殴りかかった。
ふっざけんなよ!!
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