全力を
赤塚の茶色がかった瞳をみて安心するのと同時に悲しみも押し寄せてきた。
「リー、、あ、、、?」
不意に声が漏れてしまう。
{え、、なに? どうしたの?}
「あ いや何でもない、、おごるのはまた今度にするから帰ってもいいか? もうこんな時間だ。」
時計の針はもう午前2時だった。
{あ、そうね もうこんな時間だし貴方が良ければ泊まってもいいのよ お客用の寝室もあるわ}
「ああ、でも明日は学校だから、、、あまり、、、それに12時間も寝たんだ、睡眠のとりすぎは逆効果になるんだよ。」
{そう、じゃあ今度は私が寝かせてもらうわ、ねえ、隣にいてね、一人だと寝つきが悪いんだ}
なんだこいつ、犬か?しかし布団を汚した自分に拒否権はない。
「ああ」
赤塚は新しい布団に横になるとすぐに寝てしまった。対して自分は赤塚の部屋を探索していた タンスを開けると中々派手な服があったりこの家に似合う着物があったり。
そこでまた12時間前に見た一つの写真に目が行く
「この人やっぱりどこかで?」
また涙がこぼれ落ちる、何なのだろうか、また感高ぶってきたので赤塚の寝顔を見ると少し落ち着いた、
よく見ると赤塚はきれいな顔をしている 今まで全く眼中になかったがよく見るとクラスのマドンナなだけある
次に赤塚の机に日記が置いてあるのを見つけた、開いてみると
彼はまだ起きない、出来ればこの時間が永遠に終わらないでほしい、彼とは前にも出会ったことがあるようなそんな気がしてとても落ち着く、
彼は冷たいふりをしているけれど、なんやかんやで助けてくれる優しい人間だ、まるで彼は頭の中をのぞいてるみたいに秘密がばれてしまう、
ママがドイツ人だってこともばれてたよ、
正直自分をほめてくれる日記を見てしまい罪悪感がのこるのと同時に承認欲求が満たされた。
気が付くともう朝で赤塚と学校に行くことにした、わざわざ自分の家までバックを取りに行ったとき、赤塚もついてきた
{まさか こんな大きな家だとは思わなかったわ、、私の家よりも大きいんじゃない?}
「かもな、ただ広いぶん動かないといけないからあまりいいとは思わないな」
自分の家は1ヘクタール程の正方土地の100m×50mが家で残り半分は庭だ、建築様式は4階建の屋上付きで近代的な家だ。
学校につくと、クラスが急に沈黙し、自分の机に「死ね」と書かれていた。赤塚とダンスをしたことに誰かが嫉妬しているのだろうか。
{ひどい、、、誰よ、、こんなことする人、、、}
「赤塚、お前は俺を無視しろ、お前まで巻き込まれる事はない」
{でも、、、}
「自分は大丈夫だから」
小声で赤塚と会話を終えると自分は寝ている一人のクラスメイトの前に立ち口を開いた。
「おい、お前だろ」
しかしこいつは口を開かない、こいつは寝たふりをしている、寝ている時は腹式呼吸になるので、肩が上下しない、だがこいつは少しだけ肩が動いているし
、普段喋らない自分が威圧をかけてきたのに動揺して呼吸がさっきよりも速くなっている。こいつの名前は確か氷室京介といったか
「氷室、」
ゆっくりと氷室は起きたふりをする。
(え、あ、なに?)
「なんで寝たふりをしていた? なにかばれたくないから?」
(何のことかさっぱりだな)
「まあいいよ、お前をここでミンチ肉にすることもできるけどやめて置いてやる、つぎしたら殺すからな」
クラスが沈黙つずける。
(殺せるものならなあ)
「そうだな、試してみるか?」
(ああ、 こいよぉ!!!)
氷室が立ち上がり全力と思われるパンチを繰り出してくる、あまり体を動かさないせいか、一発食らってしまった。
肉体的な痛みが久々で、急に頭に血が上り走馬灯のように過去の記憶がよみがえる。
「うああぁああぁああぁあ、、、」
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男(おい! 早く立ち上がれ! 実践なら死んでるぞ!)
「はい、、う、、おえええ」
男(きったねえなあ おらぁ!)
僕は180cmもあろう大人に蹴られ5m程吹っ飛び、圧倒的な力の差を思い知った、だが逆に その壁が自分を奮い立たせた。
「わかった、、もうわかった 強くなってやるよ」
男(うっせぇなあ!おらぁ!)
男の蹴りを間一髪でよけて全力で顔面を殴り鼻の骨を折った。しかし男はそのまま幼い僕の足を掴んで投げとばした、
あの日から毎日のように勝負を挑んだ、ひたすらに鍛え、鍛え、殴られ、蹴られ、あざだらけになったあの日々を
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正気に戻ると自分は殴られて倒れる直前で地面すれすれのところで地面に手が付き
自分は手だけの力で体を持ち上げ全力で氷室を蹴り飛ばすと6m程飛んでクラスが修羅場と化した。
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